【歌詞語り】朝丘めぐみ「私の彼は左きき」
昨日の「サウスポー」に続いて、左利きの人の歌を。
麻丘めぐみ「私の彼は左きき」
発売年:1973年
作詞:千家和也
作曲:筒美京平
先日、「マツコの知らない世界」でJUJUさんが歌謡曲について語っていたことを記事にしましたが、その際に名作詞家の一人として名前が挙がっていた千家和也さんの作品です。「私の彼は左きき」というフレーズは、シンプルですが実にキャッチーです。
「投げキッス」「こちらにおいでと呼ぶとき」「ブラックコーヒー飲むとき」…女性の視点から、男性の仕草をよく見ていることが描写されてます。「私の彼は左きき」であることを、ただただ朗らかに歌っている「一点突破」な歌であると思われますが、一点肝要なのは、
あなたに合わせて みたいけど
私は右ききすれ違い 意地悪 意地悪なの
という一節で、何もこの男性は「意地悪」で左ききな訳はないのですが、慕い人が、自分と違う点があることの「嬉しさ」や「もどかしさ」などの、こもごもした感情を「意地悪」と言ってのけてます。これもシンプル。しかし適度に濃い。ダラダラと薄い言葉が並んでいるのではないです。
あれこれ詰め込まなくても、歌というものは、時にシンプルでも、人の感情に届くものだと改めて思う次第です。とかいいながら、次回は、シンプルでは無さそうなことを考えてみようと思います。