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鉄のフライパン

いつかいつかと我が家に招き入れるまでに、8年もかかってしまった道具が鉄のフライパンです。

まだ揚げ物も怖くてできなかった、料理を始めたばかりのころ。
鉄のフライパンは美味しく仕上がると知り、格好の良さにも惹かれてお店へ買いにいきました。
しかしいざ買うとなると選ぶ基準が分からず、手入れも大変だという潜入感から尻込みし、あっけなく鉄のフライパンへの熱は薄れてしまったのです。

時は流れて転機が訪れたのは、料理教室で先生の作ったごま塩を食べた時。
鉄のフライパンで作られたそれは、よくお赤飯に付いてくるツブツブのごま塩とは違い、擦りごまの粒子と塩の粒子がピタッと一体化したようなフワフワなごま塩でした。
火の入り方で味が変わる感動。
シンプルな一品の存在感に惹かれ、憧れ、突き動かされるようにして鉄のフライパンを手に入れました。

鉄のフライパンは、料理を一気にグレードアップしてくれます。
ただ焼いた魚や肉、ただ炒めた野菜がとても美味しく仕上がり、揚げ物もできます。
完成した料理の纏う雰囲気も変わります。
料理が上手になりたいと思った時、レシピの種類を増やそうとしたり、手の込んだ料理をマスターしようとしてきました。
でもそうではなく、簡単でも心から美味しいと思える1品を作る体験こそが近道なのだと、遠回りした今は思っています。

8年前の最初に興味をもった時に手に入れていればと悔やむ気持ちもありますが、あれは未来の私からの布石だったことにします。
どうしようかと悩む期間があって、でも何かがきっかけでそれを軽々と超えてしまうラッキーチャンスの不思議。

鉄のフライパンは一生ものです。
焦げても、錆びても復活させることができるので、怖がらずに安心して使えます。
どうぞ楽しんで道具を選んでみてください。
そして大切に使ってください。
料理が、台所が、あなたの所作や雰囲気が変化していくはずです。

鉄のフライパン、使ってみませんか?


〈現在使用しているフライパン〉
鎌浅商店 鉄打ちだしフライパン26㎝
鉄のフライパンは重たいです。一度は手に持ってみた方が良いかと思います。
〈探した基準〉
使い始めにニスを時間をかけて焼き切る工程が必要です。
我が家のコンロでは火が止まってしまうので、この工程が済んでいるものを選びました。

持ち手が溶接留めされているものを選びました。
ビス留めされているものはそこから錆びて劣化してしまう可能性があります。

<おまけ>
鉄のフライパンと一緒にぜひおすすめしたいのが亀の子束子です。
フライパンを洗う時には束子を使いますが、他のメーカーのものと比べて亀の子束子は丈夫で長持ちします。

https://kama-asa.com/item-detail/789834


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