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結婚式場のブランディングを考える(2021年1月14日配信)

※本記事は毎週配信しているメルマガ「ブライダル業界の"裏"知恵袋」の過去ログです。購読希望の方はこちらから(無料)。

あけましておめでとうございます。
アナロジーの市川です。本年もよろしくお願いいたします。

第65回目はテーマは「結婚式場のブランディングについて考える」です。
2021年の結婚式場集客の重要テーマの1つ「自社集客」にもつながる内容なので、なぜ今ブランディングが必要なのか、何をすればいいのか、といった内容をお送りします。

(6196文字 / 約12分半で読めます)


なぜ今、結婚式場のブランディングなのか?

年末年始に僕がめっちゃ勉強したテーマだからですね!せっかく知ったので必要になってほしいと思っています!

というのは冗談で、必要になると思ったから勉強したわけで、なぜ必要になるかの理由は次の3つ。

①プロモーションを最適化しても勝ちきれない
②式場ハードやアイテムでは差別化にならない
③顧客側の購買要因が変化してきている

①プロモーションを最適化しても勝ちきれない
これまでの結婚式場集客は「ブライダル媒体の運用をどれだけ最適化できるか」で勝敗が決まっていました。
・ゼクシィの写真と構成を改善する
・ウェブ媒体のブライダルフェアとプランを最適化する
・フォトギャラリーを最適化する
・口コミには真摯にかつ高速に返信する
・エージェントには常に最新のフェア・プラン情報を共有する
など。ブログでもそのノウハウは書いていますが、こういった媒体への出稿内容を最適化できればそれができていない会場と比べて集客では優位に立てる状況だったんですよね。

それがある程度そのノウハウも出回り、著しく運用できていない会場がほとんどなくなってきました。なので、媒体運用でやらなければいけないことを完璧にできているから勝てるという状況から、それすらできていないと負ける、となってきていると言えます。

また、最近では自社でウェブマーケティング(ウェブ広告、SEO、SNS運用)に取り組む会場が増えていますが、こういった施策のあるべき運用は突き詰めるとみんな同じになりますし、巨大なブライダル媒体と戦わなければいけないので運用を最適化するだけでは景色を変えるだけの結果を出すことは難しい。

つまり、式場集客のテクニカルな手法を洗練させるだけでは勝ちきれなくなってきている。
これが1つ目の理由。

②式場ハードやアイテムでは差別化にならない
ハードは会場ごとに特徴の違いはあるものの、
・ゲストハウス、レストランだから独自である
・バンケットに階段ついているから独自である
・バンケット横にガーデンやプールがついているから独自である
・大聖堂タイプのチャペルだから独自である
ということはないですよね。今の時代では。

また、商品についても(そもそもニーズあるの?というのは置いておいて)
・フレンチコース料理が出る
・ウェディングドレスが着られる
・プロジェクションマッピングができる
・当日エンドロールが撮れる
など、どの式場も様々な商品を提供しているのでその商品があるから独自性があってその会場じゃなければダメなんだ、というところまでは至らないと思います。

この背景にはその時々の顧客ニーズに応えようと各式場やアイテムサプライヤーの企業努力があり、結果としてどこの式場でも顧客が希望しそうな商品が手に入るようになった、つまりウェディングコンテンツがコモディティ化してきた、と言えます。

つまり、これまでは「このハードやこの商品の取り扱いがあるからこの式場にする」という選ばれ方もありましたが、多くの式場がそういったものを扱うようになったためそれだけでは選ばれなくなってきている。

これが2つ目の理由。

③顧客側の購買要因が変化してきている
これはブライダルに限らずマクロな要因ですが、
・常時インターネットにアクセスできるようになり、情報に触れる機会が増えている
・企業側の一方的な押し付けのメッセージに対して反応しなくなっている(要するに広告嫌いの加速)
・機能の差別化が困難になり、企業のメッセージやストーリーを理由に購入を決めるケースも増えている
という変化が起こっています。

ブライダル業界で考えても
・10年以上前は雑誌のゼクシィ見てそのまま電話が一般的だった
・今ではネットの媒体でもSNSでも調べると様々な情報が見つかる
・さらに第三者(プレ花、卒花、など)にも気軽にコンタクトをとれる
という環境の変化と同時に、先ほど書いたようなハード・アイテムのコモディティ化が進ん出来ています。

つまり、ユーザーが賢くなり求める水準が上がり、会場やサービスの姿勢やストーリを軸に選ぶ人が増えてきている。
これが3つ目の理由。

***

こういった背景から、式場はこれまでの軸とは異なる「選ばれる理由(=ブランド)」を作ることが求められます。

正確に言えばこれまでの選ばれるための十分条件は必要条件になってしまった、と書く方が近いかな。また、結婚式場に限らずブライダル業界は特に縮小市場&供給過多という状態なので、他業界と比べてもブランド構築がより必要になると思っています。

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