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冷たさを感じる近代的な被写体をモノクロで:Nikon Z50 + NIKKOR Z 26mm f/2.8
さて、久しぶりの近代的な被写体。
イナカストリートスナップとは異なる景色。
全てが計算され、規則正しい。
この様な場所に生きたことがないので、なんというか、冷たさのようなものを感じる。
この景色が常なら特に冷たさを感じないのだろうか。
なんにせよ、計算された構造物は美しいが冷たい。
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角度の付いた支柱が規則正しく並ぶ。
対称のデザイン。
人の手によって造られたもの。
点字ブロックがデザインに取り込まれ、単調になることを抑えている。
整っているが息吹を感じられない空間。
通路なのに閉塞感すら覚える。
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手すりの金属感と走る車、車両誘導の警備員。
特別な物語はなく淡々と進む日常。
高揚感とかそういったものはない。
何も感じない。
日常とは、そういものなのではなかろうか。
目を向けない、向ける必要がない。
それに非日常を感じ、目を向けたからこの写真がある。
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自身の靴の音が響くだけの誰もいない館内。
滑らかな床に反射する外からの光。
格子状の窓枠、整然と並ぶベンチ。
爽やかな朝ではなく、冷たく重い朝。
静寂がもたらす、感覚としての冷たさ。
神社などの厳かな静寂とは全く違う。
虚無。
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窓ガラスに映る。
イナカストリートスナップでは面積が広いガラスに出会える機会が非常に少ない。
撮りたくても撮れない場面がある。
喜ばしいことだ。
構造物のコンボ。
被写体の存在が既に完成している。
それを写真に収めただけ。
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自動販売機はここにはない別の存在。
実際、この建物のデザインには組み込まれていないものだろう。
これまで何か冷たさがあったが、自動販売機の存在で温かみがでたように感じる。
日差しの強い光の影響が大きいのかも知れない。
とはいえ、自動販売機の代わりに観葉植物があったとしても、冷たさが和らぐとは思えない。
設備としては必要だが、この空間のデザインには不要な存在。
そうして崩れたバランスが印象に影響を与えるのだろう。
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隣に続く扉は十分な明るさの中にあっても冷たさを感じる。
案内看板も全体のバランスを崩す要素といえるが、自動販売機とは違って影響を及ぼさない。
感覚として存在を受け入れているかの違いなのだろうか。
案内看板はあって然り。
いや、自動販売機だって必要ではないか。
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天井を仰ぐと骨組み。
不思議とこれには冷たさは感じない。
空間というより構造に必要なものとして受け止めているからなのだろうか。
雰囲気よりも以前にある構造に必要な存在。
個々ではなく全体が醸し出す。
もしくは、そこまでの個を感じさせるものではなかったのかも知れない。
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日の光は偉大だ。
太陽の温かさが感じられる。
建物に移る影と光。
光があたっている部分だけ温度が高いような気がする。
照明ではなく太陽の光であること。
そこが感じ方の分かれ目なのだろう。
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硝子と格子。
明るさのグラデーション。
この先に何が見えるのか。
確か建物の壁だったような。
ひとつのグラフィックにみえる。
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冷たさを感じた空間も人が入ると印象が異なる。
静かに動き始める時間。
生命、自然、生きたものが在ることで動きが生まれる。
イベントホールゆえ、あくまでも場に徹することでそこで催される何かをひき立てているのだろうか。
そうだとしたら素晴らしい設計の建造物だ。