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76 郷愁タビゴハン④インドのカリー以外篇

 インドのカリーについては以前ちらっと書いたことがある。

 なので、今回はカリー以外。
 とすると、まずワダ。お豆の粉をこねて揚げたのがワダ、南インド生まれ。食感は、ひろうす(関東ではがんもどきと呼ぶのかも)、に近いけど、もっとふわふわで、とりわけマドゥライのワダが美味しい
 屋台で、日陰を探すのももどかしく、汗だくで揚げたてをはふはふ齧る幸せ。

調理中。
できました。

 そんな道端の揚げたてには敵わないが、小洒落た店内で提供されるワダも十分いける。
 マドゥライ駅近くのコーヒーショップでは、添えられココナッツチャットニが、なんというか、大変洗練されていた。もっと沢山欲しかったけど、お代わり自由の定食屋と違って、ここのチャットニは追加不可でした。

奥の2個がワダ、白いのがココナッツチャットニ。
手前の黄色はハルワー(甘い)。

 それにしてもインドの歩道は揚げ物屋天国である。バナナ、キャッサバ、グリーンチリ、サモサ、何か粉物・・・。おしなべてどれも旨い。油の魔力。

よく火を通せばお腹も安心。

 
 それから、南インドで忘れ難いのは、コヴァーラムビーチのレストラン、LEOのベジタブルビリヤーニ
 ビリヤーニは炊き込みご飯。ムスリムやノンベジに好まれるマトン入りやチキン入りが多いけれど、ベジタリアンの多い南部は野菜だけのも充実している。
 LEOでは、トマト、玉ねぎ、ピーマン、カシューナッツ、パイナップル、レーズン、各種ホールスパイスと具沢山で、家ではなかなか真似できない味。
 ビーチ沿いのレストランにしては比較的安価で、スタッフがフレンドリー。外国人相手の店は辛さを控えがちだから、「スパイシー、プリーズ」と言っておく。と、次回から何を頼んでも「more spicy?」ってにこにこ、常にチリ大サービスで作ってくれるようになった。フィッシュカリーもひじょうに美味。

 さて、それでは北上してダージリン。
 ABC RESTAURANT のトマトスープ。
 9月末から10月にかけてのダージリンは、湿気が多いのにすごく寒かった。低温多湿という未体験の環境に震えながら、温かい食べ物を求めて坂道ばかりの町をさまよう。で、イケそう、と直感で入った店のトマトスープが、やはり大当たりだった。が、翌日、あれ?なんかちょっと違う・・・。
 基本的にはトマトだが、毎回微妙に異なるバクチ・スープなのだった。マサラ汁か、みたいな日もあったけど、それはそれで不味くはないから不思議。

 そして、コルカタ。
 コルカタは安くて美味しいものが盛りだくさん。カリー以外でいちばん気に入ったのはサダル・ストリートの路地のチャイ屋の、バタートースト。

バナナの下にトーストの仙人。

 屋台とも呼び難い、建物の側面に張り付いた路面店。ここで毎朝チャイとトーストを注文。イギリス食パン(小型の薄いやつね)を炭火で炙って、バターを塗っただけだが絶妙に旨い。
 ある朝、トースト係(写真真ん中、上半身裸)は、バター缶の最後のバターを指で丁寧に掬い取ってわたしのトーストになすりつけていた。そうやね、食べ物は大事にせなあかんね。

 コルカタならばもうひとつ、博物館前の屋台のフルーツサラダ。

さわやか〜

 好みのフルーツをさくさく切って葉っぱのお皿に盛ってくれる好青年ズ。
 ミックスを勧められたのでおまかせで作ってもらった、山盛りフルーツサラダ、新鮮、幸せ。インドの果物は野生味があって本当に美味しい。 
 コヴァーラムビーチでは、あくどい、いや商売上手なおばちゃん達がひと皿200ルピーとか300ルピーとか言うて外国人に売りつけてくるが、ここではきちんと20~30ルピー。まっとうに生きることの瑞々しさよ。

 ああ、インドのカリー以外に旨いもの、まだまだあるけどキリがないのでまたの機会に。
 次の郷愁へつづく。


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