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大学と学費

おはようございます。やっと晴れましたね。
食材配送のギフトで頂いた梅の枝。
ちっちゃな蕾の赤ちゃんまでは出ていたのですが、その後、芽吹くことなく
シワシワのおばあちゃん枝になってしまいました。残念!

でも、おかげで自然は人の思うようにはならない摂理を間近で学べ、近所の桜の木が何となく色づき始めた事がいかにすごい事なのかを知ることができました。

さて、アメリカから素晴らしいニュース。
アルバート・アインシュタイン医科大学(NY)で在在学中の学生、さらには今後入学して来る学生全ての今後の授業料が無料になると発表された。

ルース・ゴテスマン博士(元教授・現理事長)が大学に10億ドル(約1500億円)を寄付したことにより全学生の年間約6万ドル(約900万円)の学費が半永久的に無償化されたのだ。

博士(93歳)のお連れ合いが著名な投資家の持ち株会社に早くから投資されていたそうで、2022年に他界された際、その株を全て相続された博士が長年勤められた大学にその資産10億ドル(約1500億円)を授業料として寄付されたのだ。

さらに凄いのは、その総額の4〜5%で毎年全学生の授業料が賄えること。残額の利息や投資で利益が出ることから半永久的に学費が支払い続ける事ができる仕組みになっていることだ。今現在の合格率3〜4%なので今回の授業料無償化で今後さらに競争率が高まる。

この20年インフレ率の凄いアメリカにおいて高額で有名なのが家・医療・そして大学の学費だ。

私達が渡米した2000年初頭、日系のドクターに「子ども一人、家一軒だからね。頑張って。」と言われた。「そんな、オーバーな。」と思っていたけど本当にそうなった。卒業時にウン千万円単位のローンを抱えた学生がほとんどだ。就職の段階で借金があるか、無いか。既に大きい差が生じている。

アジア系のご両親はネームバリューで大学を選ぶ傾向がある。しかし、現地の教育カウンセラーさんが口酸っぱくおっしゃったのは「その子の適正、進みたい方向、学びたい先生、やりたい事、がその大学にあるかどうか。」が一番大事だそうだ。

競争は高校の時から始まっている。公立学校のカウンセラーさんはお一人で200人以上の生徒達を担当されているので、一人15分程の面談しか枠がない。そんな短時間でロクな進学の相談など出来る訳もなく、お金があるご家庭はプライベートの教育カウンセラーさんと契約する。彼(女)達の情報網は全米どころか世界規模だ。

高校のジュニア(3年生)、シニア(4年生)前の夏休み中には様々な大学で高校生向けのプログラムが組まれ、寮生活をしながら学ぶというプリカレッジ体験ができる。そこで優秀な成績を収めると、入学金や学費の奨学金がオファーされる。

他にも様々な公私にわたる奨学金が用意されているが、評価対象は成績や作品、エッセイはもちろんの事、部活動への所属やその結果、全国模試の結果、教会やコミュニティーでのボランティア参加率やその貢献度、学校委員会へ所属や成し遂げたプロジェクトの質、ドクターや教師、牧師、バイト雇用主、コミュニティー責任者からの推薦状、など多岐にわたる。

大学側が望むのは以下の通り。

今現在(受験時)、原石として粗くとも何かをその内に秘めている魅力がある学生。今後磨いていけば(在学中)、必ずその内に秘めた何かが育ち輝き始め、そして今後(卒業後)、その光を大学、社会、ひいてはアメリカや世界に貢献(還元)できる学生だ。

年齢、性別、人種、生まれや出身国は関係ない。

これは学費だけについての話だ。ダブルメジャー(専門科目が2科目)の学生さんもいれば、寮費、家賃、生活費、移動費、研究材料費、交際費は別。親のダブルワーク、トリプルワーク、本人のダブルバイトはザラだ。

お医者を志す学生が、大学に進学し、医学部への進学を決め、専攻を決め大学院生となり、全米のさまざまな医大で(空きがあって優秀であれば)研修生として学び、レジデントを目指すのには膨大な時間と労力と努力とお金が掛かるのだ。

それだけに、今回のアインシュタイン医科大学の学費免除のニュースをアナウンスされた学生さん達が会場で雄叫びをあげ、仲間と抱き合って涙して、速攻(学費を助けてくれている)親に電話で吉報を知らせていた気持ちが本当によく分かる。

世界中の若者たちが大志を抱いた時、様々な形でサポートできる大人が世界にもっと増えるといいなあ。私もかく(このように)ありたいなぁ、と心から思えたニュースだった。

この春、ご卒業された皆様、よく頑張られましたね。本当におめでとう!




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