【歌詞語り】KAN「愛は勝つ」
KAN「愛は勝つ」
発売年:1990
作詞・作曲:KAN
この歌がヒットしたとき、筆者は小学校高学年くらいの時でした。
「やまだかつてないTV」のタイアップもあり、巷ではみんな「愛は勝つ~~」と歌ってたし、小学校のイベントごとなどでも、みんなで合唱するとなると、この歌が選曲されたりしてました。
『「愛は勝つ」って言われてもなぁ。。』
色々拗らせかけていた筆者は、皆でこの歌を合唱する際に、こんなことを思ってました。皆より早く変声期を迎えてしまっていたので、とにかく「合唱」という行為が苦痛だったのも相まって、歌詞のストレートさに若干の照れくささを覚えていたものでした。
それから悠に30年以上は経ったでしょうか。佐藤竹善さんのラジオ「SING LIKE TALKINGのアンダンテ」を聴いていると、ある日、KANさんがゲストで登場。人たらしの塊のようなお二人のトークを、癒しや憧憬を以って聴いておりました。
そこで改めて「愛は勝つ」です。少しはモノの分別がつくようになってはきたのだろうか。。やはりここまで大見栄を切って「愛は勝つ」と言えること自体が凄いことなのだな、と思うようになりました。当たり前のことを当たり前だ、ということの稀有さ、尊さたるや。。
ここまで真っすぐに「愛」やら何やらに向き合えるか?向き合えてるか?自分の土俵ででも「勝ててるか?」…これは単なる「頑張ろうソング」ではなく、生き方そのものを問われているような気にもなります。KANさんの人柄・全知全能が「愛は勝つ」というフレーズに収斂されているのかと。それを小学生でリアルに理解できる方が難しいかろうとも思えます。
KANさんが亡くなられてから1年。こんなことを思い出しました。
才能あふれる歌手・音楽家を早くに失ったことは、改めて沈痛の極みですが、こうして思い起こされるほど、まだまだ多くの人の心の中では生き続けているのだ、と思います。
※補足
佐藤竹善さんによる、KANさんのカバー曲「カレーライス」もお勧めです。
特に秋冬にかけて、身も心も温まる名曲をご賞味あれ。