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【ショートストーリー】イラスト+BGMに、2人の作家がそれぞれ異なる物語を書く!? 3⃣ファンタジー


【イラストに物語つけてみた!】(第一弾)のラストは『ファンタジー』をテーマに、
【しょう】
【OHAGI】

の2名が物語をつけた作品。

ファンタジーという題材ですが、抽象的なイラストが多く、難しかったと思います。
二人の作家がどのように物語をつくったのか、楽しんでください!!

それでは、まずは一作目
【しょう】による「エンドロール」です。

エンドロール


【画像①】

タイトル「エンドロール」


【画像②】

すべてが、過去になる。
剥がれ落ちてく意識の中で
それだけが確かだった。


【画像③】

doomsday Clock

世界の終わりを告げるその時計は
残り1秒を示していた


【画像④】

この世界を救えるのはあなただけ
何もなくなった世界を救う意味は
ただ、貴方のその一言がくれた。


【画像⑤】

キミの為なら・・・。
そんな月並みな言葉が、頭をよぎる。

私は、この世界を救うという、
“夜明けを告げる鳥”を探す旅に出た。

私たちの旅路は風来と呼ばれ、
ある者は羨み、ある者は疎んだ。
だが私は、貴方がいればそれでいいとさえ思っていた。

誰も、世界の終わりに気づいていない。
貴方と、私。
二人だけが、この事実を知っていた。

未知の巨大生物もなければ、隕石の衝突もない。
路傍に咲いた花が、ただひっそりと枯れていくように
世界というやつは
ただひっそり静かに終わっていくものだ。

そんな世界をただひっそり
救うはずだった。


【画像⑥】

あの時。聖女を焼いたのは嫉妬の炎だった。
世界を救いたかった聖女は
貴方は
救うはずだった世界によって奪われてしまった。

私は、世界を呪った。


【画像⑦】

運命とは、かくも残酷で、そして皮肉なものだ。
私は、世界を呪った旅路の先で、
夜明けを告げる鳥に出会った。

私の手の中には、空と、
世界そのものがおさめられていた


【画像⑧】

私は、それを空へと解き放った。

彼女は水面に尾をつけて飛び立つ
私の目に映る彼女の姿は
まるで、貴方のようだった。


【画像⑨】

世界は、私の手を離れた。
もうすぐ、終わってしまう。


【画像⑩】

ただ一つ、願いが叶うのならば。

どうか どうか どうか

この終わりが


【画像⑪】

何かの始まりに、なりますように

おわり


続いて二作目
【OHAGI】による「僕の物語」

僕の物語


【画像①】

本を読むのが好きだ。
物語はいつだって僕を違う世界へつれていってくれる。

タイトル「僕の物語」


【画像②】

本を読み始めた僕は、もはや僕ではない。
僕を織り成すすべてのモノが僕から離れ、吸い込まれていく。


【画像③】

鳥に姿を変えた〝意識のカケラたち〟はいっせいに旅立つ。
まだ見ぬ景色を求めて・・・

この感覚、本を読まないあいつらには分からないだろうな。


【画像④】

どこまでも続く、未知なる冒険への道。
先に何が待ち受けるのか、誰も知らない。
それでもひたすら前へ、前へ・・・


【画像⑤】

ここは自由だ。誰にも何にも縛られない。
僕は気の向くままに空を舞う。
歌を奏でたり、虫をついばんだり。

僕を見るなり、目の色を変えて追いかけて来る者もいた。
必死な様子がおかしくて、少しからかってみたりもした。
どうやら僕を捕まえると、幸せになれるらしい。
誰がそんなことを言ったのか、ただ〝青い鳥〟というだけなのに。

そもそも、幸せとは何だろう。
青い鳥が本当に幸せをもたらすのなら、一度手に入れば永遠に幸せは続くのだろうか。

いや・・・
命あるものには終わりがある。
永遠の幸せなんてあり得ない。


【画像⑥】

何かがおかしい、ものすごく暑い。
空間が歪んで見える。
物語に異変が起きたようだ。
とにかく、外の世界へ戻ったほうがよさそうだ。

ダメだ、外への扉が消えてしまった!


【画像⑦】

僕はずぶぬれになりながら出口を求めた。
一体何が起こっているのか。
ここを出なければ・・・


【画像⑧】

外への道は完全に閉ざされた。
僕はこの物語の中に取り残されてしまった。

〝外の僕〟に何かあったのかもしれない。
二度とあちらの世界には戻れない・・・


【画像⑨】

不思議なことに、悲しいとかさみしいとか、そういう感情はなかった。


【画像⑩】

意識だけの存在になった僕に、終わりはない。

この物語の住人として、永遠に旅をする。


【画像⑪】

僕の物語は、これから始まる・・・

おわり


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