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デパンヌ2016 第2st エティックスの失敗

ブリュッセルの空港でのテロ以降、ベルギーという国を代表する自転車レースが途切れることなく続いているのは、自転車熱の凄まじさを感じる。

そんなベルギーはフランドル地方を横断するデパンヌの第2ステージが行われた。第1ステージでは風が吹き荒れる中、逃げ集団の逃げ切り勝ちを収めたが、第2ステージは集団スプリントに持ち込まれた。

レース終盤は周回コースとなっていて、4回目のゴール通過がフィニッシュとなる。選手は最終周回でどう動くかのイメージを十分に作りながらチームメイトと話し合い、作戦を練っていたことだろう。

道幅が広く、次々とポジション争いで前に出てくる選手で集団内は洗濯機の中のような状態が続く。こうなるとチームメイト同士まとまって走るためにはレースをコントロールするしかない。

最近ではコントロールするチームが1チームではなく、道路の左右に分かれて2チーム、3チームがコントロールすることが多くなってきた。自転車レースは常に時代流れとともに展開が変化している。

コーナーでは慣れているベルギー人選手が歩道を使ってショートカットする走りの見られる。最近ではこういった走りから事故が起こることもあり、UCIでは禁止しているが、なかなかそう言った癖は無くならないし、コミッセールも細かくうるさいことは言わない。

先頭を走っている選手は5kmを過ぎると体重の7倍〜8倍W(ワット)のパワーで走ってる。60kgの選手で420W〜480Wほどだ。エースも列車のうしろにいるとはいえ、300W近いパワーで姿勢を低く保ちパワーをセーブしながら進まなければならない。それは、残り1kmを過ぎるとエーススプリンターでさえ、体重の6〜8倍Wで走りながらスプリントへ突入していかなければならないからだ。

集団内に居れば楽に走ることができる?と思うが、ポジション取りで中に入ってきた選手が又集団のサイドから前へ上がろうと動くので、同じポジションに居座ることは不可能に近い。

運良く前へ上がれたとしても、風を受けながらポジションをキープしなければならないので、単独で動いているスプリンターには不利、よっぽどトップスプリンターで名前があり、こいつのうしろに居たら優位だ。と判断されない限り単独での集団前方をキープすることは厳しい。

完璧なアシスト力で残り4kmを進めたエティックス、残り1kmでアシストを3人残したキッテルは勝利間違いなしかと思われた。しかし、どのチームも最終局面に向けて準備していたアシストたちが前へ前へ上がってくる。

残り500mキッテルの発射台サバティーニがスピードを上げる直前、上がってきたカチューシャの選手が前を横切った。スプリントは一歩間違えて集団内に入り込むと、抜け出すのは至難の技。通常だんだんとペースを上げていきながらスプリントに入るがサバティーニは焦ったのか?いきなりフルスプリント状態で発車してしまった。残り200mを切るところまで弾き続けたいところだったが、初速であげた代償はその後上がらない。

スピードが落ちてきたのが残り300mだった。キッテルはスプリントに入らざるを得ない状況の中、右からはクリストフが上がってくる。キッテルのうしろに身を小さくしてロックオンしたのがヴィヴィアーニだった。

もともと速い速度からのスプリントということもあって、キッテルのスプリントにはいったスピードと、トップスピードの差がつかない。うしろについているヴィヴィアーニが残り80mで渾身のスプリントに入る。キッテルもスピードを落とすことなくもう一度踏み込み、粘る、粘る、粘るが・・・・最後はホイール半分の差でヴィヴィアーニに差し込まれてしまった。

エティックスは一時期の春先最強伝説が影を潜め、最近では逃げ切られる展開や、複数名残していながら勝てないレースなどが印象的だ。この第2ステージはチームの動きとしてはしっかりと形になったし、小さな修正と自信さえつければ十分にキッテルの力で今年も勝利を量産できるチームになるだろう。

デパンヌ2016動画は以下から

https://www.youtube.com/watch?v=F-HOC7GlB0k



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