いにしえの職場の話〜ゴーゴー百貨店〜⑥ミエコと猫とニャア
〜昔の職場の話を書き綴ってます。
第6話目。あ、百貨店での話です。続きものではないのでお好きなところからどうぞです〜
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そういえばミエコの話をしたい。
ミエコという高齢の販売員さんがいて。つっても当時の話で今の私とそんなに年齢が変わらないかな。私ったら高齢なのね! あらら
んなこたどうでもいい
ミエコは小柄で華奢でいつも、口を開けばトホホな話をする人だった。ネガティブで全身を包んでいるような。周りの人からも、なにをしゃべっても結局彼女自身のネガティブ話になるー なんてちょっぴりげっそりされていた婦人だったんだ。
でも私はなんだかその人ミエコとしゃべるのが楽しくて。気がむいたら話しかけていたんだ。気がむいたらて何様だよ?って感じだけれども。ふふ
そんなミエコはネガティブオーラ満載だからか、お客さまの引きも悪くて。引きってあると思うんだよねー。それか物事の持っていき方っつーのかな。それかな。だもんでよくお客さまに怒られたり面倒な難題をひっさげていたりなんだかとにかくトホホだった。ある意味強い!
で、ミエコの仕事はまぁトホホの連続でそんな感じだったんだれけども。家庭やら日常、私生活はどうなのかなーって思って聞いてみたら
3人目の旦那さんは病で床にふせっていて、その前の2人の旦那さんは病死だったとのこと。
えーーー! なんちゅーか本中華←古っ
もーさ、失礼を承知で書くと絵に描いたような不幸と大変の連続。(ごめん、失礼だよね。いや、なにが不幸かなんて、他人がいうことでも決めることでもないし。でもここでは自由に書かせていただきます。。)
それでね、出戻りの息子が1人家にいて。どの、何番目の、旦那さんとの子息かは忘れてしまったが。その息子がなかなか定職につけないってーーー なんかすぐやめちゃうのよーーーって
床にふせてるご主人もいるうえにっ
細うで繁盛記とはこのこと? え?
しかーもーーー、猫を3匹飼ってるらしいんだけど、その子息がもらってきちゃうとかいって。もらってくるうえに想像通り世話もしないっつって。そんなもんさ。んで、世話をしてるミエコには猫がぜんぜんなつかなくて。なんなら全猫から私、嫌われているのよってミエコ。
私、ごめん、大爆笑! してしまった
(昨日も) 猫に噛まれたとかいって手に包帯を巻いて出社してきたり。爆笑。私、笑いすぎて、休憩の時にさらにわざわざ包帯をとらせて傷口まで見せてもらったよ。穴が2個と真っ青になっていた。真っ青とドドメ色になってたよ。あんなん見たことない。
こっっわ
そんなミエコはトホホ満載だからか優しいからか私のウザい絡みにも包帯をとって快く傷を見せてくれたり付き合いがよかったなー。だからトホホなのかな。話しかけてくる輩の引きも悪いよね。
ごめんだよ。。ミエコ。。
そんなミエコの大好きだったところは飼い猫のモノマネをしてくれるところだった。
どんなマネだったかっつーと
噛んだりひっかいたりしたあとに遠くからにらみつけながらニャアと鳴くっつって
そのニャアをマネしてくれたんだ。
ニャアって。
職場で嫌なことがあるとミエコのところに行っては猫のニャアをマネしてもらってたんだ。
ニャア
そんだけでどんだけ爆笑して救われたことか。
ありがとうミエコ。
大好きだったよ。ニャア
そういえばの追記でっす、、
さらに思い出したこと。ミエコと働いて半年ぐらい経ったときのこと。ミエコのコンプレックスのなかに、左手の小指が第一関節までしかないってこと。を、告白された。え? 商品を包装とかするときとか手元とかを見てたけど、言われるまで気づかなかったよ? あ、確かに短いね。でも、それ、可愛くない?って言ったら嬉しそうにでも恥ずかしげに柔らかく微笑んだんだ。
人のコンプレックスってわからないなー
ぜんぜん気づかなかったよ。自分には大問題で他人にはチャーミングにうつったり。本当わからん。でも本当かわいかったよ、ミエコ
おしまい ニャア
(そういえばあたりまえにトホホって言葉を使っているのですが、ヤング世代には通用しないんですかね? ふと思ったのです。ま、いっかゴメンなさいわかりそうな人に聞いたりしてくださーい)