段取り九分、完了
自分がやっていることを、少しでもなにか残すために書き始めたのだけど。
ベンチャーの開発の内容なんて、書けるわけもなく。結局、ほとんどの開発が終わってから書くことにはなるわけで。(笑)
サムネイル?の写真は開発した温故知新の新素材。
私がやっているのは、世の中に全く新しいものではないです。
論文を読み返し、今の世の中に合う、サステナブルな方向へ、向かうための素材開発をしているに過ぎない。
それでも私にしてみたら世界を変える大きな流れになると信じている。
何とか形にしてみせるぞと。
化学素材はその道の人でもなかなか理解のしがたいというか、知ってなければわかりにくいものなので説明も難しいのだけど。
一番理解しやすい話しを書くと、
今では正直、生活になくてはならないレベルにまでなってしまった、スマホ。
このスマホなどでハイテク機器で使われるシリコン半導体。
このシリコン半導体はハイテク産業ではなくてはならないもの。
このシリコン半導体は石の状態の鉱物のから作られる。
これをスマホで使うためには、まずは、鉱山から、鉱物の水晶を取り出してくるところから始まります。
実は鉱山開発というのは、コストとエネルギーがかかるだけでなく、周辺環境を破壊したり、鉱山から必要とする鉱物が取れなくなるなどの問題を常にはらんでいます。
何より、シリコン半導体を作るためには、取り出した鉱物を2000℃という、高温でドロドロに溶かすことから始まります。2000℃というのはもはや溶岩。それだけエネルギーを大量に必要とするということです。エネルギーを使うというのは、大量の二酸化炭素を排出することにほかなりません。
そして、ここから更に、金属還元という化学的処理が必要になりますが、この際に使われるコークスと言われる還元剤を使います。
このコークスは炭素の塊です。
鉱物のシリコンを還元するために使われますが、実は鉱物のシリコンにくっついた酸素を除去するために使われます。(この作業が還元です。)
炭素を使って、酸素を除去すると発生するのが二酸化炭素です。
この還元作用でも、大量の二酸化炭素を発生させるわけです。
そして更に。このコークスとはなにか。
実は石炭、もしくは石油を、エネルギーをかけて加熱し、炭だけの状態にしたものです。
つまり、コークスを作る時点でも大量の二酸化炭素を発生させることはおろか、コークスの原料自体が地下資源である、石炭、石油ということです。
シリコン半導体を作り出すには最初の段階だけでも、それだけの二酸化炭素の排出をしていることになります。
このシリコンのもとになる金属シリコンは年間300万トン近くが消費されていますので、その分エネルギーや石油、石炭が消費されていることになります。
バイオマスコークスや水力発電を使って、少しでもこの排出量を削減する動きもありますが。
私が開発しているのは、この流れを根底から変えてしまう開発です。
正直、ベンチャーでやるような話ではないですね。
お米のもみ殻から、このシリコン半導体を創る。
ということをやっています。
もみ殻からはシリコン半導体だけではなく、はっきり言って無限の化学素材を作れると言っても過言ではないほどです。
ですが、話がややこしくなるので、ここではシリコン半導体に絞りましょう。
お米のもみ殻は、稲を育てると毎年発生する、農業廃棄物です。国内ではコメの消費量は年々下がっていますが、それでも世界的には年間数億トン生産されている主要穀物です。
そこから発生する、もみ殻も、ものすごい量です。国内だけでも年間200万トン。
これらは一部は使われていますが、殆どが処理に困る「厄介者」なんです。
なぜ厄介者なのか。
先程から話をしている、シリコンの元になる鉱物の一種を大量に含んでいるからです。
石がもみ殻のに入っているので、なかなか燃えないし、分解して土にも還りにくい。牛や豚の餌にもなかなかならない。
という問題があるのです。
この問題についても深掘りすると長くなるので、このくらいにしますが。
その毎年発生しているお米のもみ殻からシリコン半導体の原料を作り出すと、最初に書いた、莫大なエネルギーがほとんど必要なくなります。
これは私が発見したことではありません。
30年も40年も前からずっと研究されていた論文がたくさんのこっています。
当時はは環境意識も今ほど高くないことと、もみ殻からシリコン半導体の原料を取り出す技術や、それを大量に作る方法も確立はされていませんでした。
私は、もみ殻からシリコン半導体の原料を取りだして大量に作る技術を開発して、それができる大手企業と生産を始めています。
それだけではなく、このシリコン半導体の原料を使って、実際にシリコン半導体を作る方法も、今シリコン半導体を作っている会社へ、その技術とともに提案を始めています。
まだまだこれからではありますが…。
ようやくここまで来たんだなぁと。
そして何より、ここではシリコン半導体にだけ絞って説明しましたが、この、毎年発生するもみ殻から作り出せるものはシリコン半導体だけではありません。
その説明はまた今度にしますが、多くの化学素材を生み出せる可能性をもっています。
というかできます。あとは、環境意識を持って、世界的に本気でやるからやらないか。
それにかかっています。
今後はそこに注力できれば一番良いのかなぁ。と思っています。
と、本日はここまでで。