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トラス橋の支承取替を拝見
トラス橋の支承取替での悩みは、ジャッキアップの扛上の力をどのように伝えるのか?ですね。鈑桁や箱桁と違って、下フランジ→ウェブといった流れではなく、
・下弦材の下面で力を受けるものの、下弦材の断面をつぶさないように斜材などに伝える必要がある
・主構の各部材の伝達で、過剰な曲げモーメントを発生させない(もともとは軸力部材として設計。ただし、床版が載る上弦材は除く)
といった事柄を踏まえることになります。
さらに厄介なのは、上路トラス橋の場合、支承上部の垂直材は床版の荷重を受ける程度の断面力しか発生しないことから、断面が最小限のものとなっていることが多いです。つまり、ジャッキアップにいかに斜材を巻き込んで解析~設計するかといった点をクリアすることになります。考え方はいろいろとあるかな?と思いますが、難儀することは変わりないところかと。
こんな背景もあって、端対傾構や端横桁にコンクリート巻立てをする場合には、斜材も含める寸法設定(斜材にスタッドを打って断面力を伝達)のも選択肢になってきます。
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設計とすると、部材断面よりも、必要ボルト本数とその配置が悩みどころです。ジャッキヘッドの面積との兼ね合いもあるので、あまり断面を大きくできないですし、かといって支間側にジャッキアップ位置を設定すると、下部工ブラケットが大きくなって、アンカーボルトの設計とのコンフリクトになります。
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それにしても、ワンサイドボルトがなかったら、トラス橋の耐震補強ってかなり難しいものとなっていたでしょうね。すごい発明だと思います。