AIが解けない算数の問題

最近、「きみのお金は誰のため」という本を読んだ。

著者の田内学さんは、ゴールドマンサックス証券の金利トレーダーをしていた人で、GS証券時代はよく同僚に「マスハラ」(math harassment=突然数学の論理クイズを出すこと)をしていたそうだ。

彼が東大理Ⅲ生にマスハラする動画が非常に面白かった。

ふと、この動画に出てくる問題がChatGPTに解けるのか気になったのでマスハラしてみました。

◯5種類のガチャ問題

「5種類フィギュアが出るガチャがある。1回あたり100円。全種類揃えるのにかかるお金の期待値は?」

以下ChatGPTの回答。

「この問題は、ガチャガチャの全ての種類(5種類)を揃えるまでに必要な回数の期待値を計算し、それに100円を掛けたものを求めるものです。これは「コレクター問題」として知られており、一般的な解法があります。以下にステップごとに説明します。

フィギュアを1種類、2種類…と揃えるごとに、新しいフィギュアが出る確率が変わります。これに基づいて期待回数を計算します。

  1. 1種類目を揃えるまで
    最初はどのフィギュアが出ても良いので、1種類目が出る確率は 1 です。この段階では、1回で揃う期待値は 1 回です。

  2. 2種類目を揃えるまで
    すでに1種類目のフィギュアを持っているため、次に出るフィギュアが新しいものである確率は4/5  です。
    新しいフィギュアが出るまでの期待回数は 5/4です。

  3. 3種類目を揃えるまで
    すでに2種類揃っているため、次に新しいフィギュアが出る確率は3/5です。
    新しいフィギュアが出るまでの期待回数は 5/3 回です。

  4. 4種類目を揃えるまで
    次に新しいフィギュアが出る確率は2/5です。
    新しいフィギュアが出るまでの期待回数は5/2回です。

  5. 5種類目を揃えるまで
    最後に残った1種類が出る確率は1/5です。
    このフィギュアが出るまでの期待回数は5/1 回です。

ステップ 3: 合計期待回数

それぞれの段階で必要な回数を足し合わせます。

1+1.25+1.67+2.5+5=11.42回

ステップ 4: 必要なお金の期待値

1回のガチャに100円かかるので、全て揃えるために必要な期待金額は

11.42×100=1142円11.42×100=1142円

結論

全てのフィギュアを揃えるために必要な期待金額は 1142円 です。」

算数めちゃ得意な小学生だとギリ解けそうですね。

◯都市間の移動問題

「都市AからBの距離は100km。1日で10キロ進めるとする。ただし食料は6日分しか持てない。何人の仲間がいればAからBにたどり着けるか?」

これはChatGPTがめちゃくちゃ悩んでいて結局結論が出ていませんでした。たぶん初見なんでしょうね。

ちなみに正解は3人。

このことから想像したのは、ChatGPTは将棋で言うところの「直線的に読む」のは得意でも、

文面から読み取れない場面を自ら想定してシミュレーションするのは苦手なのではないか?ということ。

そしてこういった「問いをつくりだす」という行いはまだ人間側の特権なのかもしれないということだ。

また書きます。

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