現役ケアマネが教える、ケアマネ試験の必勝法 7ヶ条+おまけ
私は居宅介護支援事業所で勤務している現役ケアマネジャーです。
ケアマネジャーとして働いて、嬉しかったことも辛かったことも
たくさんありますが、これは経験してみないとわからなかったことですね。
まず、業務を行うためには、前提として資格(介護支援専門員証)が
必要です。
というわけで、いわゆるケアマネ試験を突破しなければいけません。
受験資格は、医療・介護・福祉の分野の国家資格(基礎資格)を保有して、
その分野で5年以上(就業日数900日以上)の実務経験が必要なのは
ご存じの通りですね。※ちなみに私の基礎資格は「理学療法士」です。
私がどのように勉強して、一発合格を果たしたのかを踏まえて
受験者の方のプラスになるように、ちょっと書いてみようと思います。
①敵を知る。
まずは、基本中のキホンですが、自分が挑もうとしている試験をちゃんと
知ることです。
いわゆるケアマネ試験は、正しくは「介護支援専門員実務研修受講試験」と言います。実務研修を受けるための選抜試験ということがわかります。
つまり、筆記試験をパスしたらそれで資格をゲットできるわけではないと
いうことです。※筆記試験をパスしたら、実務研修に進んで下さい。
出題は全60問、5肢複択方式、試験時間は120分です。
合格基準ラインが、約7割の正答率とされています。
サラッと読み流してしまいそうですが、ここは意外に大きなポイントです。
まず、全部で60問というのは問題数が少ないです。
「問題が少なくてラッキーじゃん。」と考えるのは危険です。
問題数が少ないということは、1問の「重み」が増すということです。
ちょっと中身を見ていきましょう。問題の内訳としては以下の通りです。
★介護支援分野25問、保健医療サービス分野20問、福祉サービス分野15問
合格基準ラインですが、概ね7割程度とされています。
『概ね』というのは、問題の難易度(受験者の得点率)に応じて
調整が図られるからです。まあ、7割の正答率であれば合格でしょう。
7割の正答率とはどんな感じかと言いますと、なかなかシビアです。
例えば、介護支援分野の問題数は25問ですが、ここで7割だと17.5問です。
つまり、18問正解すると、7割ラインをクリアしますが、17問の正解だと
7割を下回ってしまいます。
全部で25問ですから、計算上は不正解は7問しか許されないということに
なります。つまり、8問間違えるとその時点でアウトです。
※調整が図られるので、実際は17点でもセーフの場合がほとんどです。
もし、仮に全部で100問出題されるとしたら、70問正解すれば良いので、
30問は間違ってもいいわけです。「30問間違っても大丈夫‼」と思えると、
心にゆとりを持てます。
しかし、7問しか間違えられないとなると、そのプレッシャーは相当なものです。これが、1問の「重み」です。
加えて、出題方式が5肢複択方式です。
これは、問題文に「適切なものを次の5つ選択肢の中から2つ選べ」などと
書かれてあります。正しいものを2つとも選んで正解になりますので、
正解の選択肢を1つしか選べないと「不正解」となります。
自力で2つとも選ばないといけません。しっかりと知識が整理されていないと、かなり難しく感じます。
試験時間は120分です。出題数は全60問ですから、1問あたり2分です。
解答用紙はマークシートなので、選択肢を鉛筆で塗りつぶす時間を考慮すると、実際に考える時間は2分もありません。1分45秒くらいですかね。
悩んでいる時間はあまりありません。
このように、まず「敵」の情報収集は必須です。
②意志を持つ。
問題の難易度に戻りますが、保健医療サービス分野と福祉サービス分野に
関しては、実は大したことはありません。ほぼ基礎知識レベルです。
受験者の方は、医療・介護・福祉の分野の国家資格を保有していますので、
人間の身体に関することや、人との接し方などは最低限の知識があります。
そのあたりの知識をちょっと整理すれば、ほとんどの問題は正答できます。
やっかいなのは、介護支援分野です。これは本当にヤバイです。
「勉強していなくても、多少は得点できるだろう。」という考えは、
全く通用しません。介護保険法の知識がダイレクトに問われます。
試しに、過去問をやってみて下さい。どの年度でもかまいませんが、
できれば、最近の年度のものがいいですね。古い問題だと法改正の都合で、
正解が変わっている可能性がありますので。
過去問をやってみたら痛感すると思いますが、勉強していない状態だと
全く点が取れません。正解が全然わからないのです。愕然としますよ。
そして、合格率は20%前後です。20%を下回る年もザラです。
ということは、80%以上の受験者が不合格になるということです。
つまり、ほとんどの人が落ちる試験なのです。
ここで、「ほとんどの人が落ちるのか。じゃあ、落ちても仕方ないね。」
と思う人は、いつまで経っても合格できないかもしれません。
なぜなら、このように思ってしまう人は、具体的な対策を講じることなく、
真剣に試験に向き合えないからです。ほとんどの人が落ちるという事実が、
言い訳や口実になってしまうのですね。
最も大切なのは、「絶対に合格する‼」という強い意志です。
これは精神論ではありません。この意志があるからこそ、どうやったら合格できるかを真剣に考えることができます。
繰り返しますが、ちゃんと勉強しないと確実に落ちます。
まず、危機感を持ってください。それが、最初の第一歩です。
③『相棒』を探す。
私は理学療法士でしたが、学生時代に履修カリキュラムの一環として
病院実習がありました。実習地に赴く前に教員からよく言われたものです。
「丸腰で戦場に行くなよ。」
この意味は「必要なものは実習地に持って行きなさい。」ということです。
リハビリスタッフのユニフォームは、ケーシーと呼ばれる半袖の白衣で、
大きなポケットが付いています。看護師のユニフォームにも付いています。
そこを見越して、ポケットサイズの専門書もあります。
このような小さめの書籍をポケットに入れておけば、わからないことや
忘れてしまったことなど、いつでもすぐに確認することができます。
『武器』を仕込んでいくわけですね。丸腰では戦いに挑めないのです。
ケアマネ試験も同様です。介護保険に関する知識をインプットしなければ
いけません。何もない状況では知識の入れようがありません。
そこで、書店で参考書を手に入れて下さい。書店に共に戦う『相棒』を
探しに行くのです。「わざわざ本屋に行かんでもネットで買えるじゃん。」
と思っても、ぜひ書店に足を運んで下さい。
『相棒』ですから、最も重要なのはフィーリング(感覚)です。
はっきり言ってしまえば、参考書は内容的にはどれも同じです。
もし、ケアマネ試験が持ち込みOK(見ながら解答しても良い)になったと
したら、どの参考書を持ち込んでも合格ラインには到達します。
つまり、内容的にはどれでも良いのですが、パラパラ見ていくとそれぞれで特徴が出ます。「これは白黒で字ばっかりだな。」「この本はカラーだ。」
「これはイラストがカワイイ。」など、参考書によって印象が異なります。
選ぶのは主観で結構です。「これがイイな💛」と感じた参考書を購入してください。その参考書が『相棒』です。
介護保険法の法改正などもあるので、絶対に最新のものが良いです。
受験年度のものを購入して下さい。受験年度の4月以降に販売されることが多いです。
受験対策の期間の目安は、6ヶ月と言われています。私は5月から勉強を始めました。もちろん、ゆとりを持ってできるだけ早くから勉強を始められた方が良いですが、『相棒』や後述する問題集などは最新のものを手に入れてください。
④習慣化する。
『相棒』を目一杯活用しましょう。毎日、知識を入れて下さい。
ちなみに、私が購入した『相棒』をお伝えさせていただきますと、
「ユーキャンのケアマネジャー速習レッスン」です。
ユーキャンと言っても通信教育の方ではありません。書店で購入できる
参考書です。選んだ理由は、「何となくわかりやすそうだったから。」
という、主観以外の何物でもありません。
結果として、これで良かったと思ったのは、単元毎に細分化されている
ところですね。使ってみて初めてわかりましたが、意外にポイントでした。
どういうことかと言いますと、勉強は毎日継続した方が効果が高いことが
知られています。トータルの勉強時間ではないのです。
たとえば、1週間のうち、平日は全く勉強せずに土日だけ10時間ずつ勉強する人より、毎日30分勉強する人の方が知識の定着率は高いです。
ですから、無理のない範囲で毎日毎日、1日も欠かさずに勉強することが
大切です。もちろん、休日で時間のある時は、たくさん勉強するのが理想的ですが、前提として毎日勉強することが絶対条件です。
というわけで、学習内容が単元毎に細分化されている参考書だと
1単元の量が少ないので、無理なく勉強しやすいです。
私もどれだけ仕事が忙しくても、細分化された1単元ならできました。
短いと5分、長くても15分もあればできる量でしたので、
朝でも夜でも昼休みでも、どこかの時間で必ずできました。
量が少ないと、毎日勉強するハードルがかなり低くなります。
勉強が大嫌いな私にとっては、それが本当に救いでした。
大切なのは毎日勉強することです。そして、それを習慣化することです。
ケアマネの試験勉強を始めた日から、『相棒』を手に入れた日から、
試験当日まで、1日も欠かしてはいけません。
⑤実戦に慣れる。
『相棒』を使って、最初のページから毎日勉強していくと最後のページを迎える日が来ます。一巡したということですね。これを繰り返していくと
二巡、三巡します。そうすると、それなりに自信が沸いてきます。
「基礎知識は入った。何とかなるんじゃないか。」と思うようになります。
そこで、もう一度過去問をやってみて下さい。意外に点数が取れません。
「どうしてだろう?」と思います。「知識は入れたはずなのに‥‥。」と
疑問に思います。
その答えは、「実戦に慣れていないから」です。
つまり、知識がどのように問われるのか、どんな問題で出題されるのか、
これがわかっていないと、戸惑います。
参考書はわかりやすく書かれています。そして、単元毎に「確認テスト」のような形で問題があったりします。これは、非常に簡単な問題です。
だから、難なく解答できてしまうのです。それで、知識が頭に入った気分になってしまう‥‥。
これは野球を例えにすると、トスバッティングのようなものです。
(※トスバッティングがわからない方は、ネットで調べて下さい)
コーチが打ちやすいボールをトスしてくれて、そのボールを自分の理想的な
フォームで打つ。誰でもナイスバッティングです。でも、この練習だけで
試合でヒットを打てるようになりますか? いいえ、絶対になりません。
試合では、相手チームの優秀なピッチャーが、絶対に打たれまいとして
ボールを投げ込んできます。ものすごく速い剛速球もあれば、鋭く曲がる
変化球だってあります。しかも、いろんなコースに投げ分けてきます。
トスバッティングは、フォームを固めたり、確認するには有効な練習です。
しかし、試合でヒットを打つためには、実戦を想定した練習が必要不可欠なのです。
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