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2022年のブライダル業界予想(2022年1月6日)
※本記事は毎週配信しているメルマガ「ブライダル業界の"裏"知恵袋」の過去ログです。登録のこちらから(無料)。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
ブライダル3.0を実現したいアナロジーの市川です。
第115回目はテーマは「2022年のブライダル業界予想」です。
昨年もお送りしましたが、新年一本目は今年1年で業界にどんなことが起こりそうかをお送りします。
(4883文字 / 約10分で読めます)
2021年の予想を振り返る
1年前に書いたメルマガです。
***
・ブライダル業界全体での変化
→結婚式の少人数化は進みそう/オンライン接客は浸透しそう/結婚式のライブ配信は広がりそう(オンラインウェディングは微妙)/副業する人が増えそう/結婚式以外の商品開発に力を入れそう
・結婚式場の変化
→結婚式前後の商品開発に力を入れる式場が増えそう/ゼネラリスト採用からスペシャリスト採用へ変化しそう/式場集客の方法がより広範囲が必要になりそう
・業界従事者の変化
→環境変化に対応できる能力が求められるように変わる/業界従事者の中でも格差が開きそう/フリーランスが増えそう
***
ざっと、こんなことを予想していました。
全部とは言いませんが、概ね当たっているんじゃないでしょうか笑
また昨年のメルマガの最後には、こういう変化が起こるからブライダルとは直接関係ないITやマーケ、ブランディングの勉強をしましょう、情報発信力を1年かけて鍛えましょう、と書いていましたが、皆さんはいかがでしたか?
ということで、今年もやっていきます2022年のブライダル業界予想。
トピックごとに書いていきます。
マーケットは(ある程度)戻る
結婚式をする人は昨年よりは増えそう。
直近だとオミクロン株についての報道も見られるものの、トータルで見れば2019年比較で80%-90%くらいまでは戻ると思います。
その理由は、9月の緊急事態宣言以降のマーケットの動き、世間の考え方の変化、式場側の対策レベルのアップなどいくつかあって、けっこう高い確率でそうなるんじゃないかなと。オリンピックもないし、特殊な事情から緊急事態宣言を乱発するということもなさそうですしね。
しかし、全体で80%~になるのであって全式場が80%に戻るわけではなく、50%の式場もあれば120%くらいの式場もあって全体で80%-90%程度になりそう、と予想しています。二極化です。
あと、少人数化は続きそうです。これも結婚式を検討する全員が少人数化するというよりは、少人数での開催を検討する人の割合が増えるので、平均人数は40人台くらいになりそう。
媒体最適化だけでなんとか集客できる最後の1年になる
ゼクシィ紙面の改善、ウェブ媒体の取り組み、エージェントへの定期訪問など、伝統的な式場集客施策を緻密に頑張る、ということだけで集客できるのは今年が最後になりそうです。
理由は媒体だけを見て意思決定する顧客の割合が減っているから。
InstagramやYoutube、TikTok、LINEオプチャ、花嫁コミュニティ、など結婚式場やサービスに関する情報に手軽にアクセスできるようになり、複数のチャネルでの情報を総合的に判断して見学や申し込みを決めている人が増えている。
そうなると式場が媒体掲載内容改善を頑張ったところでそれを見る人にしかアプローチできなくなるので、それだと目標とする来館数値には届かなそうだよねと。
今がまさにユーザー行動の転換期であり、遅くてもこの1年内で顧客との接点を増やさないと2023年はもう厳しいと思いますね。
会場コンセプトの設計・定義から、SNS運用やウェブマーケ施策まで、これまではこれらをやれている式場が強かったけど、来年からはやれていない式場が負けるゲームに変わりそうです。
数年前のブライダルフェア最適化等と同じような流れ。
新規営業の考え方、価値観が変わる
新規接客の意味合いが変わりそうです。
・オンライン、イベントなどの接客方法の変化
・営業して決めてもらうことから事前不明点の確認への意味合いの変化
この2つが大きなポイントです。
前者についてはいいですよね。
既にオンライン相談を設けている式場も増えていますし、媒体主催のイベントだけでなく式場主催イベントも増えています。成果も出ている(らしい)のでこの流れは2022年も続きそうです。
また、後者はいわゆる「即決」の意味の変化だとも言えます。
表面的には当日来館してその場で申し込むという点で同じなんですけど、顧客側のマインドセットが変わってくると思います。
これまでの即決は、顧客はゼクシィなどの媒体しか式場情報を得るものがなく、ほぼ予備知識0の状態で来館していたのでかなり強引だったと言えます。
0の状態で来館した人を3時間でテンション100まで持っていき成約させるハードルは当然高く、決めるまで帰さない、数十万円の巨大即決特典を付与する、キャンセル料規定で縛る、など負の手段が横行し、即決=悪(顧客に寄り添っていない)の認識を持つ人も増えました。
一方最近では先ほども書いたように口コミサイト、花嫁レポ、卒花コミュニティ、Instagram、Youtube、LINEオプチャなど、顧客側が情報を得る手段が格段に増えたため、予備知識60くらいで来館するケースも増えています。
そのためこれまでのような強引なことをしなくても、そっと背中を押す、不安な点を解消するだけでも限りなく100に近づける(成約に近づける)ことが可能になってきています。
こういった意味で即決は必ずしも悪だと言えなくなるでしょう。
同じ「即決」であっても、その意味合いは最近は特に変わっていくと思います。
①ここ10年で環境は大きく変わったので、必ずしも即決=悪ではない。
②0→100の即決と60→100の即決は全然違うので、経験者でも接客のアレンジは必要。
③プレ花が予備知識60になれるまでの情報発信を頑張ることが大事。即決云々の前に勝負はついています。
この辺りは意識を変えた方がよさそうです。
結婚式は大きく変わらない
表面的にはそんなに変わらないんじゃないかなと思っています。
ここ数年で起こっていた、オリジナル化!みたいな流れはないでしょう。いや、ニーズ自体はあるんだけど劇的にそのパイが広がることは考えにくく、マジョリティになるほどではない、くらいのイメージ。
なので、結婚式の仕上がりの見た目はほとんど変わらないと思うし、提供者側も大きく変えることはないと思います。感染症対策なども一巡しましたし。
あるとすれば、フォトウェディングを検討・実施する人は2022年も引き続き多そうだなと思うのと、結婚報告写真というカテゴリは伸びそうかなー、とは思っていますね。
ただ、なんで結婚式をやるの?の意味付けを考える顧客は増えそうです。
結婚したら普通は結婚式をやるよね、という考えから、わざわざ結婚式をするという価値観にこの2年間で変わった人は多そうだと思っています。
もともと起こっていた流れと言えばそうなんですが、これまではコスト面でわざわざと考える人が多かったと言えます。それに加えて感染リスクを押してまで開催する理由は?や、疎遠になったあの人までわざわざ呼んで開催する?など、なんで結婚式するのか?を考える理由が増えたんですよね。
なのでサービス提供者側は、顧客は結婚式を挙げる前提で機能比較を訴求するよりも、ここだから挙げた方がよい理由、私とだから挙げた方がよい理由、もしくは挙げるか迷っている人に寄り添える、などこれまでとは違ったアプローチも必要になりそうです。
式場運営が複雑化する
これまでの一貫経営から運営体制が複雑化するケースが増えそうです。
複雑化とは1つの式場に対し、オーナー、運営、スタッフがそれぞれ異なる状態を指し、式場のM&Aや運営受託契約の締結、業務委託プランナー活用の増加しそうなのが理由。
式場XのオーナーはA社で式場運営はB社に委託、実際に働くプランナーのCさんはB社からの委託、みたいなこともあり得るわけですね。
2021年もかなり大きなM&Aや事業提携がありましたが、この流れは2022年も続くと考えています。
資金繰りの観点、運営事業シナジーの観点、事業規模の観点(コストメリット等)など様々な理由から、今でも水面下で動いているとも聞きます。
資本提携、業務提携、運営委託と企業間の提携の方法はいくつかありますし、正社員採用、派遣、業務委託など人材確保の方法も複数あります。
このような環境変化が活発に起こると想定される場合、まずどのような選択肢があるかを理解し、自社/自身の状況に応じて最適な判断をしていくことが求められます。
特に経営をされる立場にいる方や独立を考えている方にとっては意思決定の連続だと思いますが、業界の勢力図も大きく変わる1年になるかもしれませんね。
フリーランスになる人が増える
自分の理想とするウェディングを実現するため、所属企業が倒産や希望退職を募ったため、もっと稼ぐため。様々な背景がありそうですが、フリーランスになる人はこの1年もさらに増えそうです。
しかし、自分の屋号や名前での集客だけで生活できるレベルに稼げる人は全体の3%程度じゃないかなと思います。理由は明らかな供給過多状態であるため。なのでフリーランスになることは簡単ですが、活躍するのは引き続き厳しい環境と言えるでしょう。
その一方、一部の式場は深刻な人材不足になると思います。
この1-2年で人員はどの式場も大きく減りました。そしてマーケットが戻ったことで採用意欲は戻ったものの採用難易度が2年前と比べて明らかに高くなっているからです。
理由は、他業界に行く人が増える、年収が低い、積極的に外部産業へあっせんする企業・サービスもある、式場の労働環境がそんなに大きくは変わっていない、そして業界への漠然とした不安、など。
優秀な人材の争奪戦は必至なので、雇用条件や人材調達方法の再検討はした方がいいかもしれません。
アナロジー社の2022年
最後に、弊社ではこんなことをやるよっていう予定です。
●情報発信
メルマガとブログは続けます。twitterは…、頑張ります。
動画活用も意欲はあるんですが、Youtubeがいいのか、セミナーがいいのかなどコンセプトと企画がふわっとしているのでまだ実施までは時間はかかりそう。
●コンサルティング
こちらも引き続き、という感じです。
積極的に営業活動するつもりはないですが、弊社としてしっかりパフォーマンスを発揮できる領域・ボリュームの場合はまだお受けできますので、こちらからお気軽にお問合せください。
●自社サービス
今年一番力を入れていくテーマです。
Wedding Me Works / Wedding Me Careerのキャリア支援事業、Lejuともに今年は(今年こそは)伸ばしていきたいと思ってますし、相応の投資もする予定です。
ビジネスモデルはそれぞれ異なりますが、「人と事業者がなめらかにつながる仕組みを作ることで顧客に提供できる結婚式の価値を最大化する」という部分は共通なので、これからの時代に必要とされるサービスに育てていきたいです。勝負の一年。
●個人
昨年は池上彰になる!と宣言しましたが、自社事業にかなり力を入れてきてイメージずれてきたので、今年は成田悠輔さん目指そうと思います。淡々と世の中を捉えていきたい。
今回のまとめ
新年早々、こんな長いメールをお読みいただきありがとうございました。
総じて、表面的に劇的に何かが変わるというよりは大変化の前の仕込みの最後の一年であり、ここでどれだけ水面下で動けたかが2023年以降の業界勢力図に大きな影響を与えそう、といったイメージでいます。
もちろん弊社もその中の1社なので例に漏れず必死であがいていくつもりですが、読者の皆様にとってもよい一年になることを願っております。
ということで、今年もよろしくお願いいたします。
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