ささやかで不器用な創意工夫
ダン・アリエリー著【ずる 嘘とごまかしの行動経済学】を読んでいて、ふと考えさせられる。
その中で著者は「にせものを身に着けると不道徳な行動を取ることが多くなる」と書いていて、初めは「それって本当だろうか」と首を傾げていた。
僕の場合、偽物はおろか中古品や汎用品も出来る限り避けるようにしている。経験的に言って、(本物であることは前提条件として)正規品や純正品の方が満足度が高いと感じる。それで誹謗中傷されたり冒険心に欠けている(?)と言われることも稀にあるけれど、それで僕の行動が変わったことは(少なくとも)これまでは無い。
何かを身に着けるかということは、それが他人に何かしらのシグナルを送っていることにもなるのだそうな。とすれば、”良い人戦略”を実行している僕に取っては至極当然のこととなる。論理的には、戦略のためにコストをかけているとも言える。
とはいえ僕は決して正直な人間でも真っ当な人間でも無いし、不正もずるもする。僕という人間からすればそれは仕方の無いことだしむしろ犯罪に手を染めていないことがある意味で奇跡だとも感じるけれど、戦略だと割り切ることで徳を積むことが出来るのならそれで良いじゃないかと割と軽く考えている。
昨日の一件について一晩考えてみても、この”良い人戦略”がいまのところ功を奏している事実が見て取れる。こんな僕のことを(もちろん本心では無いだろうけれど)「好き」だというくらいなのだから、僕のささやかで不器用な創意工夫もそれほど悪くは無いのかも知れない。