冬至のご予定は?
わたしの祖母は散歩が好きで
祖父は大きな池のある街に家を建てた。
池の周りを歩くことが祖母の日課であった。
祖母の散歩は お年寄りのそれとは訳が違い
あちらから誘われない限りついて行くことは許されず 無理について行こうとすると 撒かれてしまう。
尋常ではない速さで歩き
話しかけることは許されない。
あれは一種のぎょうであった。
その池の周りを
日中わたしも散歩をすることにした。
はじめ閑散としていた池も
今は渡り鳥とその鳥をみる人でにぎわっている。
冬である。
道中 祖母のお友達にであった。
類は友を呼ぶ その方は祖母に似ていた。
近頃冷えますね
お母様はお元気?
大きくなったわね、
おばあさまは公園が好きでしたねぇ
今年は冬至 12/22みたいですよ。(知っていますか?)
ええ、そうみたいですね。
とても和かにこちらを見上げたお顔は寒さなんて大したことがない風であった。ああ、この人は祖母よりもずっと若かったんだ。
ご主人ととっても仲がよいときいていた。
その後
冬至のご予定は?ときかれて ちょっと面食らった。冬至って寒くなるからじっとしておくものだと思っていたが 楽しみになるような行事だったのだ。クリスマスや正月のように
訊くと 冬至はゆずやかぼちゃなんかが良いそうだ カラダを冷やさないように温めて ゆく年もくる年も無事迎えましょうねということらしい。
今年ももう夜を数えるばかりの年の瀬だが
実はゆず風呂にはいったり
かぼちゃを煮たりと
やり残したことがありそうだ。
もういくつ寝るとお正月と歌いながら
湯船に浮かぶ柚子を数える子がいる家が
どこかにあるかもしれない。
今回拝借した作品は
ソエジマケイタさんのもの
カピバラと調べたらでてきた
ゆず色のいきもの
ゆずの香りが香ってくるようなので気に入り
使わせていただいた。ありがとうございます。
皆さんに幸あれ。