派遣前訓練終了
派遣前訓練が終了し、ようやく帰路に着く。今回は、帰路の途中に思ったことを綴っていこうと思う。
二本松駅→郡山駅→東京駅→名古屋駅
在来線
新幹線
地下鉄を駆使し、帰路に着いた。
ちなみに荷物の量はこんな感じ
入所時
Mサイズ段ボール、スーツケース85L、バックパック45L
◯退所時
スーツケース22kg
バックパック11kg
ガーメントバック
帰りに何でこんなに荷物が多いと言われた。私が知りたいくらいである。今度同じ事を言われないように断捨離しよう。それでも言われたら逆ギレしよう。
で帰ったのだが、駅の乗り換えに疲れ果ててしまった。というか郡山にいるころから疲れた。当たり前すぎてこの記事をみるまででもない事を言うが、節約より楽を選ぶ方は、ぜひ郵送または訓練で荷物を減らすことをおすすめする。
新幹線に乗りながらふと考えた。今日は人のイチ◯ツを見ずにゆっくり湯船に浸かれると。20〜70代、大なり小なりさまざまであるが、こんなに多くのイチ◯ツに囲まれては極楽と呼ばれる湯船には私にとっては程遠い。実際に目の前になくても、振り返ればすぐそこにイチ◯ツがあるのではふと脳裏をよぎるとリラックス具合は半減する。
早く湯船にゆっくりと浸かりたいものだ。
重たいスーツケースを持ち、郡山につくとあんなにいた海外協力隊員たちが、東京駅に着いた途端、少なくなり、早くも隊員たちは本当に散り散りになってしまうのだと実感が湧いた。息つく暇もなく、新幹線から新幹線に乗り換えたのだが、外国人がとても多い。電光掲示板を困った表情をして眺めている外国人の方がおり、
「May I help you?」
と言いたかったのだが、言えなかった。
勇気がなかったと言えばそれまでなのだが、それを言った後の会話が十分できないと思い怖くて、言えなかった。困ったことに私はつくづく井の中の蛙である。
最終日特に印象に残ったことを綴る。訓練所退所時に部屋の簡単なチェックを終えたあと、班のみなさんから一人一言ずつ挨拶をする場面があった。みなさんそれぞれ、訓練を通した自分の心情の変化、周囲への感謝を述べた。一通りみなさんの言葉を聞いたあと、改めて私は、周りへの思いやりを持てる方に囲まれていたことを知ることになった。訓練所のみなさん性格はさまざま、目立つ人もいればそうじゃない私のようなひともいた。でも確かだったことがある。ここで出会った方たちは、声や存在感の大小はあるものの、自分のできる事を精一杯やろうとする強い意志の持ち主だった。
周囲を見渡せば、別れの時に涙を流す方もいた。泣いたらしいという話も聞いた。その時に自分は感情的になることを否定せず、肯定できた。いつからか、感情的になることが良くないことだと勝手に考えていた。おそらくこの考えは今までの経験上、感情的になって物事が好転したことがなかったことから由来している。静かに気持ちを静まるのを待ち、如何に冷静を保つか、これを美徳、そして大人と信じていた。しかし、訓練生活では経験したことのないことや慣れないことをする。そのとき自分がどう感じ、どうありたいのか、整理がつかず、戸惑った。普段から感情を表出していないことも影響したのだろうと今振り返ると、なんとなく合点がいく。感情的な自分も含め、肯定する、受け入れる。これを続けることで何かが変わるとよいと思う。ちなみに、お分かりの通り、私は泣いていない。せめて、泣きそうになれば今までの言葉にも説得力が増したであろう。別れの時に泣いてしまうようなそんな出会いが今後ありますように。
私は、訓練所で過ごす上での目標を一つ立てていた。
「誰かを傷つけないこと」
それが密かな目標だった。おそらく訓練所の人たちに対してはそれをしなかった(そうであって欲しい)。しかし、最後の最後で目標を破ってしまった。記念品でもらった「菊松くん人形」に訓練所で三下り半を突きつけてしまったのだ。私のスーツケースに入らなかったからである。
この可愛らしいキャラクターに罪はない。私が悪いのだ。せめてもの罪滅ぼしで、声高らかに叫ばせて欲しい。
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