【S14~35最高ランク到達】覇王型リリスコントロールについて
■はじめに
【覇王型リリスコントロール】でseason11と12,14~35で最高ランクに到達できました。
season11~25までは【命削りリリスコントロール】と自称し、『《命削りの宝札》を最大限強く通すには?』をテーマに据えた【命削りの宝札・覇王龍の魂採用リリスコントロール】だったのですが、season25で命削りが禁止となり、以降は【覇王型】を自称しています。大前提として、【覇王型】はあくまで【リリスコントロール】の傍流であり、それを無理やりリペアしながら使い続けているに過ぎません。
この記事は予定ではseason19時にはアップするはずだったのですが、私生活が忙しく(私生活ってなんだよ)、season35まで伸びに伸びました。
さらにseason36ではデッキの結構な生命線だった《金満で謙虚な壺》の禁止も決定。その後に待ち構える【デモンスミス】実装など、そろそろマスター1到達も危ういかなという状態です。
この先はまだ分かりませんが、勝ててる内にデッキを紹介し、少しでもこのデッキを使ってくれるプレイヤーを増やしたく、11月のうちにこの記事をまとめました。浅いなりに、自分のこれまで得たもののほとんどを詰め込みました。少しでもあなたの有益になることがあれば幸いです。
今後も環境で生き残らせたい(マスター1到達可能以上の強度を保ち続けたい)のため、多くの方に読んで頂きたくメインカード解説以降は拡散頂けたら無料という形にしました。雑文になりますが、何卒。
■成り立ち
season9前後【リリスコントロール】の《同胞の絆》型の調整で行き詰った際《身代わりの闇》+《彼岸の悪鬼 スカラマリオン》の組み合わせを見つけて下さった方がおり、それを軸にメタビート調にデッキ調整したのがはじまりです。
当時流行っていた《D-HERO デストロイフェニックスガイ》や《ハーピィの羽箒》を《身代わりの闇》無効にした上で《彼岸の悪鬼 スカラマリオン》の効果で《悪魔嬢リリス》を直接サーチすることができ、非常に画期的なプランでした。
この構築でDⅭカップの予選を突破できた成功体験と、MDでの遊戯王復帰前から追っている、あるメタビプレイヤーへの偏愛(厄介ファン的敬愛)から《命削りの宝札》を擦り続けていました。
リリスコントロール+《命削りの宝札》組み合わせ自体は先駆者様が多くおられます。特にOCGの優勝報告で《天獄の王》《キャッチ・コピー》《リターナブル・瓶》などを入れた構築があり、見つけた当時は《天獄の王》の扱いがわからず、season11近くまで不採用だったのですが、現在はその方の使い方に近づけたのではと勝手に思っております(そのレシピがどうしても見つけられないため、見つけられた方ご一報頂けると幸いです)。
■覇王型リリスコントロールとは
□定義と特徴
定義として《闇黒世界‐シャドウディストピア》と《悪魔嬢リリス》のコンボを軸にした【リリスコントロール】に《覇王龍の魂》を採用し、コントロールと高打点によるワンショットキルを両立させるデッキです。
コントロールデッキの打点不足により往復ターン数がかかり相手に解決札を引かれて相手に捲られてしまうという弱点を、可能な限り短いターンでキーパツを集めワンショットキルすることで補います。
また《悪魔嬢リリス》に対するテーマサポートが希薄であることから、このカードや《闇黒世界‐シャドウディストピア》に依存することなく、それぞれのカード毎の組み合わせ、もしくは単体で戦えるように構築しています。
さらに《命削りの宝札》を採用していた名残りで手札誘発を採用せず、単体のカードの質を高めているのも特徴です。後手の際も相手の展開は素通しし、6枚の手札をフルに使い捲りを目指します。
□強み
ライフカットが早い
《天獄の王》《覇王龍の魂》《超融合》などの採用により高打点が並び易くワンショットキルに長けています。
カード1枚ごとの効果が強い
可能な限り単体発動できて、組み合わせるとさらに強いカード群で構築しています。永続罠や《超融合》での捲りも可能で後攻も悲観するほど勝てなくありません。
ライフカットとロックを両立できる
《スキルドレイン》《暗闇を吸い込むマジックミラー》の効果無効や、各種永続罠とこちらの採用する大型モンスターが共存できるため、ロックを仕掛けた次のターンに決着することもザラです。ターンをかけずに仕留めることでロックを崩される心配が減ります。やってることは【スキドレバルバ】とか【次元エアトス】。
ネクロバレー、魔デッキのメイン採用
この2枚が環境に対していつまでも強く、またこのデッキでアクセス手段が豊富で、ほぼ毎デュエル発動することができます。
スキルドレインと暗闇を吸い込むマジックミラー
《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》と《闇黒世界-シャドウ・ディストピア》の組み合わせは、相手にプレイの余地を与えず勝利しやすいです。行動できなければ、相手は勝ちようがありません。実質《スキルドレイン》4枚採用かつ、その制約をすり抜ける構築をしているので、先行で成立すれば高い勝率を実現します。
ロングゲームに耐える
サーチカードが少なく、再現性が低いデッキですが、代わりに1枚あたりのカードパワーが高いため、トップ合戦時には優勢になりやすいです。仮に後手捲りで全ての手札を使ってしまっても、場に残った永続罠を盾に泥試合に持ち込み勝利しやすいです。例えば、対【斬機】の後手は《超階乗》を乗り越えさえすればEXデッキを使い果たした相手にそのような展開になりやすいです。こちらは10~15ターン前後のターン数も余裕を持ってプレイできます。
EXデッキの拡張性が高い
リンク召喚を戦術に組み込む必要がないためEXデッキに大幅に余裕があります。空いた枠にはピンポイントな《超融合》要員を多く採用でき、メタの幅を広く見ることができます。
使用プレイヤーが非常に少なく情報がない
有難いことに一部のプレイヤーに使用して頂けたこともありますが、【リリスコントロール】自体の人口が少ない中、さらに同一の型を通期で使用しているプレイヤーは最早絶無です。相手に対戦経験がない中、こちらの相手はほとんど環境デッキとなるため情報・対戦経験が豊富です。対策知識の極端な非対称性はブラフの通しやすさや、相手のプレイミスの呼び水にもなり、時にはカードのプレイ以上に大きな効果をもたらします。
□弱み
手札誘発を積まない(積み難い)
手札誘発を採用しないことで初手の質を高める一方、後手時は相手の展開がなすがまま。たとえばループワンキルの【図書館エクゾ】、【大逆転クイズ】などには滅法弱いです。これらの極端なデッキへの対処は諦め、他の環境デッキに手札誘発が積まれることから、環境からの自然淘汰を期待します。この悩みは淘汰が進んだ上位帯に行けば行くほど解消できます。
後手初手次第で詰む盤面が出てくる
完全に展開された時にほぼ詰みのデッキが幾つかあります。規制後の【ティアラメンツ】でも《ナチュル・ビースト》+《FAライトニングマスター》+α、【焔聖騎士】の最終展開など。手札誘発があっても貫通されるんだから誤差。ただし《超融合》が引けていれば多少は楽になります。
デュエル毎の再現性が低い
1枚初動でデッキ内の各ギミックに触れていくようなデッキではないため、各初手毎にゲームプランを立てる必要が出てきます。極端な話、《闇黒世界-シャドウディストピア》を見せずに勝ってしまうゲームもあり、またそれでも勝てるような構築(カード間にシナジーはあるが、お互いに依存しない構築)を目指しているので、環境に慣れるまで勝ち辛いです。
□R.I.P【命削りリリス】の定義
※以下の内容は《命削りの宝札》が準制限だった頃に書きとめたものです。
こう書くと大仰ですが、端的に言うと「《命削りの宝札》の採用を前提とした【リリスコントロール】」です。
《命削りの宝札》を採用するに当たり、まずそのデメリットを理解する必要があります。
《命削の宝札/Card of Demise》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。 (1):自分は手札が3枚になるようにデッキからドローする。 このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。 このターンのエンドフェイズに、自分の手札を全て墓地へ送る。
3枚という異常な枚数をドローできる代わりに、戦闘効果ダメージ無効、特殊召喚不可、そしてをターンを跨いでの手札の保持ができないという強烈なデメリットがあります。
そのため3枚ドローを十全に活かすには、
・自分のターン中に特殊召喚せず、
・手札誘発を保持せず、
・発動前に手札を空にできる
=手札にモンスター(召喚権)がだぶつかないような構築
と、一見現代にそぐわない三重苦が課せられます。
これを自然に満たすデッキで代表的なのは【神碑】や【メタビート】など。
少モンスター数、強力な魔法罠を兼ね備え、《強欲な壺》以上の働きをしたためMDでは徐々に規制が強まっていきました(season13⇒準制限、season26⇒禁止)。
また手札が墓地に行っても問題なく相手ターン中にモンスター展開と妨害が可能な【ラビュリンス】、【エルドリッチ】でも採用が見られました。
【リリスコントロール】ではどうだったのかと言うと、
・特殊召喚による展開を行わない構築が可能
・召喚権を《悪魔嬢リリス》に絞ることができる
(《悪王アフリマ》は自身の効果で手札から処理できる)
・罠カードによる制圧と捲りを主戦力にできる
と、適性がありました。
加えて特定カテゴリに属さないデッキのため、出張ギミックを取り入れない限りほぼ素引きによってデッキを掘り進めなければならず、特殊召喚を諦めてでもドローカードが欲しかったという事情もありました。
season11の最高ランク到達時には以下のような構築理念を掲げました。
season9から《命削りの宝札》を採用し、season11での《覇王龍の魂》の登場、この2枚のカードパワーにより自身初の最高ランク到達を達成しました。が、season13では《命削りの宝札》が準制限になり、構築もまとまらず未達。そこでseason14以降は《命削りの宝札》を前提としつつも、依存しない「引けたら上振れ」かつ「デッキ内のギミックに入れ込む」構築を目指して調整を続けていきました(ギミックについては《命削りの宝札》や《天獄の王》の項を参照)。
その結果、
・手札誘発を必要とせず、
・展開をせず、
・後攻でもある程度戦える
意外となんとかなるデッキが出来上がりました。
「なんとかなる」の部分はseason14~26での最高ランク到達で許してもらうとして、この3点が環境に対して、
・手札誘発メタが効かない
・モンスター効果メタが効かない
・知らん罠や永続と《超融合》で荒らされる
と、相手にとってはやり辛い、このデッキ独特の強みとなりました。
そしてこの強みは有難いことに《命削りの宝札》が禁止後も持続し、season26でも最高ランクに到達することができました。やったね。
《命削りの宝札》が無くても勝てることがわかった以上、もともと必要なかったのではないか(捲れるカードの枚数を増やしていけばもっと早い時期に抜けていたのでは?)という疑問もあると思います。
ですが、現在の構築に辿り着けたのは《命削りの宝札》の採用に拘り続けた結果であり、また得られた強みはもう少しの間は環境に通用すると考えています。だから《命削りの宝札》が構築に影響を残し続ける以上、やはりこのデッキは【命削りリリス】なのです。
長々書きましたが、詰まるところ縛りプレイに過ぎないので、もしコピーして使って頂ける際は自由にレシピの改変をしてください。誘発を積んだ際の構築や動きを自分は未開拓のため、ぜひ切り開いてください。無言RTさせて頂きます(私のRTに他意はありません。単に人へのフランクな話しかけ方がわからないため、純粋なリスペクトを込めてRTしています)。
■代表的な3つのデッキレシピ
《命削りの宝札》入りの最終構築、禁止後に現在の基盤となった構築、そして最新の構築を掲載します。
特に命削り禁止後のレシピは炎王登場までのRaceスネークアイ環境に対して相性が良く3~4シーズンはメインデッキの構築を変えずに戦うことができました(喜ばしいことにこの時期に【リリスコントロール】で毎日CSを優勝するプレイヤーも現れました)。炎王登場後もこのデッキを元に調整しながら戦い続けています。
●《命削りの宝札》入り最終構築(season25時点)
●《命削り宝札》なし基盤構築
●最新構築(2024.10.21 season34時点)
■解説用デッキレシピ
season26の構築を踏まえ、環境に寄せず丸く組んだ場合の最新構築は以下の通りです。便宜上、各カード解説もこのレシピを基準に解説します。
■あらためて構築思想
season11に初めて最高ランクに到達した際の記事で言語化したコンセプトです。
1番についてはこのデッキを【リリスコントロール】たらしめる要素です。《悪魔嬢リリス》+《闇黒世界‐シャドウディストピア》のコンボでアドバンテージ差をつけていくのが1つの目的ではあります。
ただし、先行初手や後手1ターン目にこの組み合わせを確実に用意するのは難しいです。特に《悪魔嬢リリス》が絶妙にサーチし辛く、また限られたサーチ手段、《同胞の絆》《スモールワールド》なども妨害を踏みやすく、また後手での捲りに使いづらいです。
そこで2番では初手での《悪魔嬢リリス》+《闇黒世界‐シャドウディストピア》の成立と維持を放棄しても勝てるように構築することを掲げています。必要条件でなく十分条件として採用し、無くても凌げるが引けていればさらに強いシナジーが生まれる構築を目指しています。
3番について。まずこのデッキは非常に足の遅いデッキです。テーマ間のサーチカードがなく、ほとんど素引きしたカードで戦っていくことになります。そのため、このデッキにおける《命削りの宝札》は通ったら強いカードではなく、環境デッキとのアドバンテージの差を埋めるために絶対に通さなければならないカードです。このカードの通すためのプランを用意し、また引くカードの質を上げるために構築とプレイを考慮しています。
4番については、どんなに強固な盤面を築けていてもトップされた《ハーピィの羽箒》や《拮抗勝負》で負ける可能性があるため、盤面の制圧後2~3ターン以内には決着させるという考えです。このデッキでは後手1ターン目に出せる最大火力が《悪王アフリマ》+《天獄の王》の4700+《超融合》程度で妨害を踏み越えての1ターンキルが現実的ではありません。代わりに《覇王龍の魂》を《悪魔嬢リリス》《トラップトリック》で集めることができるので《覇王龍ズァーク》を出力してキルターンを短くします。
デッキ枚数
デッキ枚数は現状40枚が最適だと考えています。理由は2つあります。
素引きに頼らざるを得ない以上無駄なカードを減らし少しでも確率を上げるのが1つ。
もう1つは相手にデッキを悟らせないためです。
環境のデッキ枚数は40枚から60枚までと幅があり、デッキ枚数でのカテゴリ判断が難しくなってきています。そのおかげでこのデッキも後攻1ターン目まで情報を漏らしにくくなります。
独自構築の強みは相手がこちらを知らないことに尽きると思うので、対戦中情報は隠せるだけ隠します。
モンスター
⚫︎《命削りの宝札》規制前
《悪魔嬢リリス》と《悪王アフリマ》、そして《天獄の王》。
season11からこの3枚以外モンスターはほとんど入れません。
《命削りの宝札》を最大枚数引くため、手札のカードを全てフィールドに置いたりして消費しなければならないのですが、その内モンスターは召喚権か誘発、コストでしか消費できません。《命削りの宝札》の制約により特殊召喚も行えないので枚数を絞る必要があります。
このデッキの場合《悪魔嬢リリス》に召喚権を使用し《悪王アフリマ》は《闇黒世界‐シャドウディストピア》に変換して消費していきます。
《天獄の王》は上記の前提と矛盾していますが、別の役割のために入れています。詳細は各カード項目にて。
手札誘発についても上記の理由により、先行で任意に消費できないため不採用としています。唯一任意で発動できる《増殖するG》1~2枚であれば許容できるのですが、先行時に引いた時は単に手札が-1となるのを嫌い現在は採用していません。
⚫︎規制後
《天獄の王》を1枚追加し、キーカードに触れやすくしました。今のところ手札誘発の増量は考えておりませんが、これは自分のこだわりによるところが大きいので、大いに検討が必要な箇所です。
魔法
⚫︎規制前
《闇黒世界‐シャドウディストピア》《命削りの宝札》《強欲で謙虚な壺》《金満で謙虚な壺》が確定で他はシーズン毎に入れ替えています。
season19では《覇王龍の魂》とのコンボや《トラップトリック》のデメリットを補うため速攻魔法を多く採用していました。
環境によって《次元の裂け目》や《王家の眠る谷‐ネクロバレー》など置物も採用しますが、基本的には罠や《命削りの宝札》のために手札を伏せるスペースを確保できるよう単発消費のカードを採用していました。
⚫︎規制後
《強欲で謙虚な壺》まで規制となり、特に壺2種を切る際は慎重なうららチェックが必要になりました。また《命削りの宝札》によるトップ解決も消滅したため、死に際の逆転勝ちも起こらなくなり(そうならないよう立ち回るのが理想ですが)、詰み状況からのサレンダーが増えました。
通常罠
通常罠を採用する基準は、
・発動した時点でゲームをコントロールでき、
・複数枚引いても腐りにくく、
・単体~2枚以内の組み合わせで仕事する。
この3つです。コンボカードを避けパワーカードを採用しましょうということ。パワーカードでコンボした方が強いです。
《覇王龍の魂》はその点でわかりやすく、
・4000打点のフィニッシャーを用意できる
・魔法発動の抑制
・《月の書》での全体破壊コンボ
・の特殊召喚によるリーサル
と、かなりハイスペックなカードでseason11以降はデッキの根幹を担っています。
永続罠
毎シーズン必ず入れています。使い減りせず1枚で捲れる可能性があるので重宝します。
特に《スキルドレイン》と《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》で効果無効4枚投入できるのはこのデッキ独自の強みと言えます。永続罠自体がこのデッキの《天獄の王》とのシナジーが大きいのですが、これも各カード解説にて。
《暗闇を吸い込むマジック・ミラー》は前述の通りコンボを前提としたカードであるため、《拮抗勝負》で捲られ機能不全に陥ります。それ以外の永続罠、《スキルドレイン》や《群雄割拠》などは単体で機能するため《拮抗勝負》後にも妨害を残すことができますので常に採用候補に挙がります。
《御前試合》は+《闇黒世界‐シャドウディストピア》でロックを強固に。
《群雄割拠》下でも、アタッカーを《魔のデッキ破壊ウイルス》でコストにして場を空ければ手札の《天獄の王》や伏せの《覇王龍の魂》から追撃ができます。
《センサー万別》を採用している場合は悪魔・ドラゴン・岩石・《超融合》からの植物族(《捕食植物ドラゴスタぺリア》や《捕食植物トリフィオヴェルトゥム》)など多種族で火力を取ることができます。
■ざっくり戦い方
□先行
このデッキの先行初手はおよそ以下のA〜Eに振り分けられ、サーチカードがあれば可能な限りAを目指し、またA〜Cが複合した盤面になるよう整えていきます。
A.ディストピア(メタバース)+暗闇ミラー+トラップトリック+α
Aの盤面完成後、環境のほとんどのデッキは機能停止を起こします。完成後は残りの手札でクロックを刻むか天獄の王や覇王龍の魂、超融合を集めてワンショットキルを狙うかを選択しながらターンを進めていきます。どちらにせよロックを崩されるまでに可能な限り小ターン数での決着を狙います。
対烙印・ラビュリンス相手にはここからさらにメタバースからの後出しネクロバレーで完封を目指しましょう。
トラップトリックがあればメタバースのほかに魔のデッキ破壊ウイルスを選択でき、相手の手札誘発を根こそぎ捨てさせるほか、相手の手札が3ターン確認できるので行動の安定性が高まります。
B.メタバース(トラップトリック)+永続罠(暗闇ミラー以外)
Bの盤面は永続罠+ディストピアorネクロバレーでロックを目指すパターンです。ディストピア+御前試合、ネクロバレー+スキルドレイン・群雄割拠など。対烙印・ラビュリンスには強度が下がりますが、ほかの展開デッキには充分勝利を狙えます。
C.永続罠+妨害
D.単発妨害のみ
E.事故(非アクティブなカード3枚以上)
C以下から強度に不安がでてきます。
Cの場合は例えば群雄割拠・御前試合+αだとラビュリンスがすり抜けてきます。D以下は妨害の切り方がよりシビアになりますが、ターンが返ってくるように最善を尽くします。Eの例に挙げた画像のでもアフリマNSからの自身リリースドローからネクロバレー+αで返せれば、まだ芽はあります。
□後攻
手札誘発を積んでいないので、相手の先行展開はなすがままです。現環境の後手は見えている妨害(+うららくらい)を踏みぬくしかないので、手札を見ながら捲ったあとのゴールを決めます。例えば対【スプライト】であれば《魔のデッキ破壊ウイルス》が通れば盤面を返せるか、対【ティアラメンツ】であれば最後は《王家の眠る谷‐ネクロバレー》で蓋だな、など。そこに行き着くために何に妨害を切らせ、どれなら重要度が低い(と思わせられる)から素通しできそうだなど詰めていきます。
例を挙げると、対面《フルールド・バロネス》の際、一手目で《闇黒世界-シャドウディストピア》を発動するのと、先にカードを2枚伏せてから発動するのでは相手の反応に差が出ます。初手ノータイムで発動すれば「囮だな」とスルーする相手もいますし、2枚伏せてから発動すれば「エンドフェイズに入る前にコンボのキーカードを発動したな」とマストカウンターだと思って無効にする人もいます。実際はカードをセットしたからといってフェイズを移行する必要もないですし、セットした速攻魔法以外の魔法はそのターン中でも発動可能です。各行動の思考時間も自由です。カードの発動順だけでなく、こうしたところで揺さぶりをかけながら目当てのカード通しにいきます。数値化しにくい部分なので、慣れるまで(慣れても)難しいです。こういったブラフは『嘘喰い』や『餓狼伝』が詳しいのでぜひ読んでください。私もできているとは言いがたいですが、理由づけして行動することでリプレイを見返す時に助けになります。
またそれでも、後攻捲りはできないときはできません。ここは後手特化デッキではないため割り切る必要があります。どのデッキでもそうだと思いますが後手を嫌うならでも後攻に強いカードを積むか先行でも使えるカードを積む、それかカードの切り方を覚えるしかありません。
実戦してみて、負けたらリプレイを見返して、プレイミスを検討します。今の環境の先行制圧はほぼ盤面上の見えているカードだけなので、検討は容易です。自分のミスだけでも、妨害を切らせる順番やフェイズはどうか、優先権は使えていたか、妨害を乗り越えたあとのゴールは見えていたか、囮にマストカウンターを演出できなかったか、セットする順番は、位置は…など、細かくみることができます。先入観に囚われず、この順番入れ替えたら、普段はしない動きをしていたら、など視点を変えて考えます。これには時間を要しますが、楽しい作業です。
□拮抗勝負ケア
まずは直接的な手段(無効やハンデス)を伴わない方法から解説します。
●先行時
《拮抗勝負》はMD上で流行り廃りがあるので読み辛いですが、先行を取った際は常に意識しておきたいです。《拮抗勝負》の存在を前提として、
・重複する効果のカードを伏せない
(例:ダルマカルマと皆既日蝕の書、スキルドレインと暗闇を吸い込むマジックミラー)
・可能な限り少ない枚数でターンを渡す
(例:ダルマカルマと超融合を伏せられる場合、超融合を手札温存するなど)
この2点を踏まえてさらに、
1.打たれてでも、通さないと勝てない手札
2.打たれても、ケアできる手札
この2項に初手を振り分けて行きます。
1は2枚以上の組み合わせでないと妨害が設置できない場合。
シャドウディストピア+リリス、暗闇ミラーがこれに当たります。
この場合は時勢にもよりますがケアは諦め、最善の場で返しています。
2は単体永続妨害を握れていたり、ケアの動きができる場合。
例えばスキルドレインは1枚で妨害を完結し、かつ強力なため拮抗勝負受けが非常に良いです。
また覇王龍の魂+魔のデッキ破壊ウイルス+メタバースの組み合わせでは、バトルフェイズ開始時にズァークコストに魔デッキを発動し相手の手札を確認します(ブラフの可能性があるため)。確認できた場合、魔デッキでうららを落とせているため、メタバースが通り魔デッキ適用+ネクロバレーと、まあまあな妨害を敷くことができます。
●後攻時
拮抗勝負を採用するデッキは後手の保険で入れられているイメージが強く(例えば【烙印】や【植物リンク】など)、こちらが攻めているとき不意に2~3ターン目にトップされ負ける場合があります。
相手が拮抗勝負を持っているか否かを判断し、既に引かれていることも想定し打たせないプレイも重要になります。
・自分バトルフェイズにチェーン確認ON
相手の場が空の状態でバトルフェイズを迎えられる際はチェーン確認を利用して優先権の推移や思考時間の長さから判別します。
余裕があれば、メインフェイズ1でカードを1~2枚セット、もしくは通常召喚したモンスター+1~2枚ブラフをセットでバトルフェイズに入り、相手に判断材料を渡してみます。
・魔デッキでのピーピング
ピーピングで拮抗勝負の有無を見るのは単純ですが確実です。
魔デッキの3ターンが経過する前にキルを狙うか体制を整えます。
・自爆特攻を防ぐ
手札に拮抗勝負がある場合、自軍の場のモンスターを自爆特攻させて空にして発動を狙うプレイもあります。対応として、数ターン以内にキルが取れない場合はアタックせず守備にしたり、月の書/皆既日蝕の書、ダルマカルマで守備表示にするなどがあります。
■メインカード解説
《悪魔嬢リリス》
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