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家族が癌になるということ その2
同居している父親(90歳・12月で91歳)の話である。
「癌の疑い」により、かかりつけ医から地元の医科大学付属病院を紹介され、呼吸器内科で詳しい検査を受けた。その結果の伝達日(11月11日(月))である。
近しい親族が「癌」という経験は初めてだったので、伝達日には子ども3人(長男(私)・次男・長女)、長男の妻、次男の妻、6人で話を聞くことにした。87歳の母親も同席する予定だったが、家を出る間際に「腹の調子が悪い」と言いだし、留守番となった。大学病院は時間がかかる事は、初診から3度の検査を経て十分理解していたつもりだが、この日も午後3時の予約なのに呼ばれたのは5時過ぎ。私は「そんなモンだ」、と慣れたものだったが、弟・妹は1時間を過ぎるあたりからイライラが募っていた。ま、検査に1度も同行したことが無く、医大病院の経験がないのだから、イライラもわからないではない。
そして医師の説明。『結論は「腺癌」である。転移はしていないと思われる。(ステージⅠ B)』
まず、気管支内視鏡検査では、組織をとって検査した(遺伝子検査も)。肺の癌としては、ノーマルなものだとのこと。次に「ペット検査」では、左右のリンパ節が黒く写っているが、判断としては、「転移はないだろう」とのこと。最後に「頭部MRI検査」だが、「脳梗塞」の後遺症が認められ小脳の欠損が大きい、という診断もあったが、癌の転移という視点からは「転移は認められない」、となるのだそうだ。
では、90歳という年齢を考えると治療の方向性はどうなるのか、、、、
主治医により、①~③の説明があった。
①ステージⅠとして、まず考えることは「手術」
・病巣を「取り切る」左肺の半分を切除する(胸腔鏡手術)。
・本人の気持ちが大切。体力があるかどうか、も手術の際は判断材料。
・手術は「呼吸器外科」が担当。とりあえず、「外科の意見を聞く」
という方法もある。
・肺の機能が低いような場合、「手術は無理」と判断されることもある。
・手術の場合は、標準的に「1週間程度で退院」(胸腔鏡下手術)
②手術が無理な場合は、抗がん剤治療
しかしこれは、副作用も大きい。体力的にも難しいだろう。
③そうなると、「放射線治療」
・まず、「放射線科」を受診して方針を決める。
・1日の治療自体は10分程度。毎日(月~金)通うようになる。
・通うのが難しい場合は、入院という方法もある。
・照射できる放射線量が決まっている。治療は1ヶ月半~2ヶ月程度。
ここで妹が、「何もしなければどうなるのか?」という質問をしたのだが、「「ステージⅠ B」の場合、基本的には手術なので、症例が浮かばない。転移があって「ステージⅣ」となった場合は、放置すれば平均的に余命8ヶ月位」という医師の説明。
いずれにしても本人の気持ちが最優先である。以下本人の気持ち。
・説明冒頭は「手術したくない」と言っていたが、気持ちに迷いも。
・本人もどうしたらいいのかわからない、というのが正直なところか。
・かかりつけ医とも相談したがっている(翌々日がかかりつけ医受診日)
普段から、「自分のことを自分で決められない」性格なのだが、なかなか決断できないようである。
そして、かかりつけ医はからは、「手術した方が良い。昔は開胸手術で大変だったが、今は胸腔鏡手術。手術翌日から歩かされる(リハビリ)から、歩けなることもない」との意見。調剤薬局の薬剤師からも「この状況では、まず手術をお勧めします」との言葉。更に続けて、「手術ができるかどうか、1から検査しますからね。ここからスタートですよ!」だそうだ。
今日(11月15日)の段階でも本人の意志は「手術の方向」で変わりなし。予約した来週(20日(水))は、呼吸器内科受診から呼吸器外科への紹介、という流れとなる。
90歳で手術か~、との思いは消えないが、これが「本人にとって最も負担が小さい」ということであれば、方向性は間違っていないのだろう。「1から検査」とのことだし、手術・完治(するのか?)までにはまだまだ長い道のりが続きそうである。