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僕の人生狂想曲〜青春前期〜

500円QUOカードが目当てだった。
美容師専門学校の体験入学に行けばそれがもらえた。
高校生にとって500円という金額は大きなものだ。だから僕は毎回通った。

どうして美容師になったのか?と聞かれると「500円QUOカードくれたから」と言うのが正しい答えだが、
今回はこの500円から1000万プレイヤーになり今現在にどこに向かっているのかまでの遍歴を書きたいと思う。

入学金と名前を書く能力があれば入れると言われるその専門学校に入学。
すぐにギャル男とチャラ男と仲良くなった。
僕が現在もギャル男でチャラいのはこの悪友の影響だ。

同級生に可愛い子がいた。A子という。
A子は優等生で毎日放課後に残って課題をやっていた。
僕はA子と話したいがために課題になど興味は無かったが
下心満開で毎日放課後残って話しかけるチャンスを伺いながらいい加減に課題をこなしていた。

課題意欲への原動力は不純だが僕はいつのまにか全国大会に出場できるほどの技術を身につけているのであった。
天才とは努力に気づかない人のことを言うと聞いたことがあるが、下心は努力を忘れさせると付け加えたい。

あれよあれよと大会に出場、結果はなんと全国5位!!
美容技術なんてこんなもんなんだなと、高飛車な気持ちでA子に告白した。

フラれた。

理由は500円や下心に釣られて美容師になろうとする男に興味はない。と言うものだった。
当時はショックだったが今ではA子の判断も理由もかっこいいと思える

でもショックはショックだった。
フラれたショックを誰かに癒して欲しかったチャラい僕は
同じ会場にいた別のクラスメイトB子に無理矢理に恋をしていた。
以前からB子は放課後熱心に練習する僕に好意を持っていたのを知っていたからだ。
(もちろん熱心だった理由は彼女は知らない)

ここでも僕は下心を出しまくっていた。
自分の切り替えの速さに驚愕するがこれはこれで能力だと思う。

「全国5位」という称号は金メダル、銀メダル、銅メダルにもなれないメッキメダルだが、それでも学生には眩しく見えたのか、僕はそのままの勢いで告白しB子と付き合うことができた。

それはA子にフラれた3時間後の出来事だ。

全国一位を目指す彼、それに憧れる彼女
最高のカップルがここ栃木に誕生したのである。

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