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東京マルイ 海外製 エアガンの値上げ

今回は商品の値上げについてまとめていこうと思います。
というのもこの話題、私にも責任があるからです。

先日、東京マルイが商品の値上げのアナウンスを行いました。
これを聞いて、値上げに対する不満は確かにあるのですが、同時に自業自得だなとも思っています。

「こんなに値段が高かったら買えないよ」という気持ちはわかるのですが、そもそも私、新品でエアガンを買う習慣がないんですよね。
これが「私にある責任」なんだと思います。

どうすればこの問題は落ち着けるのか、私なりの考えもまとめようと思います。


新品商品が売れない

当たり前のお話ですが、商品が売れなければ利益は上がりません。
利益が上がらないのであれば、商品の値上げは避けられません。

コスパを追求した代償

そりゃあ、安く手に入るに越した事はないと思います。私もカスタムする事が前提なので、ジャンクだったりパーツ単位で調達する事が多いのですが、そもそもそれは「新品で買ってくれた人」がいるからこそなんですよね。

新品で買ってくれる人の数がだんだん少なくなっていって、今回のように商品の値上げや生産終了になるということは、近いうちにヤフオク等の中古市場価格も徐々に上がっていってしまうのは避けられません。今後はおそらく中古でも「値上げ前の新品価格」くらいまで釣り上がると思います。

なぜ新品を買わないのか

これはあくまで私個人の意見ですが、初めからカスタムされていれば買うと思います。私は普段、本体とカスタム込みの総額がおおかた3万円前後です。
別に高価な電子トリガーやモーターを入れている訳ではありません。
更にいうと、私に特別な技術がある訳でもありません。市場に出回っているパーツが既に優秀なだけです。

本体よりカスタムパーツの方が進歩しているから

本体が進歩しない事で、その問題を解決するために多くのショップさんやパーツメーカーさんが解決策を打ち出して30年が経過した今
どうせ弄るんだから、ジャンクで良くね?」となるのは仕方ないと思います。

何が言いたいのかというと、メーカーが新品でそれらのパーツやセッティングで組み上げたものを販売すればいいと思います。

進歩しない本体

例えば、スイッチが信号線になっておらず、ヒューズもついておらず、コネクターがタミヤとか。
お粗末な電子トリガーが非力なモーターにプリコックをかける仕掛けのためにメカボックスが専用形状でスイッチ交換もできず予備の基盤も売ってないとか。
外装が良いのに内部が残念とか、その逆で内部が優秀なのに外装が割れやすい樹脂製とか。

なぜかわかりませんが「あからさまな欠点」を残したままで「新品です!」と世に出てくるのが本当に残念です。

最近、海外勢がトドメを刺しに来た

名指しで言うと、EMG・KingArms やクライタックの電動ガンがかなり攻めてるなと思います。
メタルフレームにGATE ASTERを実装してレスポンスと耐久性を上げて来ています。正直ここまでのレベルになると、カスタムする必要がありません。

価格を見ても、クライタックは7万円から10万円と高価ですが、KingArmsは6万円からになります。これって次世代電動ガンと同じくらいの価格帯なので、国内勢はさらに競争に不利になる事が予想されます。

競争が不利になると言うことは、またさらなる値上げやラインナップの縮小が起こる可能性が高いです。


ここから先は余談になります。

国内勢は自身の強みを活かしきれていない

今思えばと言うお話になりますが、90〜00年代初頭、まだ次世代電動ガンが世に出る前になりますが、強みを活かしきれていた時期がありました。東京マルイスタンダード電動ガン全盛期です。

これは「海外製が良くなって来たから云々」と言うお話ではなくて、注目すべきは当時の流通体系ではないか?と言うお話です。

現状の流通体系は、本体もカスタムパーツもほぼ海外から輸入され、国内で販売されいています。さらに、ショップさんがそれぞれの商品開発・調達ルートを持っており、消費者から見るとかなり複雑怪奇です。
これは同時に、世界の景気や製造メーカーの方針に左右されやすく、安定した調達が難しくなるリスクが大きいと言う問題を抱えざるを得ません。

一方で90〜00年代初頭は、本体もカスタムパーツもほぼ国内生産です。具体的に言えば「東京マルイ」が一つの規格となっており、ショップさん、パーツメーカーさんも「東京マルイに対応した商品」を展開します。つまり、この時点で2 つの強みがあった訳です。
ひとつは生産が国内で行われる事で、販売・カスタム・修理をどのショップさんでも取り扱いでき、手に入りやすく永く使用しやすい事です。
もうひとつは、国内のどのパーツメーカーのモノを組み込んでも使用できる事です。

じゃあなんで衰退したの?と言うお話ですが、この流通体系をアップグレードしなかったからだと思います。この流通体系、まだ健在ではあります。

特にガスブローバック、固定ガス、エアーコッキングにおいては、精度、パーツのバリエーションにおいてまだ国内勢の流通体系は勝っていると思います。
しかし大元の東京マルイスタンダード電動ガンが商品のアップグレードをせず、次世代電動ガンという別の規格を打ち出した事で結果的にスタンダードに対応したショップさん、パーツメーカーさんの製造体制に打撃を与えてしまったため陳腐化したのではないでしょうか。

確かに次世代電動ガンは良い品です。ですが、サイクルやレスポンスを上げるためにノウハウを蓄積したショップさんや、パーツメーカーさんを置き去りにした結果を招いたのも事実だと思います。これが時間と共に社外品のスタンダードM4用メタルフレームが廃盤になったり、AK用のマウントベースが廃盤になったり、ギアが安い海外製に取って代わられたりといったように、徐々に蝕んでいったのだと思います。
電動ガンプラスシリーズをリリースしても、フレームやアウターバレルの企画が独自企画になっている為、根本的な解決に繋がりきれていない感は拭えないと思います。

幸いなことに、まだ東京マルイ、ショップさん、パーツメーカーさんは健在です。特に電動ガンに関して言えば、東京マルイ、ショップさん、パーツメーカーさん全員で話し合って「全員が弄りやすく育てやすい電動ガン」を作り、もう一度国内の流通体系による強みを活かす事ができれば、少しは状況が変わるかもしれません。

過去にお客様の要望に応えても売れなかったという事があったそうですが、全員で話し合って規格化させると言う試みは無いので、エアガン界隈だけでなく、今後の国内の製造業にも関わる問題だと思います。




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