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パリ五輪開会式 極私的雑感② マリー・アントワネット~高校時代の「ディベート授業」

昨日に引き続き、パリ五輪開会式について。

マリー・アントワネットを想起する女性が斬首され、彼女が幽閉されたコンシェルジュリーが赤い煙幕で包まれる、という演出が話題になっています。

これも評価が分かれるところでしょうが、「フランスにはこうした革命の歴史がありました」という「事実」を表現したに過ぎない、と当のフランス人は言うんだろうな、と想像しました。

…マリー・アントワネットで思い出した、個人的な思い出を。

かれこれ30年ほど前、筆者が高校生の頃、世界史の授業で、先生が「ディベートをやるぞ」と言い出して、そのお題が「マリー・アントワネットは本当に悪女か?」というもの。筆者は「いや、悪女ではない」という立場の方に回され「無理ゲー」を強いられることに。チーム戦だったが、こんな無理ゲーに誰も前向きに取り組むはずもなく、しかも相手チームは女子。女子が「悪」て言うてたら、そら「悪女」やん。筆者はこの無理ゲーに孤軍奮闘することに…。

ディベート内容はほとんど覚えてませんが「彼女自身の生い立ちからして、『パンがなければ肉(?)を食べれば?』みたいなことも、悪気無く言ってしまうがな」みたいなことを強弁していた気がします。結果は当然敗北でしたが、普段は盛り上がりに欠けていた当時のクラスが、それなりに盛り上がり、自分でも「噛ませ犬」役はそれなりにこなせたかな、と多少の自己満足を得てました。

そして30年ほど経ちました。なんと、今、こんなことになってますやん。

悪名高いマリー・アントワネットと、その尻に敷かれていたというルイ16世。贅沢三昧を尽くした二人は、国民の怒りを買い、ついにはフランス革命で処刑されてしまう。しかし、最近の研究では、その悪評の多くは中傷やデマであり、マリー・アントワネットは本当は国民思いの優しい人物であったと彼女を再評価する動きが見られる。

冒頭の「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という言葉も、実際にはマリー・アントワネットの言葉ではなく、ルイ16世の叔母であるヴィクトワール内親王の言葉とされている。しかも、正確には「ブリオッシュを食べればいい」であり、現在では高価なお菓子であるブリオッシュも、当時はパンの半分の価格の食べ物だったとされている。

ルイ16世やマリー・アントワネットがどのような人物だったのか、今となってはわからない。しかし、国民を飢饉から救うために、ジャガイモの普及に尽力した人物であることは明らかである。

歴史は勝者たちによって作られる。

そして、人々を飢えから救うためにジャガイモの花を愛した王妃は、ギロチン台でバラの花びらのように散っていったのである。

(『世界史を大きく動かした植物』より一部再編集)

https://shuchi.php.co.jp/article/5345?p=4

当時は便利なインターネットも無く、また、マリーアントワネットの評価も当然「悪女」というものでしたが、今この状況でディベートに挑んだら、、勝ててたかも。(いや、有利なネタ持ってても、喋りで滑って、やっぱり負けてたかな、、)

しかし、こうして歴史的研究が重ねられ、人物の評価が変わっていくのは「コロンブス」の件とも同じですね。


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