【デュエマ妄想】おやすみ、そしてこんにちは【ダイナモ】
きわめて根拠薄弱の妄想。ご容赦ください。
我々は夢の中で、すべて一つにつながっている。そう考えたことはないか?
『頂上決戦!!デュエキングMAX2023』にて、いにしえの「ダイナモ」が収録されるらしい。
「ダイナモ」。「タップする」ことで他のクリーチャーに自分のパワーと能力を与える能力。これは読み替えれば、自分は他者に、他者は自分になることであり、自己と他者が曖昧に、溶け合って一体となる。「タップ」してそれが起こり、二人称は一人称へ、一人称は二人称へ、そしてより大きな、深海のような深いところで、皆の意識が一つにつながる。「タップ」して眠り、夢の中でもう一度、ダイナモ同士が一つになる。かつてのダイナモに、こんなのがいる。
「ダイナモ」能力を上のようにとらえると、色々と面白い。「ドリームメイト」という種族そのもの、あるいは後に出てくる「メイ様」。クリーチャー同士が互いに争い、鎬を削るのがある種の「昼」であるとすれば、ドリームメイト、「夢」のありかは夜である。
デュエプレの「眠りの森のメイ様」のフレーバーテキストには、以下のようにある。
「アンノウンをあやつり、ゼニスは超獣世界を支配した。しかし、ドリームメイトは、みんな寝ていたので支配を逃れたのだ!」
戦いの時間たる「昼」であったとき、ドリームメイトは「寝ていた」、すなわち夜であり、夢の中にいたのである。
夜、夢の奥深くで、クリーチャーたち、そのすべての無意識が、戦いの世界から離れて溶け合っている。そこでなら、わかりあうことができる。その体現が、ドリームメイトを中心としたダイナモなのである。
闇の不在
ダイナモには闇のクリーチャーがいない。夜、あるいは夢という別世界で、連帯してつながるダイナモには、夜そのものである「闇」はいないというわけだろうか?
むりやりツインパクトで闇をくっつけられているのは、「漂流大陸の復活」を利用するためだろう。
あるいはダイナモたちが、ひとつに夢見て希求する、意識がひとつになるところとは、漂流大陸そのものであっただろうか? 闇であるところの夜、ダイナモたちが夢でひとつになって連帯するその根源、深いところの意識には、即ち故郷の記憶、漂流大陸があるのであろうか。くしくも、「漂流大陸の復活」は闇文明のカードであった。
エグザイルクリーチャーは、漂流大陸でサバイバーと戦い、追放された者たちだという。
ストーリー上彼らが帰着する「オラクルとの融和」。「イワシモンズ」のフレーバーの通り、オラクルがダイナモにルーツを持つとすれば、この帰着は別の角度から補強される。すなわち、「夢の中で、漂流大陸で、みんながひとつに繋がっている」。夢の水底には、闇があり、大陸がある。
胡蝶の夢
『荘子』斉物論第二における「胡蝶の夢」は、ダイナモを象徴するかのようである。
『日本国語大辞典』「胡蝶の夢」の項が簡潔で分かりやすい。
(中国の荘周が胡蝶となった夢を見、さめて後、自分が夢で胡蝶となったのか、胡蝶が今夢の中で自分になっているのか疑ったという「荘子‐斉物論」の故事から)
夢と現実とがさだかでないことのたとえ。その区別を超越するたとえ。また、人生のはかないたとえ。《季・春》
"こちょう の 夢(ゆめ)", 日本国語大辞典, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2023-10-12)
とあり、「夢で」他者になり、「覚めて」自分に戻るさまが巧みに表されている。「タップして」ほかのダイナモになり、「アンタップ」してまた自分に戻る。夢と現実が、昼と夜が、自己と他者が、曖昧になっていく。それでも、「みんながどこかで繋がっているから、生きていける」のである。
また、「タップ」状態の夢見は攻撃先となることもあって、とてももろく、はかない。ダイナモたちのぼんやりとしたつながりは、「自分」を広げていき、そのあまりに崩れてしまうはかなさも含んでいるのである。
夢の中、深海のようなどこかで、もろくも繋がっている。