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キャンセル料訴訟の話(2021年9月2日配信)

※本記事は毎週配信しているメルマガ「ブライダル業界の"裏"知恵袋」の過去ログです。購読希望の方はこちらから(無料)。

おはようございます。
ブライダル3.0を実現したいアナロジーの市川です。

第98回目はテーマは「キャンセル料訴訟の話」です。
先週の告知から予定を変更しまして、先日ニュースになったこの件について書いてみます。

(3775文字 / 約7分半で読めます)


ニュースの概要

Yahoo!などでご覧になられた方も多いと思います。このニュースの話です。

コロナで結婚式キャンセル、式場から訴えられた新郎新婦が反訴「全額209万請求は許せない」

コロナで結婚式中止、訴訟に 運営会社が見積金請求―夫婦は申込金返還で反訴・東京地裁

詳細はリンク記事をご覧いただければと思いますが、ざっと概要とまとめると以下の通りです。
・結婚式当日に現れなかった新郎新婦に対し、結婚式場が費用全額にあたる約209万円のキャンセル料金の支払いをもとめる訴えを起こす
・新郎新婦側は不可抗力による契約解消で、キャンセル料金は生じないと主張
・コロナの影響による結婚式キャンセルの場合、不可抗力にあたらないとする式場側との間で、主張は対立

昨年の1回目の緊急事態宣言後からの延期・キャンセルは数多く出ていますが、裁判にまでなってここまで大きく報道されたのは初めて見ました。

おそらく争点となるのは
・コロナによるキャンセルは不可抗力かどうか
・キャンセルの意思伝達をどのように行ったのか
・意思伝達後の双方の連絡はとれていたのか
といったあたりで、これらを踏まえてキャンセル料の支払いについて裁判所がどう判断するのかは気になるところ。もし「支払わなくていい」という裁判結果が出たら業界への影響は大きそうです。

ということで、今回はこちらのニュースの件について考えてみたよ、という話をお送りします。

※今回のメルマガの前提
・私は法律の専門家ではないので、法理解や解釈に誤りがあるかもしれません。もし明らかに間違っている部分ありましたら教えてください。
・今回の式場の約款内容がどうなのかといった具体的な内容は知りません。冒頭のニュースの情報のみを見て書いています。

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