見出し画像

家族が癌になるということ その4(年内最終回)

 同居している父親(91歳)の話である。(12月12日で、91歳になりました)。

 地元の医大付属病院・呼吸器内科で詳しい検査を受け、結果(肺癌(腺癌・ステージⅠB)が伝えられたのが11月11日。その後、かかりつけ医の定期受診(13日)を経て、「外科の話を聞いた方がいい。手術大丈夫だと思うよ」と励まされ、父親もその気になったのだが、呼吸器外科での診察で、「すんなり手術」とはいかなかった。
 呼吸器外科の医師は、これまでの経過を図解を含めながら明快に整理。手術をする場合の方法やリスクなど、わかりやすく、根拠を示しながら説明してくれた。(その3参照)これを受けて、本人・家族も再度方向性を検討したのだが、何より本人が手術に否定的な方向に傾いていった。再度の受診日(12月4日(水))では、父親本人が「手術はしない、したくない」と明言し、家族も同様の意向であることを医師に伝えた。呼吸器外科の医師は、改めて「呼吸器外科チームとして、手術は勧めない」と述べたうえで「手術をしない選択は、妥当であろう」と締めくくった。

 「手術をしない」と結論が出ると、外科の役割はここまで。改めて呼吸器内科で相談をすることになる。(夕方になったが、この日のうちに呼吸器内科で相談できた。)
 呼吸器内科の医師は、「手術をしない選択であれば、転移が無い今の状態(ステージⅠB)だと、放射線治療を勧める。放射線治療科の先生の話を聞いて、治療の方針等を決めてほしい」とのこと。
 結局、医大付属病院は専門性が高いが故に、各診療科を転々とすることになる。ま、仕方ない。

 放射線治療科の受診は、5日後の12月9日(月)。
 放射線治療となれば、1~2ヶ月の通院治療(市内在住だと、入院は認められない)を覚悟していたのだが、実際の放射線治療開始に話は予想と大きく違った。
 ・『肺の定位放射線治療』を実施したい。
 ・1回あたりの放射線量を大きくして、少ない回数で治療する。
 ・多方面から放射線を患部に集中させる(ピンポイントで腫瘍を叩く)
 ・年内に準備をし、年が明けたら治療に入る。
 ・2週間で、腫瘍を「焼き切る」イメージ
なるほど、わかりやすい。
 この日の相談で、治療の日程・治療方針が固まった。
 治療の期間は、1月7日(火)~1月17日(金)の平日8日間
  ・総線量60.0グレイを予定(照射する放射線総量が決まっているとのこと)
  ・1回の治療にかかる時間は40分ほど(実際の照射時間は5分程度)
  ・毎日問診するが9日(木)と16日(木)は内科的診察も行う。
 治療では、患者が横になっている台の上を、機械が回りながら位置を決めて照射するのだそうだ。この実施のために、改めてCT撮影をし、患者専用の「プラスチック固定具」をつくる必要があるのだそうだ。

プラスチック固定具の見本

 このために、12月18日(水)に再び放射線治療科を受診。段階を踏んで、治療へと向かっていく。(固定具を作った際、身体には目印がつけられる。「自然に消えるのは仕方ないが、ゴシゴシ消さないように」という注意もあった。)

身体につけられた目印

 更に、患者情報に基づく機械の動作・固定具の具合等の確認のため「リハーサル」が必要とのことで、これが12月27日に(金)に決定。
 12月は、何回医大病院に通った(通う)のだろう。
 あと1回行けば、年明けの治療である。
 9月に癌の疑いが指摘されてから約3ヶ月、長かったなぁ。

いいなと思ったら応援しよう!