とある曲の感想が言語化不可能で苦しい

私の最近の口癖は、
「お兄ちゃんがいたら岡田将生がいい」
なんですよ。

自動車保険のCMを観ると特に思う。
好きなんですよね、岡田将生さん。

さて、そんな私のブームとなっている岡田将生さんがNHKで主役を張ったドラマがあった。
「昭和元禄落語心中」という。

しかしドラマを観るきっかけになったのは、岡田将生さんや竜星涼さんが観たいからではなかった。
人生の最推し、ゆずが主題歌を務めるからである。

私はゆずのタイアップが決まると狂ってしまう生き物なので当時の記憶は鮮明ではないが、今までとはひと味もふた味も違ったテイストの新曲に、目がぐるぐるになったのは間違いない。

この曲の素晴らしいところは数え切れないが、タイトルの通りそれを言語化することは不可能なので割愛する。

ではこのnoteで何を言いたいか。

この曲のヒトキワ痺れるスパイスである、

「消えた┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈」

曲が最高潮まで達したその刹那繰り出される北川悠仁の囁き声によって発音されるひと言である。


この曲を知っている人にとっては当たり前も当たり前な情報で申し訳ないが、一応説明しておくと、

「消えた」というのは『昭和元禄落語心中』の核とも言える落語、『死神』のクライマックスのセリフである。

困窮した生活に嫌気が差して命を絶とうとした主人公を死神が救う。一度は全てがうまくいく主人公であるが、金に目が眩んだ主人公は死神の存在が左右させる寿命において禁忌を働いてしまう。
その罰で主人公は寿命を縮められてしまい、寿命を表すロウソクの火をうまく入れ替えられたら助かるという最後のチャンスを与えられるが失敗してしまう。その主人公のロウソクの火が絶えた時、死神は「ほら、消えた」と言うのである。

ドラマでは岡田将生さんが演じる落語家が「死神」を語るわけだが、これが本当に引き込まれる。
「ほら、消えた」に魂がこもっている。


その、その大切なひと言を曲の一番良いところに持ってきた凄さが分かりますか?
当方語彙力が無さすぎて微塵も伝えられていなかったらすみません。
なんならドラマを観て欲しい。
死神をYouTubeで聞くも良し。

そして何より曲を今聴いて欲しい。

愛と憎しみを込めた曲だと北川悠仁は語っている。

決して綺麗という一言で語れる曲ではない。
人のダークな部分や、欲や、渦巻いた人間模様が投影されている。

壊れたガラスの破片がキラキラ舞っている、でも触れてしまえば怪我をしてしまう、みたいな曲だと感じている。

なぜだろう こんなにも こころが泣いている
蝋燭の火が 風に吹かれ 影を揺らすように

諸処に散りばめられた『昭和元禄落語心中』の要素も、作品と共に味わえるひとつのスパイスではないだろうか。


ここまで語ってきたこの素晴らしい曲の名前は、

「マボロシ」

といいます。
聴いてね。

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