今から知るべき幹細胞とは?3分解説
さて、人生百年時代を迎えた現代人にとって、いつまでも若々しく元気に、明るく、楽しく生きていきたいと願うことは自然な願望になっていますよね!
失った機能や臓器を「再生する力」によって再び蘇らせるのが再生医療です!その治療の要となるのが
「幹細胞」です。
テーマは幹細胞によって「若返って老化を防ぐ」ことについて分かりやすく端的に解説します!
1幹細胞とは?
2幹細胞と老化について
3最新テクノロジーでの老化へのアプローチ
1幹細胞とは?
私たちヒトの元は受精卵というたった一つの細胞から始まり、何度も細胞分裂が繰り返されて細胞の数が増え、身体が形成されます。
細胞分裂を重ねて細胞の数が増えてくると、ある段階から細胞は異なる役割を持つ細胞に分化(単一のものが発展し複雑に分かれていくこと)して身体のさまざまな組織を形づくっていきます。
一つひとつの細胞は、基本的に約50回分裂すると、分裂をやめて死に至ます。一定期間ごとに新しい細胞と入れ替わります。この入れ替わり周期は組織によって異なり、皮膚は四週間、血液は四カ月、一番長いのは骨の細胞で四年です。この周期をターンオーバーといい、美容業界では顔のターンオーバーに関しては年齢+7と言われてたりします。要するに
ヒトの身体のほとんどの細胞は四年で新しいものと入れ替わり、「別人」になってしまうという事です
2幹細胞と老化について
レオナルド・ヘイフリック博士は、人胎児由来線維芽細胞が、一定数細胞分裂を経た後、増殖を停止し、その後も細胞が死滅せず生存し続けている現象を発見しました。この現実を「細胞老化」と呼び、細胞分裂の限界のことを発見者の名前からヘイフリック限界といいます。細胞老化の研究から、細胞核の中にある染色体の末端部分であるテロメアは、細胞分裂を繰り返すたびに短くなっていき、ある程度の短さになると細胞老化が始まることがわかってます。
細胞老化の特徴
①テロメアの短縮 ゲノムの不安定化
②細胞周期抑制タンパク質の産生増加
③タンパク質垣常性喪失 異常タンパク質産生
④細胞間コミュニケーションの変化 加齢因子分泌
⑤ミトコンドリア機能不全 活性酸素の発生
⑥老化誘導遺伝子(p21,p16)活性化
⑦幹細胞枯渇 etc
3最新テクノロジーでの老化へのアプローチ
老化細胞は、加齢とともに体内に蓄積されることが判明し、その老化細胞を取り除くことにより、加齢、加齢関連疾患のプロセスを遅らせることがわかりました。
細胞老化の誘導には影響を与えず(細胞老化によるがん抑制作用を妨げず)、生体内の老化細胞だけを選択的に細胞死へと誘導して除去するセノリティクスの研究が2015年から進み、東京大学医科学研究所、
がん防御シグナル分野教授の中西真先生の研究チームがGLS1(グルタミナーゼ1)阻害薬を開発しました
老化細胞は、細胞分裂停止後も生体内で生き残って慢性的な炎症を引き起こす「毒」=サイトカイン
(インターロイキン6=IL6、TNFαなど)をばらまきますが、中西教授の研究チームは、老化細胞を生き延びさせるのはGLS1という酵素であることを発見し、GLS1阻害剤よりこの酵素の働きをブロックして、老化細胞を細胞死へと誘導することに成功しました。
まとめ
最新のテクノロジーにより、老化細胞を除去する
事が可能な時代になりました。これからの時代美容業界は、間違いなく「再生美容」へと進化していくことでしょう。