WinActorをこれから使う人へ(WinActorの使い方とヒント集)
はじめに
すべての作業をRPAで自動化しようとするとたぶん破綻する。ExcelやIEなどのソフトウェア側の設定で可能なことはソフトウェアに任せたほうがいい。文字列の結合をRPAでやるより、Excelの関数を使って予め整形しておいたほうが楽だし、RPAにログインID/PWを入力させるより、ブラウザにキャッシュさせておくほうが楽だ。
操作記録モードだけだと、かゆいところに手が届くシナリオが作れないので、「コマンドプロンプト」実行アクションとNTT-ATが用意している「ライブラリ」で補完するといい感じなるだろう。
環境
WinActorのバージョン:ver4.x(現在の最新版はver5.x)
OS:Windows 10
実行マシン:物理マシン(ホスト)+仮想マシン(ゲスト)
免責事項
本ページによる情報提供に関する又は過失に起因する損失、損害又は費用について、いかなる責任も負いません。また、本ページで提供した情報に全く過誤がないことを保証するものではありません。
実装した全自動フローチャート
WinActorに関心のある人は、このページを見ることで何ができるのかの大凡をつかめるはず。以下、わたしが実装したフローチャート。
1. WinActorを定時に起動する。
2. 受注データ(Excelファイル)を自動で読み込む。
3. 受注データ(Excelファイル)をWEBアプリケーションに入力する。
4. 顧客にユーザ情報登録完了メールを、ユーザごとに本文の内容を変えてメール送信する。
5. 担当者に作業完了メールを送信する。
6. 登録済の受注データのファイル名に日付を付加して、別のフォルダに保存する。
上記フローチャートの基本的動作はドキュメントをみれば実装できる。以下、わたしがハマった部分についての備忘録だ。
「シナリオの定時実行」「データ整形」「ウェブアプリケーションのログイン」「Basic認証」「IEの設定」「Outlookの強制終了」「ループの分岐」「Excelの設定」「Gmailの設定」「ストレージサービスとの連携」「CSV変換」「PCロック中にシナリオを実行する方法」など WinActor の実際の利用において役立つ情報を記載しています。
シナリオの定時実行
たとえば毎日15時にWinActorのあるシナリオを実行することを定時実行とよぶが、WinActor自身に定時実行機能はないので、Windows標準のタスクスケジューラを利用する。WinActorは起動ショートカットごとに読み込むシナリオファイルと読み込むデータファイル(Excelファイルなど)を指定できるので、タスクスケジューラはこの起動ショートカットを実行することになる。
しかし、起動ショートカットに設定した読み込みデータファイル(Excelファイルなど)が存在しない場合、WinActorは起動に失敗する。これは、データファイルの有る無しを条件に、全体シナリオを実行したいときに大きな問題になるが対処法はある。タスクスケジューラから起動ショートカットを直接実行せずに、以下のようなバッチファイルを間に挟む。
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