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ヘッドハンティング企業が教える、フルカスタマイズしたスカウト文面の作り方
突然ですが、みなさんはこんなお悩みにぶつかったことはありませんか?
・企業の魅力を打ち出しましょう!と言われても、自社に魅力があると自信を持って言い切れない
・候補者ごとにカスタマイズしたスカウトを送りたいけど、やり方がよく分からない
今回はブライエッジが創業から10年以上ヘッドハンティングを行ってきた中で培った2つのエッセンス「企業魅力の見つけ方」「カスタマイズしたスカウト文面の作り方」についてお伝えします!
そもそも企業魅力とは?
上述の通り、「御社の魅力整理をしましょう!」とお伝えをすると「うちにはリモートワーク制度もフレックス制度もあるわけじゃないので、魅力と言われても・・」と恐縮されてしまう時があります。
確かに「リモートワークできる企業のほうが人気が高い」「フレックス制度など、働きやすい環境がある職場のほうが母集団形成しやすい」と言われています。
しかしこれらは、あくまで母集団形成の難易度の話。イキイキと働く従業員がいる限り、その企業には必ず魅力があると私たちは考えています。
そのうえで、弊社では、企業の魅力を「その人の転職理由を叶えるもの」と捉えています。
魅力についてお伝えするときに私が例に出すのが「お昼を食べるときに、どんなお店を選ぶか?」です。
例えば目の前に、フレンチの人気レストラン、ファミレス、牛丼チェーンの3つのお店があるとします。
あなたにとっては、どのお店が一番魅力的に映るでしょうか?
どんな時でも、誰にとっても、「フレンチだけが魅力的!あとのお店には全く魅力を感じない!」でしょうか?
例えば「30分後に打ち合わせが入っているから、サッと食べてすぐ業務に戻りたい」と考えている時には、牛丼チェーンを選ぶ人が多いでしょう。
もしその日が久しぶりに子どもと一緒に気兼ねなくゆっくりご飯を食べることができる土曜の昼下がりだとしたら、ファミレスを選ぶかもしれません。
両親や恩師、パートナーなど自分の大切な人をおもてなしするような場面では、多くの人がフレンチレストランを選びます。
同じお店でも、私たちが置かれているシチュエーションや求めるものによってどれを選ぶか変わります。
同様に、候補者様の転職理由や次の職場に求めているもの、キャリア形成する中で得たいものによって、何が魅力に映るかは大きく変わるのです。
実際、弊社コンサルタントが、一時的な家族の事情で四国からフルリモート勤務となった時にこんなことを話してくれました。
家族最優先で業務をさせてもらえるようにフルリモート勤務を提案してもらったときはとても嬉しかったし、ありがたかった。
もともと「自分らしく働きたい」という想いもあったから、フルリモート勤務という働き方は自分にも絶対合ってるとワクワクして香川に帰った。
でも、日が経つにつれて「1日中、オフラインで誰とも話さず仕事をする」時間が辛くなってきてしまった。
私には、オフラインで誰かが横で頑張っているのを見ながら、「◎◎さんも頑張ってる。私も頑張るぞ!」と自分を鼓舞しながら働くスタイルがあってるんだなぁと思った。
もちろん、家族の事情があったからフルリモート勤務を選んだことは全く後悔してないし、そういう配慮をしてくれた会社にも本当に感謝している。
けど、この先もずっとフルリモート勤務はどうか?と言われるとそれは絶対にNO。私にはまったく合わない働き方だと思う。
このように、一般的に魅力とされているリモートワークでさえも、「職場で顔を合わせてみんなとワイワイ話しながら仕事をするのが好き!」という人にとっては全く魅力的ではないのです。
魅力整理のフロー
こうした事例も踏まえて、弊社では下記のフローで魅力整理を行っています。
1. 候補者の転職理由を考える
2. 7つのジャンルで分けて魅力を書き出す
3. 転職理由と魅力を紐づける
今回は、弊社でご支援しているWEB制作会社様のフロントエンドエンジニア採用を実例に解説していきます。
※企業様の特定を防ぐため、一部フェイク情報を入れてのお伝えとなります。
企業様情報
業界:デザイン制作会社
募集ポジション:フロントエンドエンジニア
■ Before
月間のスカウト数 約25通
スカウト返信0名の月も・・
■After
月間のスカウト数 約5倍の120通!
結果、ご支援3ヵ月で2名内定、うち1名より内定のご承諾をいただく。
STEP1. ターゲット別転職理由を考える
まずは採用したいターゲット別に転職理由を考えます。
今回のターゲットは下記の2パターンでした。
1. フロントエンドエンジニアというよりは、どちらかというとコーディングがメインの若手(1~3年目前後)
2. 今の環境では少しマンネリを感じている3~5年目の中堅エンジニア
この2つのターゲットでそれぞれ転職の理由を書き出してみました。
コーディングメインの若手の場合
![](https://assets.st-note.com/img/1726202346-SBQEHNIcOzyU9RFdZV2W4CPg.png?width=1200)
マンネリを感じている中堅の場合
![](https://assets.st-note.com/img/1726202398-jlqeA72vgk3J8nC4fB6RyuzS.png?width=1200)
STEP2. 自社の魅力を書き出す
次に自社の魅力も書き出していきましょう。
自社魅力を整理するのに有名なフレームワークといえば4P分析ですね!
これは下記の4つのPに沿って自社の魅力を整理していく、というやり方です。
①Philosophy=企業の理念、存在意義、目的
企業のビジョンや目的に関する魅力
②Profession=仕事・事業
企業の事業内容や、職務内容に関する魅力
③People=人材・風土
企業に所属するメンバーそのものの魅力
あるいは、メンバーと接することで得られる魅力
④Privilege=特権・待遇
その企業に所属する事で得られる処遇や特権に関する魅力
弊社では、4P分析の前に7つのジャンルに分けて企業の特徴を洗い出しています。
というのも最初から4Pに当てはめていこうとすると「うちには大した福利厚生がないし・・」「仕事内容の魅力と急に言われてもよくわからない」と行き詰ってしまうことがあるからです。
私たちが特徴を洗い出すために使っている項目は下記の通りです。
①業界
その業界に入ることで経験できること
②職種
その職種になることで、経験できること、身に着けることができるスキル
③組織
その組織に所属することで経験できること・得られるもの、組織風土
④役職
該当ポジションの役職になることで経験できることや、
身に着けることができるスキル
※メンバー層の場合はこの項目は無しでOK
⑤世界観
その企業が作りたい世界観、ビジョン
⑥フェーズ
企業フェーズ(上場直前、スタートアップでシリーズBなど)や、
組織/所属部署のフェーズの特徴
⑦事業・サービス
その会社が展開している事業やサービスの特徴
①~④については、最初は一般的な特徴を書き出してみることをお勧めします。一般論を先に書いてみることで、自社の特徴を明確にすることが出来ます。
<例>
・一般的にはクライアントワークは、リリース後の改善には携われないとされているが、自社にはリリース後の改善まで伴走するプロジェクトもある。
・第二創業期の企業の魅力としてよく言われることとして「組織の成長にかかわれる」が挙げられるが、自社も第二創業期フェーズなので組織の成長をダイナミックに感じることが出来る。
クライアント企業様の特徴を7つのジャンルで洗い出してみました。
※今回は、メンバー層での採用だったため「役職に関する魅力」は無しと判断し、割愛しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1726390294-8ODLAXTIHYhU3SzqWx702NBb.png?width=1200)
STEP3. 転職理由と魅力を紐づける
STEP1で洗い出した転職理由と、自社の特徴を結び付けていきましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1726460523-Q0Fbwen2TNSjloL3duPHGmU8.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1726460541-8mBjFGQArDJZI2MCbU4tiRNx.png?width=1200)
この表をもとに、スカウト文面を作成していきます。
<パターン1>
WEB制作会社でHTML/CSSでのコーディングをメインに経験しており、希望する働き方として「スペシャリストになりたい」と記載がある候補者
「スペシャリストになりたい」とついていることから、今よりもスキルをさらに磨きたいと考えていることが推測できます。
表と照らし合わせると、下記が当てはまる可能性が高そうです。
■成長環境に身を置きたい
■フロントエンドエンジニアとしての経験をしたい
表と照らし合わせて考えると、この2つに対して、魅力に映る可能性のあるものは下記です。
・入社したら、必ずトレーナーが1名つく=個人の成長にコミットする組織文化がある
・会社としてのQiitaアカウントがある→アウトプットや、知識のシェアが盛んな文化
・エンジニア主催の勉強会が実施されている等、成長意欲が高い人が多い
・モダンフレームワークでの開発が経験できる
この4つを使ってスカウト文面の冒頭を作成すると例えば下記のようになります。
○○様
はじめまして!××株式会社 人事の××です。
下記2点が弊社とマッチしていると感じ、ご連絡いたしました。
①○○様の△△のご経験
②「スペシャリストになりたい」とお考えでいらっしゃる点
これまでのHTML/CSSを用いたコーディングのご経験を生かしながら、次のステップとして、Reactなどのモダンなフレームワークを用いた開発に携わりたいとお考えでしたら、弊社はぴったりの環境です!
弊社は、組織として個人の成長にコミットする仕組みがあります。
例:エンジニア主催の自主的な社内勉強会の実施、Qiitaでの定期的なアウトプットの推奨、トレーナー制度 など
<パターン2>
toB向けサービスの開発を行う会社でフロントエンドエンジニアとして5年の経験を持つ候補者
この場合、下記が考えられます。
■事業ドメインを変えたい
→toB向けサービスなので、手触り感がない、自分たちのサービスを身近に感じることが出来ていない
■もっと連携が取れる体制、チームで働きたい
→一定程度、成長しているサービスで分業体制だからこそ「社内受託」のような形になっている
この2つに対して、魅力に映る可能性のあるものを表から抜き出してみると3点挙げられます。
・クライアントワークでありながら、リリース後も企画責任者と共に効果測定する等、中長期での伴走ができるプロジェクトもある
・デザイナーやバックエンドエンジニア、PdMなど、関わる人が多く横のつながりがある
・デザイン制作の中でも、特にUIUXに強みを持っている=ユーザーの体験を向上することに携われる
スカウト文面に落とし込んでみるとこのようになります。
○○様
はじめまして!××株式会社 人事の××です。
自社サービスのグロースに貢献していらっしゃることを拝見し、ご連絡いたしました。
「言われたことをただやる」ではなく、フロントエンドエンジニアの立場からユーザー体験の向上をけん引してこられたのではないかとお見受けしております。
今後のキャリアをこのようにお考えでしたら、ぜひ一度ご面談のお時間をいただきたいです。
・UIUX領域にもスキルを広げたい
・ユーザーへの貢献を実感したい
弊社は、「(※企業ビジョン)」を掲げるデザイン制作会社です。
そのため、クライアントとその先にいるユーザーに最後まで伴走するプロジェクトが複数ございます。
また、下記2点も○○さんとマッチしていると考えております。
①バックエンドエンジニア、デザイナー、PdMなど協業できること
②他部署とも主体的に関わり、横のつながりを持つことを推奨する社風であること
最後に
今回は、1to1でカスタマイズしたスカウト文面の作り方について解説を行いました。
本記事によって1to1スカウトの作成ハードルが少しでも下がっていれば幸いです。
記事内に出てきた表をスプレッドシートに落とし込んだものがこちらです。テンプレートとして、ご活用いただけましたら幸いです!
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1qRmfj5fRotIGSawFyO6L3ekJZjkimLJPvEYlIIuOuuQ/edit?gid=0#gid=0
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上記スプレッドシートの使い方や、文面への落とし込み方など気になることがございましたら、こちらよりご連絡ください。