水曜日の優しい雨
雨が降り続いている。こんな日は、何もしたくない。
お弁当を作り、朝の支度をこなし、娘を保育園へ送るため家を出る。
今日に限ってエレベーターが故障していた。5階からベビーカーを持ちながら降りるの結構辛いなあと思いながら、予想外のプチアクシデントに時間に余裕がなくなってしまったので、急ぎ足で傘二本とベビーカーを持って階段を降りた。
「はるちゃんがさき!」と言いながら娘は軽やかに階段をぴょんぴょんと降りていく。
案の定、戻ってきてもエレベーターは壊れたままで、またベビーカーを持ちあげて階段をのぼった。
あと少ししたら定期点検に不動産の人がうちへ来る。目につくところだけを掃除をして、どかっとソファに座った。
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たまに降る雨は、いい。
外に出なくていいよ、家でゆっくりしてていいよ、と言ってくれるみたいだから。
ポツポツと流れ落ちる雨の音と、雨で少しひんやりした空気が家の中に流れ込んできてその空気感と温度が心地よい。
こんな日は、しなければならないタスクは置いておいて本を読もう。見ていたドラマの続きを見よう。時間を気にせず、ゆっくりとしたときを過ごそう。
優しい雨は、しっとりと静かに私を見守ってくれる。
ある雨の日の水曜日。