柿はドイツ語でもkakiらしい
ごきげんよう、トロント留学中のセシルです。
先日寮でみんなとランチを食べてるときに柿の話になり、そのあと納得がいかなくて自分で調べてみたら面白いことが分かってプチ感動したので、課題が全く進んでいないにも関わらずnoteを書き始めてしまいました笑
第二次世界大戦と柿!?
寮でランチの時間にフルーツバスケットの中に柿があったことから「柿は何語でなんて言うの~?」という話になりました。(ちなみに英語では persimmon です。こちらに来てから初めて知りました。) そのとき、ドイツの交換留学生の子がドイツ語でも "kaki" ということを教えてくれたのです。一同「へぇ~!」となったのですが、何人かが、「第二次世界大戦で日本とドイツは同盟組んでたからじゃない?」と言って、その場ではなんとなくそういうことなのだろうという雰囲気で終わったのですが、私は内心つっこみたかったです、「政治的な同盟のつながりで柿の呼び名が渡るかい!?植民地だったわけでもないのに!?!?しかも柿だけ伝わることある!?!?」と。ドイツ語で柿を指す言葉は他にもあるようなので、とにかく "kaki" が日本から伝わったことは間違いないだろうということは私も納得しました。
やっぱり納得いかない
数日たってもこの「kaki問題」が気になったので調べてみました(そんなに気になるならその日のうちに調べなよ…)。すると、ことは思ったよりも壮大だったのです!
まず、やはり、ドイツ語のkakiは日本の柿から来ていました。しかし、それはそもそも柿の学名が Diospyros kaki であることから来ているようです。ではなぜ学名に日本語が採用されているのか?それは現在世界で食べられている甘柿は日本が発祥だからなのだそうです!柿は奈良時代に中国から渡ってきただとか、種は縄文時代の遺跡から発掘されているだとか諸説あるようですが、甘柿は鎌倉時代に突然変異によって日本で誕生したそうです。ヨーロッパにはポルトガルを通じて16世紀にわたったとのこと。へぇ~という感じですよね。
腑に落ちてスッキリ&留学に来てからちょくちょく感じること
今回のこの出来事で思ったことは、気になったら何でも調べてみよう、です。なんだか小学校低学年の百科事典の使い方の目標みたいですね笑 それでも、個人的には常にこれを実行するのは意外と難しいと感じています。自分で想像したり、考えたりすることが比較的好きな方なので、そのときに出せた仮説や結論で満足してしまうことがあるんですね。そしてあまりにも怠惰なので、スマホを開いて、検索エンジンを開いて、文字を打ち込む、という作業すら億劫に感じてしまう。それでも、手元にこんなに便利なものがあるのだから、ガンガン使わないともったいない!の精神を持てば少しは重い腰が上がりそうです。
そして、これは留学に来てから感じることなのですが、帝国主義時代の話題になったときにどのような立場で話したらいいのかわからなくなるときがあります。日本で戦争の話題が出るときは、当時の日本人の苦しみや痛みに思いをはせ、原爆の投下に怒り、もう二度と戦争は繰り返したくない、ということを感じますし、それを共有するのは基本的に日本人同士ですから、ためらうことはありません。しかし、私は日本には加害者としての歴史もあることを忘れてはならない、向き合わなければならないとも考えていました。それでも、いざ日本の外で第二次世界大戦の話になったときに何を話したらいいのかわからなくなってしまうのです。今回のkakiの話をとっても、日本でも極悪と考えられているナチス時代のドイツと日本はセットであると世界で(少なくともカナダで)思われていることが分かります。これまでのところ、日本は、①ドイツ、イタリアと同じ同盟国側だった②原爆を落とされた国 の2つの印象が強いのだなと感じます。これ自体は間違っていないのですが、日本人としてうまく言語化できないモヤモヤを感じています。これはまだ自分にも日本は被害者だと思いたいという気持ちがあるからなのか、ナチスとは違うと思いたいのか、国民の苦しみが考慮されてないと感じるからなのか、自分でもわかりません。これをきっかけに、反戦を唱えるだけではない戦争との向き合い方を自分で模索していきたいと思いました。
少々重たい終わり方になりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。それでは私は課題という目の前の現実にも向き合わなければなりません。ごきげんようまたいつか~
p.s. 元ディベータ―として、そして大学生として柿の情報の参照元のリンクを以下に貼ります。