星の話をしよう②
おうし座に属する、プレアデス星団。
地球から443光年の彼方にある、恒星の集団だ。肉眼では5個から7個程の星が、一箇所にまとまっている様子が観測できる。青白くぼんやりとして見えるのは、超高温の若い星々の放つ光(温度の高い星ほど青みがかった光を発する)と、その光を反射する星間ガスのためである。
このプレアデス星団の和名が、昴だ。
たくさんの星が一つにまとまっている様子を「統ばる」「統まる」と表現し、これに中国名の昴の一字を当てている。
『枕草子』の一節、「星は、すばる」でもお馴染みだが、この句ではそれを拝借して、本歌取りに仕立てた。
悠久の時の流れに横たわる、星々の世界。
私の見上げる先にある輝きを、平安の世の人々も、きっとため息混じりに眺めていたことだろう。
千年の時を隔てた先人と想い交える感動を、昴という星の名前が教えてくれる。