Pentas
note 初投稿。
俺はSNSの更新が苦手。
どうも俺は承認欲求を満たすという行為が
性に合わない。
そもそも自分という人間にそんな自信がないし、そんな自分をあまり人に知られたくない、見られたくないとも思う。
昔からそう、人との間に見えない壁を作ってるのはいつも自分の方。
得意不得意、好き嫌いは誰にでもある。
理解するための努力はしないとダメだけどね。
出来るだけ"否定"を減らしたい。
でも見せかけの"肯定"はいらない。
その工程を経て、残った”否定”が自分の核を作ってたりする。
俺(あなた)は誰にもなれないし
誰も俺(あなた)にはなれない
それを踏まえて俺は今日も
胸の内を抱えながら生きてる。
せっかく新曲を出したので、セルフライナーノーツ的な事と最近あった色々について綴ろうと思う。
今回の配信シングル『Pentas』は前作のEP『ペイル・ブルー』から約2年半ぶりのリリースになって、また待たせてしまったのかと思うと申し訳ないが、その分良い曲が出来たと自信を持って言える。
その間本当に色々あって、曲を書き続けている中でメンバーとのモチベーションに差を感じてしまい今年入ってすぐに俺からメンバーに活休しようと告げた事もあった。
25の歳になったぐらいから考え方が変わったり、漠然とした不安とか焦りに襲われ、眠れない夜が続いた。
迷走しまくっていた日々。
悪い事ばかりでも無いけど、良い事ばかりでも無かった。
25歳〜26歳の一年間、ずっとそんな感じでバラードやミドルテンポでちょっと変わり種の曲ばかり書いてたな。
そんなある日、Drの将里からアップテンポ(BPM190くらい)で王道ロックな曲をやりたいという要望があった。
その要望に答える為すぐ作曲に取り掛かると、変わり種ばかり作っていたからか、意外と気分転換にもなった。
大体のコード進行とメロディーが出来た時、明るい曲調で王道ロックに相応しい歌詞を書こうと直感的にすぐテーマは決まった。
ペンタスという花の花言葉は
「希望が叶う」「願い事」
正直言うと最近の俺はそんな前向きな言葉やテーマから少し避けていた気もする。
夢とか、希望とか、語る事すら恥ずかしく感じるようになって、そう思うと自分って案外冷たい人間なのかもしれない。
昔嫌いだった大人に、俺もなってしまってるんかなーって。
<<<憧れた背中 真似して歌った
少年少女は夢を見ている
そう遠くない未来 待っているから
代えられない喜びや悲しみが
遠い空見上げながら 僕らは何を描いてきたんだろう>>>
ただ、そんな事を言ってる場合じゃなかったのもこの歌を書けた理由の一つ。
仲の良い仲間たちが活動休止目前にまでなったり、メンバーが脱退するという話を聞いた。
そんな時いつも思うのは、会って飲みながら話をしたい。元気付けたい。
そんな当たり前の様な事を歌にして仲間に歌いたいと思った。
漠然とした不安や焦りの中にいる今の自分を救いたくて、眠れない理由は人それぞれ違うけど似た様な苦しみを知ってる人へ。
<<<真夜中の電話 悲しくなる程
震えていた声 何も出来なくて
また今度会ったらまあ一杯やろうか
笑えるならそれだけでいい>>>
ペンタスの花は5枚の花びらが特徴的な花で
形は星に似てるが、それが人の手の様にも思えた。
逆も然り、人の手もペンタスの花の様だと思った。
1人じゃないとか、手を取り合うとか
そういった言葉を使わずにそれを表現したかった。
そんなイメージを湧かせながら歌詞を書き出して約2時間程度で書き上げていた。
歌詞が完成し、DAWソフトでアレンジを打ち込み、歌を入れて聴いた時に感じた。
自分や仲間たちに向けて書いた歌が
気付けば誰に対しても歌いたい歌になっていた。
やっぱり色んな人の前で歌って届けたくて、ライブでこの歌は成長するだろうなと既にその時感じていた。
仲の良いバンドが使っている京都studio INOで
エンジニアの榎本さんを紹介してもらい
レコーディングを行った。
前日から当日の朝までアレンジ考えて
無睡の状態でのレコーディングだった。
(今後REC前日は絶対に8時間は寝る事)
Pentasを録り終えてもう一曲新曲のドラムとベース、俺のギターを録り終えたところでその日はレコーディング終了。
翌日みんなで打ち上げ兼ミーティングの為飲みに行く事になり地元の鳥貴族に集まった。
将里から肝臓がんになった事を聞かされたのはその時だった。
最近体調が悪く、病院に行った際に検査をしレントゲンを撮ったところ、肝臓に肝臓の約3/1くらいの大きさの腫瘍が見つかったと言っていた。
ただそれを打ち明けた時の将里は、俺たちに心配させないためなのか、もしかすると自分に言い聞かせる為なのか
最悪の状況ではない、まだ悪性の腫瘍かもわからないと話していた。
(悪性の場合、腫瘍の輪郭がギザギザになっているらしいが、将里のレントゲン写真に写った腫瘍はそうではないと本人は言っていた)
先に集まってそれを聞かされた俺と音旺は、あまりにも予想外且つ、事の重大さに愕然としていた。
後から来た板谷はそれを聞いて、良く覚えてないがふざけた事を言ってその場を混沌とした空気にさせた。
それに対して将里は普段尊敬している千原ジュニアの様とまでは程遠いがいつも通り早い返しでツッコんで笑っていた。
数日後、将里から7/20に緊急手術をして入院する事になったと連絡が来て、現在決まっているライブでドラムを叩く事が不可能だと言う事がわかった。
そして今決まっているライブはドラムサポートを迎え入れ、それ以降のライブは全て断り、将里の体力が戻りドラムが叩ける様になるまで
ライブ活動を休止しようと話し合った。
先日の鳥貴族で、もし最悪の場合ドラムが叩けなかったら信頼している後輩にドラムサポートを頼みたいと言っていた将里は、AIRTONICの一成、ゴードマウンテンのケイゴ、月と徒花の出口の3人の名前を上げていたのですぐに連絡を入れた。
3人は即決で快くドラムサポートを受け入れてくれた。
住んでいる街の距離を超え、忙しい合間を縫ってBrave Backの曲を覚えてドラムを叩いてくれた。
本当に感謝しかない、ありがとう。
手術当日の7/20は、ゴードマウンテンのケイゴとスタジオだった。
手術は朝10時くらいから夕方17時くらいまでの予定と聞かされていて、とにかく無事に成功する事を祈った。
スタジオでの練習が終わり、ケイゴをJR塚口駅まで送った後、メンバー3人で連絡を待っていたが手術が終わる予定の夕方17時を過ぎても連絡はまだ来なかった。
連絡を待つ時間は本当に長く感じて正気では居れないほど、1人でいる自信が無かったので気を紛らわす為メンバーと麻雀を打ちながら連絡を待った。
結局、全く集中はできなかった。
予定よりも4時間も過ぎた21時頃にやっと連絡が入り、腫瘍の摘出が終わりそのままICU(集中治療室)に入るとのことだった。
手術は成功したが、あとは将里の生命力次第だと聞かされ、俺は文字通り祈る事しか出来なかった。
その時、エンジニアの榎本さんとMIX(録り終えた音の調整)のやり取りをしていたので、何回もPentasを聴いていたのだが、この状況的に将里に対しての応援歌にしか聞こえなくなっていた。
明日を迎えられる事ってこんなにも尊いことなのか。
俺は人生で初めてそう思った。
<<<きっと誰もが胸の内を
願いながら明日も生きていく>>>
明日も生きていくって、当たり前じゃないよなマジで。
手術から三日後、将里本人から連絡が来て生存確認が出来た。やっと胸を撫で下ろした瞬間だった。
その後上がってたツイートの写真は、大量の管に繋がれ車椅子に座りながら左手でピースをしているが、なんとも言えない表情をした将里だった。
人間の生命力って凄いな。
壮絶な戦いだったと思う。
ほんまにお疲れ様。
ドラムサポートを迎えて最初のライブは、7/29寺田町FiieLoopで親友AIRTONICの企画だった。
一成とケイゴにセットリストを前半後半に分けて叩いてもらった日。
午前中に尼崎のいつものスタジオで2人を迎えて曲を合わせて寺田町へ向かった。
オープンしてすぐに見覚えのあるお猿さんに似た人が近付いて来た。
最初はFireloopの店長足立さんかと思ったが
まさかの将里だった。
ライブに来るなんて事も、退院した事すらも聞かされてなかった。
それでも、そういえば将里はこういう事をする性格だったと思えば納得した。
見てわかる程ガリガリに痩せ細って、たった9日間で10kg以上も体重が減った将里は無理矢理退院してライブを見に来たらしい。
俺の心境としては生きて帰ってきた将里に会えた嬉しさと
無理するなよ!という心配が半々くらい。
楽屋で将里は服を捲り、切腹でもしたのか?
いや、ある意味しているのだがその手術跡を見せてきた。
俺は一体どんな感情でライブをしたら良いのか一瞬でわからなくなるほど目の前の状況を把握するのに難航したが、とにかく無事で良かったと将里に伝えた。
その日は仲良いバンドも多かったし、やっぱり生きてるって事を会って伝えたかったんだと思う。
その日、手術から無事帰還した将里の目の前でライブをした。
俺の予定であれば、まだ入院中の将里にFireloopの配信ライブを通して
「将里見てる?元気か〜?」なんて言おうかと思っていたのに、目の前に居るもんだから俺はその日のライブの運びやプランは安易に崩壊した。
ただ、みんな心配するし混乱すると思ったのでそこに将里は居ない程でライブをしたのだが
ターミナルの2番のサビで俺は歌いながら泣いてしまった。
台無しやで、ほんまに笑
まあそれでも、生きて帰って来た将里の姿を見れた事、将里にPentasのライブ初披露を見てもらえた事、良かったと思ってる。
ゆっくりで良いから体力戻ったらまた最高のドラム叩いてくれよ。
みんなも気長に待っててくれ。
復活は盛大にやるからな。
だいぶ将里の話で持っていかれてるけど
これを読んでからPentas聴いたら俺がどんな心境で作ったか殆ど伝わるはず。
伝わって欲しいと願って今書いてる。
唯一自分に向けて書いた部分でフックになってる歌詞がある。
<<<いつの間にか汚れてしまった
心のキャンバスに今からでも遅くは無い
その手は何でも描けるさ>>>
Pentasとキャンバスを掛けたりして
曲中に出てくる"描く"とは自分を表現する事。
歳を重ねる度に肥大していく、知識や経験に
真っ白な心は様々な色で濁っていくけど
本当にその気になれば、その機会があれば
また真っ白な心の気持ちで描いて、自分を表現して
誰かに伝える事が出来る。
もともとは自分を救いたくて、仲間に元気を出して欲しくて書いたつもりが
誰にこの歌を渡しても、その人の背中を押せるような歌になっていたこと。
ライブで育つ曲やから、復活した時にはみんな歌えるようにしといてな。
ステージから見えるみんなの掲げる手が
風に揺れるペンタスの花に見えるように。
どんなに苦しい状況でも、その花(希望)を枯らさない為に
弱みを見せてでもいいから、誰かを頼ってもいい。
その代わり誰かの花(希望)が枯れそうな時には
愛という名の水を上げてやってくれ。
誰もが助けられて生きてるから。
長くなったけど、ここまで読んでくれてありがとう。
普段SNS更新してないからか、溜まってたもの吐き出しまくった結果4800文字を超えてた。
こんなもんなんかな。知らんけど。
ここまで読んだからにはPentas聞いた感想でもこの記事の事でも何でもいいからリアクション見せてくれよ。
そういうのがあると、やっぱりやって良かったなって思えるから。
反応が良ければまた何か書くけど、何も無かったら気が向くまで書きません。笑
明日もレコーディングで新曲のギターと歌録りしてくるのでお楽しみに!
(将里のドラム先に録れてて良かった。。)
ほな!
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