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子どもの感情と視点

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【ポスター部分日本語訳】冒頭ポスターの引用ページ

最初の質問は、
「私はどうしたら、この子にこのタスクをやらせることができるのか?」
ではなく、
「なぜこのタスクは、この子のストレスを引き起こしているのか?」
であるべき。

これは、ABAで、行動にアプローチするときの考え方です。

嫌なことを避けるのは、当たり前のこと。
みなさんも、嫌いな人と関わることを避けますよね?

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行動が起きないのは、
その行動によっていい結果を得られていないから。

その子にとって、
求める行動が難し過ぎる
(その行動を実行するために必要な行動や
スキル Prerequisite Behaviorsを習得できていないか)、
求める行動の結果として、
獲得している結果(強化子)の価値が、
行動する努力に見合った価値がないから。

さらに、退屈であること(単調であったり簡単すぎること)や、
自分のペースを乱されることも苦痛で、
行動とそれによって得られる結果の価値を下げます。


「●●しなさい」という指示は、
その指示を出す方は、
タスクを開始するきっかけにしようとしていますが、
そのタスクがその子にとって難し過ぎる、
もしくは、
退屈すぎる、自分が望む結果を獲得することが予測できないもので、
しかも、
自分が行動を起こしたいタイミング以外で提示されれば、
単にストレスを与えているだけ

そのタスクの実行をますます困難にしているだけ。
ますます実行したくないものにしているだけです。

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不思議なほど、多くの人が
「言葉による指示」だけで、
他者に行動を実行させたり、
他者の行動を変えることができると考えていますが、
そんなわけがありません。

もし、「言葉による指示」だけで、
行動を実行させたり、
行動を変えることができるのであれば、
法律は、してはいけないことと、すべきことだけを規定していればよく、
罰則や量刑、罰金や刑務所はいらないはずですよね?

求める行動やタスクが実行されないのであれば、
何が実行を妨げているのか、
行動が繰り返されるために必要なことの何が足りていないのかを調べ、
その問題を解決する必要があります。

こんな簡単なことなのに、なぜできないのか?

と思うときには、
自分がやった方がいいとはわかっているのに、
やっていないことは、何かを思い出してください。

英語の勉強、
ダイエット、
定期的な運動、
床の水拭き、
照明の掃除、
冷蔵庫や食品庫の中のものの整理、
使っていない食器や洋服の処分…

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必ず何かあるはずです。

そして、それを

「言い訳せずに今すぐやりなさい」

と言われたらどんな気持ちになるかを考えてみてください。
そして、
その言葉で自分がそれをやりはじめるかを考えてみてください。

それが、子どもの感情と視点です。

From みき


みきのプロフィール

Miki Saito/動物の行動とトレーニングのコンサルタント

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