4位 Carlos Escobar, Australia — 2021 World Brewers Cup
2021年10月、イタリアのミラノで開催されたワールドブリュワーズカップ(WBrC)において、4位に入賞したオーストラリア代表Carlos Escobarさんのオープンサービスを紹介します。
プレゼン動画
World Coffee ChampionshipsのYoutube で視聴できます。
プレゼン概要
生産者が直面した問題とそれを解決したヒーローの登場、そしてこのようなストーリーテラーとしてのバリスタの役割についてのプレゼンテーションです。
使用コーヒー
PRODUCER : Diego Samuel Bermúdez Tapia
COUNTRY : Colombia
TERROIR : Cauca
FARM : Finca El Paraiso
ALTITUDE : 1870m
PROCESS : 720hours anaerobic washed
VARIETY : Geisha
プロセス
720hours anaerobic washed
このプロセスでは、2段階の嫌気性発酵を行います。最初に果肉がついたまま、18度4気圧のタンク中で360時間発酵させ、さらにミューシレージのみの状態で17度2気圧のタンク中で360時間発酵を行います。この圧力の変化が、このコーヒーのトロピカルフルーツの香りを際立たせます。
抽出方法
レシピ
Coffee:14g
Water temperature:88℃
Brew Ratio : 1 : 14
0:00 - 0:12 100g
1:30 - 1:45 200g(+100g)
4:00 抽出完了
抽出理論
フレーバーの強さと透明感を得るために粗い挽き目と1:14の比率がEl Paraisoには最も適しています。
蒸らし時間を長くとり、最初に注ぐ水の量を多くすることで、コーヒー豆の内部まで浸透させ、結果として高い抽出収率を得ることができます。少ない水でより多くのフレーバーを得ています。
抽出器具
ORIGAMI DRIPPER
底部の大きな穴と深い溝が特徴で、これによって水の流れが速くなり、フレーバーがより明確になります。
粒度
約1000μ
水
温度を88℃にすることでレッドフルーツの甘さをより引き出しています。
Mg : 80ppm
Ca : 30ppm
HCO3 : 10ppm
フローラルを強調するためにマグネシウムを80ppm、より豊かな質感と甘さを引き出す出すためにカルシウムを30ppm、酸味のバランスをとるために重炭酸を10ppm入ったカスタムウォーターを使用しています。
カップ
Sensory Flavor Cup
カップは、香りと味の明瞭さを強調するために特別にデザインされたものです。
カッププロファイル
Aroma
Strawberry, Hibiscus flowers, Red candy apple
Flavor
Hot : Fresh strawberry, Hibiscus tea, Pomegranate
Warm, Cold : Strawberry candy, Cantaloupe, Sweet raspberry
Aftertaste
Long, Soft notes of roast tea
Acidity
Hot : Medium high intense, Citric, Malic, Red cherry
Warm, Cold : Medium intense, Citric, Lactic, Raspberry yogurt
Body
Medium weight
Hot : Juicy, Mild watering
Warm, Cold : Rich, Creamy,
Overall
Perfect balance
感想
今大会で自分が好きなプレゼンテーションの一つです。章仕立てでわかりやすく、内容も素晴らしいと思いました。
抽出に関しては、通常1分30秒の長い蒸らしを行うと過抽出のビターがでてしまうのですが、使用している豆のおかげでしょうか、ポジティブな効果を得られるようです。粒度の粗さも過抽出を抑えるポイントかもしれません。また、1:14の比率は通常と比べ、ややコーヒー多めの比率ですのでそこもこの抽出ならではだと思いました。
この記事を書いてる時にちょうど弊社にEl Parasio Geishaが届きました。このレシピでも淹れてみようと思います。