発達障害20代女、人性記 1

わたしは生来、色んなものに躓いてきた。

その中でも特に大きかったのが、性。

小学生、みんなが好きな人の話で盛り上がる時期。僕には好きな人が出来たことがなかった。
それでも「居ない」というと嘘だと糾弾されるので、あの子が好きだと適当に騙っていた。
あの子とあの子があなたの事好きだって、と言われるも特に何も感じず。その子の事を好きと言う友達がいるから面倒だな、ただそれだけ。

中学生になってもそれは変わらず。寧ろ、人間関係に関しては悪化した。
わたしには学校というシステムが根本的に合わない、集団行動が壊滅的だという事をここで知る。
そこでわたしの事を好きだ、付き合って欲しいと言う異性もいたが、特に何も感じられなかった。
わたしは不登校になった。

そして高校生になり、全日制から通信制に転校したりと色々あったがその辺りの詳しい話は割愛する。
幸い容姿に関してはそこそこに褒められる出来だったので、好きに男に抱かれた。女を抱いた。逆もまたあった。
異性がだめなら同性はどうだとあちらこちらに手を出した。
だが、わたしはとうとう誰にも恋することは無かった。

誰にも恋をできない、誰も特別に感じない事に焦ったのだろうか。
僕は、関わる人全ての"いちばん"になろうとするようになる。

"いちばん"とは、やはり恋人だろう。わたしは誰にでも好かれるように立ち回るようになる。まるで貴方しか居ないの!と言わんばかりに甘え、スキンシップをせがむ。その頃、同じような関係の男女が数人居た。

普段の生活面でも、その狂いは侵食してくる。
集団行動が壊滅的なわたしは、高校生ができるバイトの殆どが苦手だった。どのバイトもすぐ辞めてしまったり、心が追い付かなくて荒れる事が多々あった。
そんな中で僕が目をつけた金を稼ぐ手段。
わたしの得意なことを活かせばいい。

わたしは自分の身体を使って金を稼ぐ事を覚える。顧客ひとりに対して甘えて媚びを売っていれば良いので、集団行動の出来ないわたしには普通のバイトよりすごく気が楽だった。
性は金になる事を覚える。
元々歪んでいた認知が、どんどんおかしくなっていく。

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