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2022年のブライダル業界を振り返る(2022年12月22日配信)
※本記事は毎週配信しているメルマガ「ブライダル業界の"裏"知恵袋」の過去ログです。登録のこちらから(無料)。
おはようございます。
ブライダル3.0を実現したいアナロジーの市川です。
第165回目はテーマは「2022年のブライダル業界を振り返る」です。
今回が2022年の配信最終回となります。今年も無事に51週連続配信。お付き合いいただきありがとうございました。
(4372文字 / 約9分弱で読めます)
約1年前に書いた2022年の業界予想
・2022年のブライダル業界予想(2022年1月6日)
https://note.com/bridalchiebukuro/n/nfc762008ecd7
無料公開しているのでお時間あればご覧ください。ざっとこんなことを書いてました。
・マーケットは(ある程度)戻る
・媒体最適化だけでなんとか集客できる最後の1年になる
・新規営業の考え方、価値観が変わる
・結婚式は大きく変わらない
・式場運営が複雑化する
・フリーランスになる人が増える
3つ目の新規営業の価値観は結婚式場の中ではあんまり変わらなかったかもなぁという感覚はありますが、他はけっこう当たってるんじゃないかなと思います。
ということで、ブライダル業界の1年を振り返ってみます。
文章で書くと長くなるので要素だけ簡単に。
マーケット全体
・新規来館は2019年比で8-9割戻った
ーただし、全体で見るとこれくらいの数字であって、60%程度の会場と100%の会場で二極化
ー戻った会場は自社集客の成果が大きい
ーコロナ期間中に仕込んできた結果
・施行は2019年比で同じくらいのところもある
ー延期分、または検討控え層の施行が2022年秋がピーク
ー2023年以降の受注は積み上がっていないところも多そう
ーただし人気会場は2023年も万枠完売御礼らしく人気差がすごい
ー1チャペル1バンケットで年間250組施行、もけっこう聞く
業界構造
・人材不足
ーここ2年の離職退職増加&採用控え&需要戻りによって現場は深刻な人材不足
ー人材不足に起因する来館予約のストップ、施行受注のストップしている式場もあり
ーそういった背景から中途採用を強化(未経験者も可)する企業が増加
ーしかし、ブライダルのお仕事に憧れる層以外が中途で転職してくる理由が明確ではなく苦戦
ーおそらく会場の違い以外に、「この会社で働く魅力づくり」が必須の様子
ー後述する業務委託契約でのプランナー稼働が増加
・フリープランナーの増加
ー何かしらの理由での退職や倒産を機にフリープランナーとして独立する人が増加
ー業務委託専業/自ブランド運営専業/委託&ブランド兼業、大きくはこの3パターン
ー自ブランドは競争過多でまともに食べられている人はごく僅かっぽい
・業務委託契約での稼働の増加
ー結果的に式場の新規・打合せ業務を委託契約での稼働が増加
ーIndeedで委託プランナーの募集をする企業も増加
ーその中間(式場とプランナーのマッチング)を埋めるサービスも増加
ー稼働形態は、業務委託の再委託モデル/プラットフォームモデル/直契約モデルの3つ
ーどれも一長一短だが、アナロジーのWedding Me Worksはプラットフォームモデル
・運営受託案件の増加
ー結婚式場(特にホテル)の運営受託案件が増加
ーフォーシス、T&G、ディライト、ベスト、などが外資を中心にホテル運営を受託
ーゲストハウス系の運営委託は難しそう(むしろM&A?)、レストランは受託事例もありそう
ー受託企業の事業規模拡大を加速させそうだが、現場オペレーションはかなり大変そう
ー人材不足やホテルとゲストハウスの異なる会場タイプへの適応が難しいことが理由
集客施策
・単一チャネルの限界、マルチチャネル化
ー媒体最適化だけで集客できる時代は完全に終わった
ー複数のチャネル運営が必須(メディア活用、検索(HP)、SNS(HP)、SNS(個人)、他)
ー複数の接点を作ること→そこからCVまでのルートを構築できることが重要ーコンテンツ制作量とクオリティ担保の両立&効率化が勝負の分かれ目
・チャネル別の最適化が必須
ーマルチチャネルは必須だが、ただやっていればいいというわけではない
ー式場だと単純SEO施策は難しいが、テールワードを狙ったコンテンツを作るやり方はある
ーInstagram、Youtube、TikTokは会場やサービスコンセプトの軸の設計が超重要
ー会場のブランドコンセプトをベースに、各SNS向けに最適化したコンテンツを作る
ーコンテンツに一貫性がなくダサいと、むしろやっているのに集客にネガティブに働く
ーSNS発信(特にInstagram、TikTok)は結婚式場を推すか、中の人を推すかが分かれる傾向
ーTikTokは明確に集客に使えるチャネルとして認識
ーYoutubeはKCBチャンネル、Tiktokはアールベルアンジェ名古屋などが成功事例ぽい
・自社集客の定義
ー「自社集客=自社HPからCV」と定義している企業も少なくないが、そんな簡単な話ではない
ー最終CV経路はどこであれ、契約に至るまでに自社コンテンツとの接触比率を高めることが本来の意味での自社集客の成功
ーここの定義の設定をミスるとうまくいかない
ーバリューマネジメントの様々な取り組みは成功事例だと思う
ー媒体から来館比率20%弱、という会場の事例もいくつか聞くようになった
・消費的広告コストと投資的広告コストの考え方
ー消費的コスト:媒体広告費、リスティングやSNS広告配信費
✓使い切ったら終わりのコスト
✓短期で結果が出る一方、継続性はない
ー投資的広告コスト:記事制作費、SNSアカウント運用費、動画・静止画コンテンツ制作費
✓制作後もコンテンツとして生き続けるコスト
✓結果が出るかが不透明だが継続することで無形資産が蓄積される
ーこのバランスを意識した広告宣伝費の配分が大事。
ーいつの来館を今どれくらい必要なのかから判断する
ーその判断を的確に行うためにも、マーケターには経営的思考も求められる。
・デジタルマーケター、UI/UXデザイナー、コンテンツクリエイターが必須職種に
ー参考記事:https://wedjobs.in/blog/wedding-jobs/importance-of-digital-marketing-in-wedding-industry
ー広告宣伝費の最適配分と効率化へのディレクションが勝負の分かれ目になる
ーこれを実現するためには専門的なスキルと経験を持つ人材確保が重要
ーなので好条件でもこれらの職種は採用する方がよいと思う
ーただ、組織設計や評価制度などを整えねばならず、大手ほど大変なのでどこもやらなそう
結婚式
・挙式、披露宴規模
ー結婚式の少人数化は継続(ただし一部地域では戻っている?)
ー結婚式そのものの変化はあまりなさそう(正直あんまり詳しくない)
ーウェブ招待状、オンライン列席は広まった感
ーオンラインウェディングは全く聞かなくなった
ー超特殊事例として協賛型ウェディングの事例があった(弊社は協賛)https://note.com/bridalchiebukuro/n/ne1047cfed332
・リゾートウェディング
ー海外は戻っていきてはいるものの、まだ完全回復ではない
ー沖縄の人気は伸びていそう、正確には3年前に戻っている、かな。
ーその他、軽井沢や熱海などの関東近郊のリゾート地も人気伸びていそう
ー個人的に知る限りでは鎌倉を希望する人多くない?と思っている
・フォトウェディング
ー市場は伸びている
ーただそれ以上に事業者が増えていて競争は激化
ー特徴というか選ばれる理由がないとそのうち価格競争に入っていきそう
・その他
ー海外在住の日本人カップル、または日本人×外国人カップルの日本式結婚式への違和感からのフリープランナーやプロデュースへの問合せが増加
ー滞在型ウェディングを提供したい事業者は増えている、需要側の変化は不明
現場オペレーション、人材
・現場オペレーション
ー大して変わってない印象
ー契約後の打合せのオンライン化はかなりの会社で取り入れてそう(Zoom等)
ー委託プランナーを入れる場合の社員とのオペレーション設計の違いは改善余地ありそう
ーTAIAN、BRILLSなど、システム系の会社は出てきているので、そのあたりどうなるか?
ー正直、あんまり変わらなそうではあるが…
・人材
ーフリーランスになる人は職種問わずかなり増えた
ー今は人材不足なので需要過多、フリーランスバブル
ーしかし、2023年末か2024年にはフリーランス人材側が供給過剰になりそう
ーなのでフリーランス側が企業または顧客に選ばれる時代はそう遠くない将来やってくる
ーあと1年で何のスキルを磨くいてどんな仕事をするかは考えておくことが必要
総論
・勝ち負けがはっきり分かれた1年、という感じがする
・集客、運営の業界ルールが変化し始めた印象がかなり強い
・ここにキャッチアップしていかないと厳しそう
・働き手側も選択肢は増えた分、自分の経験や思考と何がマッチしているかを自分で考えなければいけなくなった
・自由になった分、責任も増えた
今回のまとめ
今年もメルマガをお読みいただきありがとうございました。
いろいろあった一年でしたが、こうして無事に毎週配信を完走することができました。
書き始めてから早3年、165回目となりましたが、今でもこうしてモチベーションを保てているのは読者の皆様のおかげです。
いつも本当にありがとうございます。
そして2023年も引き続きよろしくお願いいたします。
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