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より良い世界のために
この投稿はGoodpatch Design Advent Calendar 2023の8日目の投稿です。
自己紹介
はじめまして
Goodpatchのクライアントワーク部門で事業変革やイノベーション創出の支援をするスタジオのディレクターをやっている、Nakamuと申します。
早いものでGoodpatch歴は7年目になりますが、ここ数年は主にGoodpatchの新領域を生み出す組織づくりに従事しております。現在のスタジオでは、デザインストラテジストやデザインリサーチャー、ブランド体験を扱うBXデザイナーやコピーライター、Goodpatchの強みの源泉でもあるソフトウェアのUIUXデザイナーに加え、プロダクトデザイナー等、多様な人材が在籍しています。
私たちのミッション
BUILD BOLD FUTURE
大胆な意思決定を支援する
より良い未来を創るべく、私たちのスタジオはクライアント様に寄り添い、大胆な意思決定を支援することをミッションとしています。
これまで私たちはデザインの対象を拡げる活動に10年以上向き合って来ました。ユーザーとの接点を介して良い体験を生み出し、それらを良いビジネスに繋げるということに一定程度貢献してこれたのではと思っています。
BOLD FUTURE=大胆な未来が意味するところは何でしょう。
これまでの活動からさらに一歩踏み込み、社会に横たわる大きな課題を構造や仕組みから見直し、事業として包摂的な社会をデザインしていこうというものです。短期回収が必須となる投資や、経済性に振り切った事業だけではなく、より長い視点で、様々なステークホルダーの視点を取り入れ、事業による創出価値の総和がプラスになるようなイノベーション創出/変革の支援を行います。
Human Centered から Humanity Centeredへ
![](https://assets.st-note.com/img/1701915528838-gAMg8SYsm3.png?width=1200)
Human Centered Design(人間中心デザイン)については聞いたことがある、または実践している、資格を持っていらっしゃるという方もたくさんいるのではないでしょうか。
最近このHCDの考えに対してドナルド・ノーマンがその著 "DESIGN FOR A BETTER WORLD"(邦題「より良い世界のためのデザイン」) の中で、より拡張した考え方を提示しました。それがHumanity Centered Design(人間性中心デザイン)です。文字面も内容も似ているものですが、どこがアップデートされたか一緒にみてみましょう。
Human Centered Design(人間中心デザイン)
こちらは4つの基本原則から成り立っています
1. 提示された問題(原因ではなく症状であることが多い)だけでなく、中核となる根本的な問題を解決する
2. 人々に焦点を当てる。
3. システムの視点を持ち、ほとんどの複雑な問題は、複数の要素の相互依存 関係から生じることを理解する。
4. 提案されたデザインが、その対象となる人々の関心を真に満たすものであることを保証するために、継続的にテストし、改良する。
Humanity Centered Design(人間性中心デザイン)
こちらは基本原則が1つ増え、既存の原則も少し修正されています
1. 提示された問題(原因ではなく症状であることが多い)だけでなく、中核となる根本的な問題を解決する。
2. 人間、生き物、物理的環境などの生態系全体に焦点を当てる。
3. 長期的、システム的視点に立ち。ほとんどの複雑な問題は複数の様相の相互依存関係から生じ、社会と生態系に最も、有害な影響の多くは数年、数十年後に明らかになることを認識する。
4. 提案されたデザインは、それが対象とする人々や生態系の懸念に真に応えることができるよう、継続的にテストと改良を行う。
5. コミュニティとともにデザインし、コミュニティによるデザインを可能な限り支援する。プロのデザイナーはコミュニティの人々が自分たちの関心事を満たせるように支援する、手助け役、促進役、助言役としての役割を果たすべきである。
考え方が拡張された点は大きく以下3つの観点でしょうか
対象:人々からより大きな生態系の視点を持つこと
期間:より長期的視野で影響を考えること
共創:人々のために、ではなく人々と共にデザインすること
世界を見渡した際、浮かび上がる過去からの社会負債を解消していくにはまさにHumanity Centered Designのような考えが必要と切に感じるのは私たちだけではないでしょう。
意識すべき3つの要素
Humanity Centered Design に則った事業変革やイノベーション創出を実践していく際に、重要になる要素は3つあると考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1702023716541-n9Lxs2yLu4.png?width=1200)
その1「問」
問題の本質を追求し、解くべき本当の問いは何かを探ること。設定する問い次第で、より包摂的な改善が可能になるでしょう。固定概念に囚われず、ステークホルダーの多様性に目を向け、複眼的に物事を見つめた上で、ありたい未来はどんなものか、そしてその未来に繋がる今、どの問いに向き合うのかを決める。
その2「視」
思考や概念を言葉や文字にする、図や絵、プロトタイプにする。ステークホルダーが多くなり、課題が抽象的で複雑化していく中で、合意のためのコストは飛躍的に上昇します。可視化を通して差分や状況を理解し、全体を俯瞰しながら合意形成や意思決定をしていきます。
その3「道」
反復的な検証を通して、多様なステークホルダーからのフィードバックを受け、社会実装までの道筋を整備し、推進する。変化が激しい現代において3年先はすでに計画通りに進まないことが予想されますが、課題の構造を理解し、内包するリスクを正しく評価しながら、社会への実装の道筋をたてていきます。
私たちのスタジオにはデザインリサーチャー・デザイナー・デザインストラテジストが在籍しており、まさにこれらの重要な要素をハンドリングすることに長けた専門家になります。事業変革・イノベーション創出をより高い視座で社会と接続しながら実現するための専門チームといって良いでしょう。
Humanity Centered Designのアプローチに共感したり、より良い世界を目指す事業・イノベーション創出を目指したい方はぜひ一度お話しましょう!