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GOOD WEDDING AWARDを初めて見て(2022年8月11日配信)
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おはようございます。
ブライダル3.0を実現したいアナロジーの市川です。
第146回目はテーマは「GOOD WEDDING AWARDを初めて見て」です。
タイトルそのまんまですが初めて見た感想です。GWAを見てない人は何書いてるかわからないと思いますけど今回はごめんなさい。
(2821文字 / 約6分で読めます)
GOOD WEDDING AWARDを初めて見た
先日、ウェディングの祭典とも言えるGOOD WEDDING AWARD 2022(以下、GWA)を初めてオンライン視聴しました。以前から開催されていたのは知ってたんですがが、実は今までリアタイで見たことはなかったんですよね。
どんなイベントなのかの詳細は割愛しますが、もし気になる方は開催概要をご覧ください。
https://souken.zexy.net/wedding/gwa2022_about.html
さて、開催から10日が経ちその熱も少し落ち着いた今、あらためて感想を書いてみます。
率直な感想
今回GWAを初めて見て思ったのは次の2つ。
①イレギュラーな状況下でのプランニング事例が多いなということ。
②コンテストをみんなすごいハック(攻略)してるなということ。
まず前者について。
今回のファイナリストのプレゼンはすべて聞きましたが、複雑な親族関係、LGBTQ、壮絶な過去など、多くの困難や制約がある中でのプランニング事例が多かったなと思います。
また、企業や会場単位での取り組みではなく顧客単位での事例エントリであること。日常のプランニングレベルの高さを競うものではなく、プランニングの瞬間風速の最大値の発表なんだな、と感じました。
そして後者について。
プレゼンテーションのストーリー構成、資料の作り方、登壇者の感情表現や話し方などがみんな似てるなぁと。
過去の開催を見たことはないのですが、こうやったら高く評価されるという対コンテストのノウハウ的なものは既に確立しているのかなと思いました。
1人1人の事例に対して思ったことももちろんあったのですが、全体を通じてはこんな感じ。
***
発表者のみなさんの感情表現含めたプレゼンテーションは素晴らしかったし、当日に至るまで相当な練習を重ねてきたのだろうということは画面越しにも伝わってきました。
ただ、途中から恋愛ドラマの中盤で恋敵が出てきて揉めるものの最後は結びつくお約束のパターンよろしく、結婚式準備を進めるにあたって想定外の困難がありそれをみんなで乗り越えました、というストーリーがなんとなく読める展開になってきたのは正直なところ。
だから、総じて振り返ると短編ドラマ集を一気見した後ような余韻、読後感とでも言うんでしょうか。
それがいい悪いという話ではなく、GWAはそういうものなんだ、個別事例のコンテストなんだとあらためて理解したっていう感じです。
「いい結婚式」「優れたプランニング」とは何なのか?
***
ウエディングプランナーを対象とした、
「いい結婚式」のプランニングコンテストです。
(中略)
このコンテストでは、具体的なアイデアやプランニングスキルだけでなく、
さまざまなハードルをどのようにして越えたか、
またどのように新郎新婦を理解し、
どのような想いでふたりの結婚式を実現したのか、
その熱い想いの部分も審査の対象といたします。
***
これはGWA公式サイトに記載されている文言です。
これをちゃんと読むと、僕が抱いた感想も最終審査結果も合点がいきます。
GWAはコンテストであって、審査基準があり、それに沿った事例が評価されるものなのだ、と。
では、参加者や自分を含めた視聴者がこの機会を通じて何を学べばいいのだろう?
今回発表された事例と同じシチュエーションのプランニングをすることはまずないでしょう。
そもそも同じ2人などいないのだから同じ結婚式などないという側面もあるし、その中でもかなり特殊な事例だったので直接的に活かせるシーンもなさそう。
つまり、このような状況になったらこのように対応する、という一問一答式の学び方をしても無意味だと思うんです。
となると、このような事例・経験を通じて、様々なバックグラウンドや条件がある顧客に対してどうやったら価値ある提案をできるのか、そのノウハウやマインドセットを抽象化して理解し、それを自身のプランニングに活かすことを目指す、と捉えるのが良いのだと思う。
それが「優れたプランニング」につながり、ひいては「いい結婚式」を広めることにつながるんじゃないかな、と。
感じた物足りなさ
相当な困難と制約を乗り越えて1つの結婚式を作り上げたストーリーは美しいし、そのプロセスで多くの葛藤や思考錯誤があったであろうことはわかります。
今まで様々な制約下で心から満足できる結婚式ができなかった人たちに対しても、多くの工夫を凝らすことで十分に満たされる結婚式を提供できるようになること。これはとても大事なこと。
だからこのコンテストの趣旨にも結果にも何の異論も批判もないです。
ただ現実には、一般的な家庭に育ち、アプリで出会い、特別に大きな制約やハードルもなく、限られた予算の中でちょっとだけ自分の憧れや夢を叶えたいと思う人の方が多数派だと思うんですよね。
そういった方々に対しての
・当たり前のことを当たり前に高品質で提供できること
・ちょっとだけ二人らしさのオリジナリティを加えられること
・合理的に価格を抑えられること
こういったニーズの方が総量でいえば大きいはず。普通過ぎて目立たないんですけど。
そこへのフォーカスって誰がやるんだろうね、GWAの対象ではないよね、というのが俯瞰で捉えたときに物足りなさを感じたところです(念のためだけどGWAでここも対象にしてほしいってことではないです)。
それともう1つ。
いい結婚式を広めようがコンセプトの割には閉鎖的だなと思いました。おそらく業界の人しか見ていないんじゃないかなと。
なのでファイナリストになってもグランプリを取ってもそれが顧客に支持されて抜群に集客に活きることはなさそう。
この点は雑な個人的な希望ですが主催者になんか企画してほしいなと思うところです。
今回のまとめ
先週のメルマガを引用するなら、GWAは文化層の祭典といったところでしょうか。開催後のSNSでは感動した、心震えた、モチベーションになったなど多くの投稿が見られ、業界内の注目の高さを改めて認識する機会になりました。
一方、業界全体で考えたときに「いい結婚式」の定義は1つではないと思っていて、品質・オリジナリティ・価格のベースレベルを高めるための取り組みは企業努力にゆだねられているというのが現状と言えるでしょう。
そこに対して何ができるのか?「いい結婚式を増やす」とは何なのか?を考えるきっかけになった貴重な体験でした。
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