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【歌詞語り】化粧という行為①:あいみょん「ラッキーカラー」
筆者は化粧などいたしませんので、やれ下地だの、やれファンデーションだの、と言われても、呪文のように聞こえたりします。「foundation」なのだから「土台」という意味で、どっちも「下地」的なものにしか思えないのですが、どうも違うらしい。よう知らんけど。
それはともかく、「化粧」という行為には、シミやシワを隠したり、肌つやをよく見せたりという「物理的」な目的がある一方で、以下の歌詞にみるように「精神的」な目的がある、ということは、何となくは理解しているつもりです。
あいみょん「ラッキーカラー」
発売年:2024年
作詞・作曲:あいみょん
この歌の主人公は、願い人に想いが届かなかった、という経験をし、その想いを終わらせようとするにあたり、
でも散々迷った恋の終わりは
自分の色に染めたいから
ラッキーカラーを指先に纏って
鈍感な貴方に気づかせてあげる
揺れるスカートは恋してるって証
小さなところで気づいて
恋してるの、私
今日もまつげを空に高くあげる
と、自分の気持ちにせめて気が付いて欲しい、と願いをこめて、一生懸命「おしゃれ」に勤しむのです。
「爪を塗る」「まつ毛をあげる」=「化粧」という行為・所作を歌詞に溶け込ませて、心情の機微を歌い上げているのが、実に巧いです。失恋こそしてますが、気持ちは前向き・上向きです。
次項では、この歌とは違う方向の「化粧」、中島みゆき「化粧」について記します。