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「おむすび」は、おむすびでも「虎の翼」と比べてしまいます。

 NHK朝ドラマ「おむすび」、やっと評価もあがってきているようで何よりです。私はもう最初から見る気がなかったのですが、あまりの不評に今は見ていますw
 
 とはいえ、やはり今でもつっこみどころは満載で、言いたいことはたくさんあります。「虎に翼」の後ですから、比較されるのはしかたないと思うのですが、まさかこんなところまでというのが「おむすび」の象徴でもある劇中に出てくる「おむすび/おにぎり」そのものの比較。

 「虎に翼」でも、おにぎり、おむすびはここぞというところに出てくるキーアイテムでした。

梅子さんの「おにぎり」。

 人と人をつなぐため、慰めるため、怒りを鎮めるためだったり、まんまるが、人とのご縁をつなぐ、癒すためのエネルギーを与えてくれるパワーフードでした。

  日本人にとって「おにぎり」はそれだけ親しみのあるソウルフードなのでしょう。「虎に翼」に関しては時代性もありましたが、「おむすび」の方が食に直結した主人公の職業、父方実家が農業であることでひんぱんにでてきますね。主人公のあだ名が「おむすび」ですもの。

 だから、「おむすび」でおむすびが出てくる確率がとても高いのですが、その度に私は梅子さんの「おにぎり」を思い出してしまうし、圧倒的に梅子さんのおにぎりの方がおいしそうに感じてしまうのです。
 理由は私が梅や高菜が好きであること、まんまるな形であること、やはり梅子さんが好きだからでしょうか。
 もちろん「おむすび」のおにぎりもとてもおいしそうで、きんぴらが入っていたのもあったような、さすがにバリエーションが豊富です。
 神戸震災時のおむすびシーンについては、「冷たい、チンして」のセリフにまた炎上しましたが、あれはおむすびを作って配ってらした人のエピソードを入れたいためのものだったと思いますが、脚本の配慮が足りなかった気がします。

 個人的な理由ではありますが、どうもこんなキーアイテムでも「虎に翼」を思い出してしまって、「おにぎり」の脚本の甘さに「あ~あ」になってしまいがちなんですよね。

 お姉さんのあゆみさんが、なぜギャルになったかなんて、神戸震災、安室曲、親友の死で簡単に予想できてしまい、それを今ドラマ内で再生しているのを確認作業しているみたいなんですよね。意外性がなさすぎませんかね。

 主人公の橋本さんが彼女のスケジュールの都合で、何か月も抜けたりすることもあり、そういうハンデが脚本家にあったことも考慮しても、オリジナルで脚本書く、それも朝ドラマというのはハード・チャレンジなんだろうなとも思っています。
 脚本家の根本ノンジ氏は、今秋放送中の「無能の鷹」(漫画原作でこちらは脚色)が大好評です。確かに設定がユニークなお仕事ドラマです。仕事ができなくても人間の価値は変わらない、という大切なテーマをコメディ・タッチで描いていてとても面白いです。
 とはいえ、脚本家さんも2足の草鞋で大丈夫なのでしょうか。と余計な心配をしつつ、朝ドラは誰もが先を読める安定ストーリーが定番だったりもします。ギャル要素が減れば視聴率も安定していくのではないでしょうか。

 でも、私はおにぎりが出れば、梅子さんを思い出し「虎に翼」は朝ドラで断トツの作品だったと、思ってしまうのです。


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