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行政書士 安田一登 様

Q.お名前とご職業をお聞かせください。

A.安田一登と申します。行政書士をしております。

Q.行政書士というのは具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?

A.いろいろな仕事がありますが、その中で私はファンド組成と運営のサポートを専門分野にしております。

Q.ファンド組成とは何でしょうか?

A.お金を投資したい人がいます。またお金をもらってビジネスを成功させたい人がいます。この間をつなぐことによって、集団での投資が可能になる。集団投資スキームと呼ばれたりもしています。そのお金を入れる器を契約書で作るのが仕事の一部になります。厳密にいうと弁護士と行政書士しかできない仕事ですね。

Q.行政書士の中で安田さんのお仕事はたくさんの方がされていますか?

A.この分野に関しては、僕の先輩・後輩でやられている方はいないですね。お客様から「ファンドは作れますか?」と聞かれて、「作ったことはありませんがベストは尽くします」と説明した上で0から始めました。

Q.現在このお仕事をする中で大変なことがありますか?

A.まず長期的に関わっていかなければならないので、お客様も含めたチームでのコミュニケーションが必要です。一回一回単発で終わる仕事よりも気を使わないといけないかもしれません。例えば、私がトータルのスケジュールを管理しているときに、私のタスクが遅れてしまうと、忙しそうなお客さんに自分のことを棚に上げて仕事を頼まなければならなかったりするので、気まずかったりしますよね。

Q.元々人をまとめる役割は得意だったのですか?

A.得意だったかどうかはわからないですが、前職(システム業界)でプロジェクトリーダーをしていたので、手法は生かされていると思います。ただ、人と関わるマネジメントは自分には合わないと思いました。10年やってみてやはり中間管理職には向いていないなと。そのため、行政書士を目指しました。

Q.なぜそこから行政書士なのでしょうか?

A.30歳を過ぎて、かつ国家資格を取ろうと思った場合、難関資格を取るほどの時間は自分には残されていないと感じたんですね。弁護士に10年かけて受かってもしょうがないなと思っていました。

Q.なぜ国家資格を取ろうと思ったのですか?

A.大学の時に法学部に行っていたので、法律に対して他の学部の人よりは距離感が近かったのだと思います。僕のニーズである「比較的難易度が低くて、それを取れば独立した事務所を構えられる」、という資格は僕が探した限りでは行政書士のみでした。

Q.10年間続けられたシステム業界を辞めることに不安はなかったですか?

A.集団行動を取るのが向いていないと思っただけなので、勇気があったわけではないですね。合わないところから変えようと思ったら、独立するのが一番近い選択肢だったんだと思います。

Q.独立をする前に準備はされましたか?

A.資格をとったら即独立でした。僕はその頃IT系のエンジニアを辞めて、叔父の事務所で働いていました。叔父の考え方が「資格を取ったらすぐ独立しろ」だったので。 1月に合格発表があって、登録が可能になり、4月の頭には自分の事務所を間借りでしたが開設しました。ただ最初はお客さんが0でした。フェイスブックをちょうど初めて、そこから昔の会社の先輩から相談があったぐらいでしたね。 その他ホームページも作りましたし、異業種交流会に行ったりしていました。一番成果が出たのは異業種交流会だと思います。信頼できる人脈を増やすことは重要ですね。

Q.安定収入ができるまでどのくらいかかりました?

A.今もまだ安定してないですね。顧問料が毎月入るようなストック型のビジネスモデルであれば安定すると思うのですけど、僕らは基本「単発の発注をこなしてお金をいただく」というスタイルが多いので、なかなか難しいですよね。

Q.独立後に一番大変だったことは何でしょうか?

A.簡単にいうと、お金。もっというと仕事ですよね。仕事をした結果もらえるお金が必要だったと思います。

Q.独立前と独立後でお金の価値はご自身の中で変わりましたか?

A.お金に対する価値観は多分変わってないのだと思いますが、使い方や使い道はだいぶ変わったと思いますね。サラリーマンの時は生活費プラス自分の趣味などでしたが、今は生活費プラス事業を拡大するために使うことが多くなりました。そこは時間も同じです。自らの事業やそれに対する知識への先行投資が増えたと思います。

Q.独立してみて良かったポイントはありますか?

A.満員電車に乗らなくていいことですね(笑) また、日々の小さなストレスは減ります。その代わり、独立して自分の責任でやるって大きいストレスはあります。

Q.これから起業したいと考えている方に安田さんから一言お願いします。

A.独立して良いこともたくさんありますし、辛いこともありますが、そこで続けていける人が向いている人だと思います。相性の問題だと思うので、選択肢の一つにあるのであれば、独立してみるというのもチャレンジとしてはいいのではないでしょうか。



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