不妊治療と仕事の両立が難しいと感じた理由③~

 前回に続いて、私が不妊治療と仕事の両立が難しいと感じた理由についてお話します。三つ目以降の理由は全て「両立のためのスケジュール調整」に関するものです。以前ピックアップした理由を改めて記載します。

不妊治療と仕事の両立が難しいと感じた理由3~7

3.転院後のクリニックが人気のあるところで、自分の都合の良い時間に通院出来なくなった
4.不妊治療が長期化し、いつまで続くのかの見通しが立たなくなった
5.コロナ禍で突発的な人手不足が発生することが予想される中、不妊治療を理由に仕事を休むことは難しいと感じた
6.生理周期が不規則になり、不妊治療の通院スケジュールが予想しづらくなった
7.不妊治療による長期休職制度が無かった

3.転院後のクリニックが人気のあるところで、自分の都合の良い時間に通院出来なくなった
 初めに通っていたクリニックでは、体外受精で2回の移植をするも妊娠には至らなかったこともあり、職場近くにあった人気の不妊治療専門クリニックに転院することに決めました。
 病院側から通院日時を指定されることも多く、予約枠が埋まるのも早いため、仕事を1日休みにしなければ受診できない状況が増えてしまいました。
 どうしても休めない仕事と重なる頻度がかなり多かったため、通院を諦める周期が続きました。

4.不妊治療が長期化し、いつまで続くのかの見通しが立たなくなった
 
1回目の体外受精では2つの胚盤胞が両方とも妊娠に至らなかったため、2回目の体外受精(採卵)にチャレンジすることを決断しました。(初めの採卵があまりにも痛すぎたのでもう二度としたくないと思っていたのですが・・・)
 不妊治療において、1番スケジュール調整が難しいのが採卵周期です。途中で通院できなくなれば、今までの時間・労力・お金が無駄になってしまうため、何が何でも通いきらなければ!という意気込みで取り掛かることになります。1回目の体外受精は、休みの日を変更したり時間休を使ってなんとか採卵に辿り着けました。1回で終わりに出来れば負担は少なかったのですが、私はそういきませんでした。これが複数回続くかもしれないと考えると仕事への影響が大きすぎると感じました。

5.コロナ禍で突発的な人手不足が発生することが予想される中、不妊治療を理由に仕事を休むことは難しいと感じた
 コロナ禍に入ってから、職員自身やその家族の感染によって突発的に1週間以上出勤できなくなる職員が出てくるようになりました。人手が不足し、残りのメンバーで仕事をカバーしなければなりません。このタイミングで自分が不妊治療のために休むとなったら?と考えると、残りのメンバーに更に負担をかけることになってしまいます。自分自身も、周りのメンバーも「こんなに大変な状況の中、今休む必要ある?次の周期じゃだめなの?」と思うだろうなと予想してしまいました。
 しかし、私は低AMHということもあり1周期でも早く妊娠したいと強く思っていました。「不妊治療は急を要するもの」これは職場の方に十分理解していただくことは難しいのだろうなと思いました。

6.生理周期が不規則になり、不妊治療の通院スケジュールが予想しづらくなった
不妊治療は「生理初日が何月何日なのか?」でおおまかなスケジュールが決まってきます。生理周期が安定している場合は、いつ生理が来るのかを予想できるため、通院スケジュールが立てやすくなります。1回目の採卵は予想通りに生理が来たため、採卵周期の通院スケジュールに合わせて事前に休みを申請することが出来ました。その後、生理周期がバラバラになってしまい。生理初日がいつになるかの予想がつかず、事前の休暇申請が出来なくなってしまいました。

7.不妊治療による長期休職制度が無かった
 不妊治療と仕事を両立するために、ほとんどの方はその都度休みを申請していると思います。この「突発的かつ高頻度な休みの申請」にストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。うまく卵が育っていない場合は連日の通院になることもあります。「今日休みをもらったばかりなのに、明日も休まなければいけなくなった」という状況になる場合もあります。
 もし、ある程度のまとまった期間に休職できればこの問題は解決できたのだろうなと思います。

 仕事を続けたい気持ちはありましたが、これらの理由から退職を選択しました。これは私自身の一例として捉えていただければと思います。
 個人の性格や考え方、不妊治療クリニックの立地や診療時間、職場の環境によっては仕事と不妊治療の両立は不可能では無いと考えます。
 不妊治療に対する理解が浸透し、仕事との両立がしやすい社会になることを願います。

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