【歌詞語り】春日八郎「お富さん」
春日八郎「お富さん」
発売年:1954年
作詞:山崎正
作曲:渡久地政信
子供のころ、懐メロの番組などで、茶の間でよくこの歌も流れていました。調子の良いメロディーと歌詞は耳にはよく残ってはおりますが、その歌詞の意味たるや、、
なんのこっちゃ、です。「お富さん」は女性なのかな、とは察しがつきますが、「死んだはず」だったとは?そして「源冶店」って?「粋な黒塀 見越しの松」??
でもとにかく名調子なのと、「死んだはず」の人が「生きていた」というフレーズがなかなかに強烈だったので、記憶に残っておりました。
「歌詞語り」とか言いながら、以下のサイトに素晴らしい解説があるので、詳細はそちらに譲るとします。
なるほど、歌舞伎がモチーフだったんですね…
1954年当時、「歌舞伎」という娯楽がまだまだ隆盛だったので、大衆の共通認識・教養として有効だったのでしょう。「お富さん」というワードで「あ、あの『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』ね」となったんでしょうね。凄い。
そしてこの歌詞、4番まであるのですが、「4番まである」といえば、
「木綿のハンカチーフ(太田裕美)」でしょう。「木綿―」は、詞先だったのですが、曲をつけようとした筒美京平さんが、松本隆さんに「長いから削ってくれ」と言いたかったのですが、当時は携帯もなく、それも叶わず、、
しかしその「長い」詞に、あのメロディーをつけて、大ヒット曲が生まれました。
それに先駆けて、4番まである「お富さん」がヒットしたことを踏まえると、「木綿―」も実はそんなに長いと思われなかったのかも知れません。つまりは長短ではなく、構成・展開が肝要なのかと考えます。