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*あの旅のあの味3-1 幻のダウロ(パキスタン)
いろんな土地でいろんなものを飲んだり食べたりしたけれど、あれはなんだったのか?という謎の一杯、謎の一皿もいくつかある。
例えばパキスタンで。
中国から国境を越えて北西部に入国し、少しずつ南下してカリマバード。ゲストハウス近くの小さな食堂でよく食事をした。ほぼ毎回注文したのが、メニューにはDaudoと書いてあるけど「ダウロ」と聞こえる、なんというか、穴のないマカロニみたいなのが入った、とろみのあるカレースープである。
小ぶりのスープカップによそわれ、さほど辛くなく、マカロニ(のようなもの)の量が絶妙で適度に満腹になる。
中国には麺があるけどインドには無い。間のパキスタンには短い麺があるのだろうか。或いは新疆のウイグル人がラグメンを(食べやすいように短くして)広めたのだろうか。などと考えながら、ダウロ、大好きだった。
ところが、カリマバードから南下してギルギットに入るとダウロを見なくなった。食堂にはチャパティと、豆か芋のカレーばかり。そうか、ダウロはカリマバードにしか無いのか。
シャンドール峠を越えるルートでさらに南下して、チトラール、ペシャワールを廻ってイスラマバードの近く、ラワールピンディに辿り着いた頃にはダウロのことを忘れていた。
それが!
一旦南下して、今度は北東部スカルドゥへ、V字北上したときのこと。
スカルドゥの市場をうろうろして小さな食堂へ入ると、壁に、Daudoと書いて
ある。ダウド、いや、ダウロ!ダウロがある!
注文すると、ああ、カリマバードで食べていたマカロニカレースープ、ダウロでなのであった。
カリマバードから遠く離れたスカルドゥで再会できるとは。
北パキスタンには、ダウロ緯度があるのだろうか。わからない。