山梨県 東沢橋 アーチ橋の耐震補強を拝見
誰にも共感が得られないかもしれない書き出しとなりますが、昭和50年代だったか?「びっくり日本新記録」という番組があって、東沢橋から吊り下げた縄梯子を上る?といった回があった気がします。視聴者参加型の番組で、ネットの情報を見ると鳥人間コンテストの前身?的な番組だったようで。
山梨県の清里高原のランドマーク的な橋で、以前から印象に残っている橋です。観光がてらこのルートを通ったところ、なにやら耐震補強されている様子でしたので拝見してきました。
駐車場から全体を眺められます。上路アーチです。アーチの側径間部分はゲルバー桁になっていることもしばしばありますが、こちらはもともとつながっているようです。当て板補強がされているようですが、橋面側に伸縮装置もありませんし、ゲルバー形式にはなっていなかったのかな?と思います。
端支点部へのダンパーの設置は定番ですね。支承高が低いと上部工ブラケットの高さを抑え気味にできるので、比較的すっきりした印象でした。
アーチクラウン部の補強については、遠目に見た範囲ではわからず。というか補強されてなさそうな雰囲気です。
けもの道的な道を下っていくと、ピン支承周辺に出られました。
垂直材の当て板補強はなさそうですが、やはりピン支承近くの当て板補強や対傾構・下横構のダンパー設置となっています。
ピン支承周りの当て板補強は、断面の絞り込みへの対応やボルトの設置可否の判断など、細やかですね。それにしても、当て揉みとはいえ、荷重集中点への削孔は緊張感高そうです。
座屈拘束ブレースなどを追加する場合、既設のGuss PLでは必要なボルト本数が配置できない場合もあり、Guss PLを追加する対策となります。外側から見たときは気が付かなったのですが、ボルト接合で追加されているようです。
アーチリブの一部には中フランジタイプの断面補強がされています。
感覚的な言い方ですが、アーチやΠラーメンの補強を見学すると、アーチ支間やライズや主構間隔によって、特にピン支承周辺の補強メニューが違っているように感じます。違いとして気になったのは上揚力対策や水平力対策です。意外に地方に行くと生活道路にπラーメン橋(かつ側径間がゲルバー)もあるので、耐震補強にお金かかりそうだな・・・と思う次第です。
さてさて、味気ない耐震補強の話はここまでとして。
東沢橋は八ヶ岳を借景に、四季を通じて景色を楽しめる橋のようです。参考に拝見した観光関係のサイトのリンクを貼っておきますので、ご覧くださいませ。