2010年(3)
退職してから2か月後、今度は居住地から徒歩圏内にある会社に入社。
前職場は徒歩で30分、電車で1時間掛かった。
行きはともかく帰宅がきつく、何度も引っ越しを逡巡したことか。
精神的に安定したとは言い難い時期だったが、他に手段もなく前職と同じデータ入力に就く。
病院に通いつつ、投薬治療をしていたが担当医の高圧的な物言いに嫌気が差し、途中で放棄。以後、薬の世話にはなっていない。
結論から言うと、この会社も5年程で退職した。
一言でいうならブラック企業。
現在(2023年)も存在している。
契約時には時給で入った筈なのだが、いつの間にか出来高制にシフトされていた。私自身が預かり知らぬ所で。
気付いた所で後の祭り、どうにもならない。
そしてある日、いきなり本社の人間が乗り込んできて(勤め先は事業所)事業所全員を出来高制にシフトする旨の宣言がされる。
一人ずつ別室へ呼ばれ、仕事を続けるかどうかの意志確認が上長同席のもと行われた。
ほとんどの人間が継続を選択。
会社として決定された方針を、一従業員が吠えて嚙みついた所でその処遇が変わる訳でもなく、「なら辞めてください」の一言で終わる。
仕事量の変動が激しく、ある月は20万だったが翌々月は10万を下回るようなやり方が常態となっていた。業界全体として波はあったが、極端に過ぎる。
高い状態が続くならばまだマシなのだが、下回るような時期が月日を重ねる度に高くなり、さすがにこれはと思い退職の申し出る顛末。
不満を取るか、不安を取るか。
慣れてしまえば、不満があってもやっていける。
多少ガタが来ていても、習熟しているため乗り越えていける。
不安を取る場合、今の職場を辞めて未知なる世界に飛び込むことになる。
大きな勇気が要り、おいそれと実行は出来ないだろう。
だが後悔はなかった。