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アイソレーター・刺激装置とは
あっという間に1年が過ぎてしまいました。
私の方は6月に入社してから、営業と同行したり、学会に参加したりと様々な経験をしました。
これまでのキャリアの中では、外に出る機会が最も多いです。
年が明けてからも学会やADIの催しなど、いくつもイベントがあります。
さて、今年最後の記事は刺激装置(スティムレーター)の疑問点について触れます。
刺激装置とは
読んで字のごとく、なのですが具体的にはヒトや動物、細胞などに電気的刺激を与える装置です。
BRCが扱っている製品だと下記の製品があります:
Multi Channel Systems アイソレーテッド刺激装置
細胞向け
AM Systems ハイパワー刺激装置・アイソレータ
主力製品PowerlabのうちTシリーズもスティムレーターを内蔵しています。
ADInstruments PowerLabハードウェア
スティムレーターだけでは機能しない!?
Powerlabを制御するソフトウェアLabChart においては「スティムレーター」機能があります。ですが、前述のTシリーズ以外のPowerlab単体で、被検体へ電気刺激を与えることはまずありません。そういったPowerlabにおいては、電気的シグナルをOutputから他機器へ発信するために用いられます。
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刺激装置を使う研究者の実験場では、スティムレーターのほかにアイソレーターという単語を耳にします。
「アイソレーターって何ぞや!? 刺激を与えるのがスティムレーターちゃうんか?」
と、まだスティムレーターのことをよく知らなかった筆者は混乱しました。
何をアイソレートするのか?
単語のアイソレーター(Isolator)は英語で「単離するもの」という意味ですが、一体どこから単離するのかが疑問にありました。
ちょっと調べてみると「電気的に絶縁する」というキーワードが出てきますが、どういうことでしょうか?
物体に電気的刺激を受けるだけなら、漏電したものに触れたり、入浴中の人間にドライヤーを放り込んだり、電気柵に触れたりすればいいのです(実際にやっちゃダメですが)。
身近なイメージだとスタンガンの小型版みたいなものがあればいいんじゃないか、と想像するでしょう。
しかし、研究においては目的の部位に狙い通りの波形・出力の刺激を与えることが重要です。小型版スタンガンのようなものだと波形が制御できない、ターゲット以外に電流が走るなど問題があり、実験には使えません。
ターゲットへ狙い通りの刺激を与えるには他所の電源の影響を受けず、電流がバイパスしないような環境が必要です。
ここでアイソレーターが登場します。被験体と繋がっている回路を主電源と絶縁することでバイパスを回避し、狙い通りの刺激を与えられるようになります。
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リニアアイソレーター
最後に、こちらの機器について触れます。
単語のlinear(=直線の)が付いているこちらの機器は、入力されたシグナルに応じた電気的刺激を行えます。こういった製品に対して、PowerlabのOutputが活躍します。
これで対象へ刺激が行えるというわけですね。
それではみなさん、よいお年を。