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ベナン人の生活と豊かさ

これから協力隊活動を行う任地で、二泊三日のホームステイをしてきた。
派遣されるのは経済首都コトヌーから車で1時間ちょっとのアラダ市。街の中心地から徒歩30分くらいのお宅にお世話になった。

お父さんとお母さんはどちらも校長先生。5歳から18歳までの6人の子どもがいる大家族。ベナンでは珍しくないのかもしれないが。

お父さんお母さんはとてもよくもてなしてくれて、子どもたちも私を受け入れてくれて、いろいろな話をしたり遊びをしたりと、楽しい時間を過ごした。

また、石の板と石の綿棒みたいなもので食材をすりつぶしたり、木の枝みたいなほうきで掃除をしたり、アフリカの文化を目の当たりにする貴重な経験もできた。

石の調理器具で食材をすりつぶす


そんな中で気になることがあった。
それは、「豊かさ」についてのこと。

このお宅は、テレビがあるし、日本円で約125万円で購入したという車もある。
日本のように一汁三菜とはいかなくても野菜や肉がしっかり入ったご飯が出たし、ビスケットなどのお菓子もよく食べる。
そもそもホームステイを受け入れるくらいだから、割と裕福な家庭なんじゃないかと思う。

だけど、冷蔵庫がないから冷たい飲み物を飲むために氷をその都度買ってくるし、水道がないからバケツに汲んだ水で体を洗ったり、炊事をしたりする。

彼らは貧しいゆえに、冷蔵庫や水道の水を使えないのだろうか。それとも、電機や水の供給が不安定な中で合理的に選択しているのだろうか。はたまた、こうした生活が当たり前で必要性を感じていないのだろうか。

そして、ホストマザーに休日は何するの?と聞くと、「家事か、寝るか、副業をする」と言っていた。副業をしていることに驚いたが、ホストマザーの言い方は、娯楽がないから楽しみの一つとして副業をするというように聞こえた。
土曜日、中学生の娘に「今日は学校休みだけど何するの?」と聞いたら「洗濯」と言っていた。

お金を稼ぐために副業をし、洗濯機が買えないから休日を手洗いの洗濯に費やすのだろうか。それとも、娯楽がないから、余った時間を有効に使っているのだろうか。

こんなふうに、お金と時間の使い方に驚かされるベナン人の生活。
豊かさとは?と改めて考えさせられる。

どちらにしても、中学生の子の休日にやることが「洗濯」というのは少し寂しい気がした。
これも一方的な価値観の押し付けなのかもしれないが。

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